第12話 減量が困難な理由(続)

腹部のチューブから排出される薄緑色の膿は不思議な気持ちにさせる。


不気味なようでアオっ鼻水のような懐かしさというか、気を紛らわせたい自己防衛が働いてるようにも感じられる気持ちである。


定期的に腹膜を開いてガーゼでゴシゴシ拭かれて消毒をする。


消毒薬が沁みるので前述の痛みを消す呼吸法を覚えた。


盲腸破裂に気付かないほど鈍感でも、辛味と酸味のような違いのある感覚なのかも知れない。


思い返せば骨折や睾丸破裂の際に、痛みは感じずとも吐き気のような感覚はあった。


触覚はあるので全身が外肘や膝鼓皿の感覚に近いのかも知れない。


痒いのは苦手だ、蚊に対して人一倍の殺意を抱いている自覚がある。

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