アダムの嘲笑(ちょうしょう)

卯月 絢華

Introduction

 アダムとイブ【Adam and Eve】

 旧約聖書『創世記そうせいき』に記されている人類の始祖アダムとその妻イブ。

 アダムはヘブライ語で「人」を意味し、それは通常、普通名詞として「人間」または「人類」を意味する。

『創世記』ではアダムは、神にかたどって創造された。また、ほかの箇所では土の塵でつくられ、命の息を吹き入れられることで生命を得たともされている 。

 イブはアダムのあばら骨から、そのよき助け手としてつくられ、アダムはこれを生命あるものの母としてイブと名づけた。次いで2人の堕罪の物語が語られ、2人はエデンの園を追放されて、その原罪のゆえに一生苦痛にうめく宿命を背負う。

 ――ブリタニカ国際大百科事典


 嘲笑【ちょうしょう】

 あざけり笑うこと。あざ笑い。

「世間の―を買う」

 ――明鏡国語辞典


 「改めて問います。あなたが、一連の事件の犯人ですね。」

 「なぜ、分かったんですか。」

 「探偵たんていの勘ですよ、勘。」

 「くっ・・・。」

 こうして、女は大阪府警の元へと送られた。それは、女としてではなく事件の容疑者としての顔だった。


 ――女は、嘲笑あざわらうかのような表情をしていた。

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