第4話 夜のお話②リビング〜お風呂編

――ジャー……カチャ、カチャ、キュッ


ふ〜、これで洗い物終わりっと。


あとはお皿を……


え!? 一緒にお皿拭いてくれるの!?


嬉しいっ! ありがとう〜!


――カチャ、カチャ


ふふっ……


ん? いや、黙々と作業してるからなんだか可笑しくなっちゃった。


無言でいても苦痛じゃないって、やっぱり私たち合ってるんだね!


あれ? どうしたの?


えっ!? 『幸せを噛みしめてる』!?


そっかそっか~! 私もね、毎日幸せだよ~!



—―キュッ、キュッ……


よしっ! 全部片付いたね!


じゃあソファーで休憩しよっか!



◇ ◇ ◇



――パタパタパタ……


ねぇ、アイスあるけど食べる人~?


ふふっ……、ほんとアイス好きだよね~!


あっ、チョコとバニラがあるけどどっちがいい?


え? 私が先に選んでいいの?


わ~い! ありがとう!


どっちにしようかなぁ~……


やっぱ二人で半分こしよっか! そしたら両方食べれるしね!



――カチャ、カチャ


ん~、冷たーい! でも美味しいね!


はいっ、あ~ん!


美味しい? 私も一口ちょ~うだい!


えっ!? くれないの!?


ひどーい!!


じゃあ私だってもう一口もあげないもんっ!


……。


……なに? 


もうっ! いじけてるんだから背中つつかないでよ! 


だからなに……ん?


……んん!


……プハッ


も、もうっ……。くれるなら普通にスプーンでちょうだいよぉ。


口の中でチョコとバニラ混じっちゃったじゃん……。


でも美味しっ。


え? 今度は私からしてほしいの?


も~しょうがないなぁ~。今日だけだよ?


ほら、口開けて?


…………どう? 美味しい?


キャー! 待った待ったー!


まだお風呂に入ってないからー!


え? 『そんなの後ででいい』って……。


やっぱダメだよ~!


ちゃんと綺麗にしてから……ね?


え? 一緒入りたいの?


え~、恥ずかしいよぉ~。


『そんな今さら』って……。


もうっ! 女心が分かってないなぁ~。


どんなに慣れても恥じらいだけは忘れたくないんだよ~。


え? 『超好き』? あ、ありがとう。


それに一人の方がゆっくり入れるよ?


『えぇぇ!』じゃない!


ほらほら~、先に入っておいで~。



◇ ◇ ◇



—―カポーン……


—―コンコン、ガチャ


あ、あの~……。


さっきはあんなこと言いましたけど、やっぱり一緒に入ってもよろしいでしょうか……?


え? 


うん……。やっぱり一人は淋しくって……。


えへ……。


じゃあお邪魔しま~す……。



—―ザバーン……


……ねぇ、そっちに行ってもいい?


――チャプン……


はぁ~……気持ちいいねぇ~。


一日の疲れが取れる~。


そうだ! いつかさ、旅行に行かない?


大きな温泉がある旅館がいいなぁ~!


二人でこうやって露天風呂に入って一緒に夜空を眺めるの!


あ~! 考えただけでもワクワクしてきた!


ヒャッ! な、なに!?


…………あっ……。


もう……。今お風呂入ったばっかだよ?


『約束のご褒美ちょうだい』って……。


……わかった。いーよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る