第20話 恋ひしき黒猫

なお~ん、なお~ん。

今日も廃屋で鳴く黒いネコ

静かに降りしきる雨

さっと草むらに飛び降りた後ろ足には白い足袋、柔らかな肉球が軽く踊る。

その影は廃屋の窓を通り抜け、彼の恋求める主人の姿を探す。

かれの主人はもう何年も前に死んでしまったのに。。。


なお~ん、なお~ん。

今日も彼の泣き声は雨の中響く…

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