第9話 夏旅行のお話②

――パタパタパタ……


――ガチャ


はぁ~、もうお腹いっぱい! 苦し~い!


あ~! もう限界っ!



――ボフッ!


うわ~! お布団フカフカだぁ~!


ほら~、早くこっちおいでよ~!



――ボフッ!


ねっ! スゴイでしょ?


ふぅ……、ちょっとだけ休憩……。



……はっ! ヤバい! いつの間にかウトウトしてた!


あっ! こっちは完全に寝てるし!


お~い! 起きて~! お風呂入るよ~!


『う~ん……』じゃないよ~!


お風呂一緒に入るんでしょ?


早く起きないと、私、先に一人で入っちゃうよ~?



――ガバッ!


あ、起きた。


おぉ! 起きてからの動きが早いなぁ!



――バサバサバサ


キャッ! もうっ! 全部脱ぐならあっちで脱いでよ!


そりゃ何回も見てるけどさ、やっぱベッドの上とは違うじゃん?


ほら、後から行くから先に入っててよ~。



◇ ◇ ◇


――ガラガラ……


いい? 入るよ~?



――ザバーン……


はぁ~、気持ちいぃ~。


夜風がヒンヤリとしてて丁度いいね。



――ザザ~ン……


夜の海は静かだね。


あっ! ほら見て! 月が出てるよ!


キレイ……。


星空見ながらお風呂に入れるなんて幸せすぎる……。


こんな幸せな日がずっと続くといいな……。



—―チュッ


ん? 急にどうしたの?


『俺も幸せ』? 


そっか~。それなら良かった。


――チュッ


……大好きだよ。



◇ ◇ ◇


――ガラガラ……


はぁ~、いいお湯でした~!


はいっ、お水どーぞ!


ゴクゴク……


ぷは~! あ~、美味しっ!



今日一日楽しかったね~!


またい~っぱい思い出ができちゃった!


そうだ! 明日はお土産屋さんを見て回りたいんだけどいいかな?


わーい、ありがとう! 


ねぇ、二人でお揃いの何か買おうよ!


いいの? ヤッター!



じゃあ、明日もあることだし、そろそろお布団に入ろっか。


ベッド二つあるけど、どっちがいい?


……。


うん、やっぱり一緒がいいね。



――ゴソゴソ……


……ねぇ、夜の思い出は作ってくれないの?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る