「深夜コンビニ」ぷにまる

ニコニコ:https://www.nicovideo.jp/watch/sm40007153


YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=uBNRPwHAMQg


作詞:ぷにまる

作曲:ぷにまる

編曲:ぷにまる

歌唱:初音ミク


 2曲目に紹介したいのはこちらの楽曲『深夜コンビニ』である。製作者のぷにまるは2012年頃から楽曲の投稿をしており、UTAUの地味音オトセやVOCALOIDのIA、GUMI、初音ミクなど様々なライブラリを使っている。作風もVOCAROCKやエレクトロ系など多岐にわたっている。

 そのぷにまるが2022年の2月に投稿したのが『深夜コンビニ』である。そのタイトルの通り、深夜のコンビニを歌った楽曲である。私もたまに行くが、深夜のコンビニには独特の雰囲気と面白さがある。夜遅くまでのバイトに通っていたときはよくお世話になった。この楽曲の歌詞では、そんな深夜のコンビニあるあるのネタが盛り込まれている。


「ここには何でもあるなんて

 希望を打ち砕かれるくらい少ない」

「食べたいおにぎりがない

 パンがない」

「昼いつもいる店長不在」

「今日の最後の肉まんは

 ふやけてぶよぶよ」


 深夜に売れ残っている肉まんは本当にふやけてる。冬のバイト帰りによく食べていたことを思い出した。このように深夜のコンビニの世界を淡々としたリズムでミクが歌っている。こんな間抜けな世界ではあるが、このコンビニにいる人は「皆に事情がある」と歌う。「ちから抜けた」表情の夜勤の方々、「ずっと立ち読みして」いる人、車を降りて立ち寄る「若い男女」、様々な人間が深夜のコンビニには現れる。遅い時間のコンビニは、単なる便利な店舗というよりは、人々にとってのセーブポイントのような存在になっているのかもしれない。ありふれた日常の風景の美しさというものは、こんな所にもあるのではないかと思う。

 この楽曲のもう一つの特徴として、MVがゲーム風に制作されているという点が挙げられる。ゲーム制作に詳しい人ならご存じかもしれないが、このMVの作成には「WOLF RPGエディター」(通称「ウディタ」)というゲーム制作ツールが用いられている。ウディタで制作されたコンビニにミクが訪れ、店内を物色し、人々を観察するという構成になっており、その珍しさが話題になった。

 世の中には多様なボカロ曲が投稿され続けているが、このようなありふれた日常を歌う曲も良いなと思わせる楽曲であると思う。

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