第44話 復讐の始まり

 部屋にやってくると、絶望した顔の元仲間達5人がクレイを見つめていた。


「お、お前達…………」


「クレイさん……すいません。俺達はもう逆らえません」


「スタン? い、一体、何を……?」


「もう兄貴・・には二度と逆らいません。俺達はこれからも兄貴の手下です」


「…………」


 挨拶を交わした勇者を連れ、部屋の鏡のにある部屋に連れてくる。


 この鏡。


 マジックミラーと言われている鏡で、表はただの鏡なのだが、裏からは硝子のように見通せる。


 その部屋には勇者や女騎士、王女達が集まっている。


「では始めろ」


「はっ」


 ゲラルドが返事をして部屋を後にして数秒後。


 スタン達がいる部屋にいつもの・・・・巨体女性冒険者達が入っていく。


「うふん~♪ 小鳥たち~待っていてくれたのね~まさか今日はお城でやるなんて~嬉しいわ~」


 引き攣った笑顔で迎えるスタン達が、次々巨体女達に襲われ始める。


 王女は「なるほど……」と小さく呟いて目を逸らす。


 勇者には『スタン達の行為中に性欲300%』『スタン達の行為から目を逸らしたら性欲0%』を指定する。


 ビクッと大袈裟に反応を見せるクレイだが、すぐに隣を見回すと、更なる反応で事態がすぐに飲み込めたようだ。


「これがお前の力か…………なんとゲスい…………」


 怒りに震え始める女騎士。


「そんな事言えるのは今だけだぞ? お前も対象だからな」


「っ!」


 早速女騎士も『性欲300%』を付与する。


 彼女が俺に何をした訳ではないが、クレイの事で俺と明確に敵対するのなら敵として認定しよう。


 それにクレイと共に俺が課す試練を乗り越えて貰わないといけないしな。


 最初に身体が反応して、顔が赤に染まっていく。


 それでも強靭な忍耐力なのか、ぐっと堪え続けている。


 さすがはクローバー・・・・・マーク持ちである。


「はあはあ…………」


 元々彼女も数値は高い方ではない。寧ろ低い。


 オリビア様が15%と非常に低いが、彼女も25%とかなり低い。


 この数字なら自分から性欲を感じるチャンスはそうそうないと思う。


 それが証拠に二人ともクローバーマークが付いているしな。まあ、隣のエリノーラ王女もだけど。


「あ、あに――――」


「黙れ。お前は声が出すんじゃねぇ」


 クレイには俺に声一つ掛けないように伝えている。


 こんなクズに謝り一つ貰うだけで、イライラが溜まっていくからだ。


「っ! っ!」


 仲間達のプレイで身体を大きく震わせたクレイ。


 どうだ。気持ち良いだろう? 久しぶりのあれ・・だろうからな。


 今のクレイがどんな表情なのか気になり覗いてみると、思っていた表情というよりは、ボロボロ涙を流しながら鼻と口からも液体を垂らしてした。


 王国最高美女を前に数か月何も出来てないだろうから、今のクレイには至高の幸せなのだろう。


 だが、全てはこの後のため。


 本当の戦いはこれからだ。覚悟しておけ。クレイ。




 数十分に渡るスタン達の戦いが終わり、巨体女冒険者達が帰っていくと、スタン達が身を寄せて泣き始める。


 お前ら…………随分と女々しくなったもんだな。まあ、俺のせいだが。


 それを見たクレイも嗚咽するほど泣き出した。




「随分と大変そうだな? 騎士様よ」


「…………」


 初めて感じる感覚に、うなだれている女騎士が俺を睨む。


「こんなんで終わると思わないことだ」


「…………悪魔」


「は?」


「最低。化け物。変態。人でなし」


「いやいや、お前が――――」


「これでもうお嫁さんにいけない……私はもうお嫁さんに……いけない…………ううっ……」


 自分の両足を抱えて泣き始める女騎士の地面には大量の濡れ跡・・・があった。


 意外な一面を見せる女騎士に王女達が驚くが、まあ、普段から堅物に見える人ほど、こういうのには弱い体質だしな。


「え、えっと、その……なんだ……やりすぎたみたいですまん」


 顔が涙と鼻水だらけの女騎士が俺を見上げる。


 うわ…………うちの妻達と同じくらい可愛い顔がぐちゃぐちゃだよ…………正直ちょっと引くレベルだ。


「まあ、なんだ、まだ続くがな?」


「鬼! 悪魔! 魔王!」


 女騎士さん性格変わりすぎなのでは!?




 そんな女騎士はひとまず置いといて、今度は勇者クレイの出番といくことにした。


 ゲラルドに部屋に案内させる。


 不安そうな表情で部屋に入ったクレイに『指定』を決める。


 『女性が同じ部屋にいると性欲値300%に変更』『『賢者タイム』に突入すると『精力回復』を施す』『3時間後、『指定』を全て削除し、性欲値を0%に変更』。


 以上の3つを設定する。


 さらにクレイには青色のスペードを付与する。


 部屋を後にしたゲラルドが出て行った扉を不安そうに凝視するクレイ。


 さあ、思う存分久々の本番・・を楽しんでくれ!


 クレイが待っている部屋の扉が開き、中に入ってきたのは――――――


「おほほほ~ここに若いのがいると聞いておるのじゃが~」


「ほれ、早く入ってくれよ~」


「あいあい~最近足にくるからね~よいしょよいしょ」


 扉の外から大勢の老婆・・が入ってくる。


「ぎやあああああああ!」


 すぐに叫ぶクレイだったが、身体は正直で下着一枚になっているクレイのイチモツがその雄々しい姿を見せようと自分の存在を主張し始めた。


「おほほ~久々に元気の良い若者じゃい~ほれ、みんな~見てみんしゃい!」


 正面の老婆がそう話すと、なぜか杖を投げ捨てる老婆達が凄まじい速度で真っ赤に光る目でクレイを見つめる。


「おほほっ~元気の良い若者じゃね~」


「この子を頂いても良いとのことじゃよ~」


「久々に本気、出しちゃおうかしら~」


「や、や、やめてくれ! お願いだ!」


 クレイが彼女達を拒否・・する。


 すると彼女達の身体がビクッと震える。


 ――――そう。


 彼女達を拒否したら『性欲超上昇』と『精力回復』が発動するようになっている。


 久々の元気を取り戻した彼女達は、間髪入れることなく大きなイチモツを展開したクレイに次々襲いかかった。


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