6/26 『ほろよい読書』他2冊

 6月26日。今日は暑い。嘘みたいに暑い。クソ暑い。まじで暑い。


 暑くて部屋から出る気になれない。朝ごはんに菓子パンとヨーグルトを食べて以来、外に買いに出るのもごはんを炊くのも面倒だ。クーラーをつけていても部屋の輪郭がぼんやり暑い。昨日の旅行の疲れもあり、心底なにもやる気になれない。


 本を読むことだけはできたので、今日は続けざまに3冊の本を読んだ。お腹がすいたら時々お菓子でお腹を満たした。


 1冊目が新川帆立さんの『元彼の遺言状』。バリキャリ女性弁護士が活躍するミステリーだ。このミス大賞をとっただけあって、作りこまれた物語。作者の経歴もすごい。東大法学部卒、司法試験合格、加えてプロの雀士。その上顔までかわいい。天は二物を与えるんだなと思う。弁護士を目指している身として、現役弁護士が書いた、弁護士が主人公の話は読みごたえがあった。物語を楽しむと同時に、弁護士の生活を少し覗かせてもらって、好奇心とあこがれが刺激された。弁護士ってやっぱり儲かるらしい。引っ越しが終わってからにはなるが、私も勉強をがんばろうと思う。


 2冊目は、この間読んだ『ランチ酒』の続編。原田ひ香さんの『ランチ酒 おかわり日和』。相変わらず、重厚な人間ドラマを挟みつつ、主人公が美味しそうに食べ物とお酒を楽しむ。レバーの缶詰とお菓子を放り込んだだけの胃がちくちく刺激されたが、外の暑さには勝てず、この飯テロ小説を楽しんだ。


 3冊目は『ほろよい読書』。織守きょうやさん、坂井希久子さん、額賀澪さん、原田ひ香さん、柚木麻子さんの短編アンソロジーである。これがものすごい当たりだった。どの短編小説もすばらしく、読んでいて引き込まれてしまい、清々しい読後感だった。どの小説も好きだったが、特に好きだったのは織守きょうやさんの『ショコラと秘密は彼女に香る』だ。まず、お酒がテーマの小説で、未成年を主人公にもってきたところが面白い。登場人物も魅力的で、雰囲気も華やかで可愛らしく、途中の展開も、結末も、短編とは思えない厚みのある話だった。少女のような可憐な気分になって読み進めてしまった。人物造形も構成力もすごい。これがプロの作家か、と思い知った。

『ほろよい読書』はどの短編もお酒をテーマにしている。読んでいるうちにお酒が飲みたくなって、ちょうど日が沈んで涼しくなってきていたので、コンビニでおつまみと男梅サワーを買ってしまった。ちびちびお酒を飲みながら読む本はまた格別だった。読書と晩酌、癖になるよさみがある。


 次は宇佐見りんさんの新刊を読む予定。楽しみ。

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