6/24 宇都宮へ

 6月24日。妹とともに、宇都宮へ発つ。


 免許とりたての妹と私とでの、初めてのドライブ旅行。のはずだったが、私の予約の仕方が間違っていたとかで、レンタカーは私しか運転できないことになった。初めての2車線以上の道、初めての高速道路。妹は「まだ死にたくないよお姉ちゃん」などとのたまう。


「任せろい」と大見得をはり、意気揚々と出発。どきどきしながら市街を走り、いざ、高速へ。「踏め踏め踏めえ!」と勢いに任せてアクセルを踏む。加速車線はしっかり加速しないと死ぬとの話だ。そんなこんなで合流は無事に突破。

 ところどころヒヤッとする場面があったり、渋滞に巻き込まれたりしつつ、12時過ぎに宇都宮に到着。

 さて、お昼ご飯は餃子である。「宇都宮に着けば餃子屋なんて死ぬほどあるやろ」と行き当たりばったりな計画を立てていたため、寄る店も決まっていない状態。ICから降りるとのどかな風景が広がっており、餃子屋のぎの字もない。あれ?

 慌ててコンビニに車を停め、近くの餃子やさんを検索し、よさげな餃子専門店に向かう。が、店内で飲食するつもりが、コロナ禍以降テイクアウトしかやっていなかった。仕方ない、せめて涼しい車内で食べようとするも、たれをかけると箱の隅から滴って来る。やばい。借り物だぞこの車。

 ということで、慌てて車外に出る。車は店の駐車場が狭すぎて停めるのが難しく、近くのドラッグストアの駐車場に停めていた。ドラッグストアの軒下で、炎天下の中、あつあつの餃子を食べる。おいしい。けどたれが絶え間なく漏れてくる。急いで箱の中身を空にし、手を拭いて、「暑い暑い」と車に転がり込んだ。


 それからは「大谷資料館」へ。採石場があったという場所で、坑内に入ることができるという。ずっと「おおたに」だと思っていたら、着いてから「おおや」と読むのだとわかった。恥ずかしいミス。地名って難しい。

 坑内は外とは別世界に涼しかった。時々何かの雫が天井から落ちてくる。急な石段をのぼったりくだったり。高い天井や広大な広場に「これ人が掘ったんでしょ」「すごいねえ」などと言いながら、涼しい採掘場をひととおり見た。途中で記念写真もとった。

 外に出るとまた地獄の暑さが待っている。ひと涼みしようと、気になっていたカフェへ。1000円もする「日光の氷のかき氷」のとちおとめ味を、ふたりでつつく。氷はふわふわで口どけがよく、おいしかった。


 それから「若山牧場」へ。「若竹の杜」という、壮大な竹林があるというところである。まず売店を覗くと、妹が竹を模した色の万年筆インクにひとめぼれ。気前よく買ってやる。お姉ちゃんだからとか、先輩だからとか、私は何かと見栄を張ってしまう。

 竹林は木陰が涼しく、色とりどりの竹が見渡す限り茂っており、とてもきれいだった。CMや映画のロケ地にもなっているところらしい。のんびりお散歩をしたり、途中で竹のブランコがあったので、童心にかえって遊んでみたり。

 帰り際、「竹の粉入りのミルクジェラート」というのを見つけたので、購入。400円と少し。いいお値段である。妹と二人で車の中でつつく。

 

 それからホテルへ。のどかな街だな、いかにも北関東っぽいなという通りから、宇都宮駅の方に向かうと、だんだんと景色が都会じみてくる。都会の運転は難しい。妹を何度もヒヤヒヤさせながら、無事ホテルへ到着。ぐったりである。


 少し休憩したあと、宇都宮駅周辺をぐるぐる。よさげなお店を探す。見渡す限りどこもかしこも「餃子」「餃子」「餃子」である。餃子屋が腐るほどある、という見立ては、駅前に関しては間違っていなかった。

 適当なところでよさめな居酒屋に入った。料金精算の関係上、妹が夕飯をおごることになったので、ここぞとばかりに日本酒を頼んだ。ひと瓶300ml。こんなに飲めるのかしら、と思いつつ、純米吟醸を煽る。おいしい。

 それから好き放題におつまみをたのんだ。湯葉餃子、うめきゅう(妹いわく、「うめきゅうは世界を救う」)、珍しかったダチョウ刺し、など。その後も茶碗蒸しやイカわたやかにみそや、日本酒にあうものを次々に頼んだ。「お酒に合う」という感覚がようやくわかるようになってきた今日このごろである。煙草が吸える店だったのも嬉しかった。欲望を全部開放して楽しんだ。

 好き勝手に飲み食いしたのに、二人で5000円くらい。なかなかリーズナブル。飲み放題の飲み会より安い。日本酒がまわってるんるんした気持ちで帰り、寄り道してハーゲンダッツを買い、ホテルへ。

 長々おしゃべりをして、12時過ぎに就寝。

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