危機一髪 マサの唇は渡さない!!

ワークショップで毎日マサは表現力を身につけるべく、奮闘中!!


まさか、ダンゴムシや、カニになるマサを見れるとは思ってなかった。バイブにして私は揺れてる。(笑ってる)

真剣にやってるのが、もうコント。笑ってごめん!!


ワークショップの後の反省会では、女性監督に積極的に質問するマサ。

顔が近いぞ。監督!!


この監督、ちょっとマサを個人的に好きになり始めてるなと気が付いたのは、ワークショップ3回目から。誰も気がつかないとは思うけど、マサに向けた視線や、声のトーン顔の動きなんかでわかってしまう。スマホの分際で申し訳ないけど。


今は映画監督のセクハラが問題視されてるけど、この監督は…純粋にマサに恋しとる!!



恋は落ちるもの。わたしだってスマホの分際でマサに恋してる。年下であろうと、同性だろうと、もちろんスマホだろうと、どんな関係であろうとも恋する権利は奪えない。それはわかってる。でもさ、あんなダンゴムシやカニ姿で好きになる?やっぱり顔なの!?なんて色々考えているうちに…


マサが演技について質問した時に、監督の顔が近づく。

明らかにマサは動揺しているが、監督は、恋の病。両思いって勘違いしている!!!

どうしよう。どうしよう。

いつもの素早い行動が取れない。監督の気持ちが痛いほどわかってしまうから。敵なのに、不器用な女には、同士を感じてしまう。


「マサ」


名前を呼んで、見つめ合った瞬間に、監督がマサの唇を奪おうとした!!




「ぎゃー」


との時!!(展開早!!!)私が震え上がった。


いや正確に言うと「スマホが鳴った」


私が自発的に震えたわけではない。

何故?何故?超絶絶妙なタイミングだけど。

ちょっとラッキーと思ってるけど。

わたしの体を振動させたのは誰?

その声はマサのマネージャーからだった。

明らかに動揺が伝わってくる。


「マサ、笠原っていう人の『カーサーのYouTubeチャンネル』で、お前の女の子関係全部暴露されてネットニュースになってる!!」


マサがわたしを触る手が震えていた。


それからわたしは充電されず、しばらく眠ることになる。


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