第56話 鹿島さんと一緒に帰ってみる③
「あ、あー……でも、そっか、そうだよなぁ……」
でもよく考えたらここって逆転世界だもんな。女性向けのAVが大多数になってんだもんな。それならえっちぃコスプレをするのだって女性じゃなくて男性になるよなぁ……。
「ど、どうしたの倉橋君? そんな残念そうな顔をしちゃってさ?」
「え? あぁ、いや……ちょっとね。あ、ちなみになんだけどコスプレ物って逆バニー以外で人気なものってどういうのがあるの?」
「う、うーん、そうだね……やっぱり王道なのは執事とかスーツ姿とかかな? あとは水着とか運動系の服装とかも人気あるよね」
「へぇ、なるほどー! やっぱり王道と言えば執事とかになるんだね」
元の世界ではメイドさんがとても人気だったけど、こっちの世界だと執事さんが人気のようだ。そういう違いを知っていくのはちょっと楽しいかもしれないな。
「うん、色々と教えてくれてありがとうね、鹿島さん。それじゃあ早速本題なんだけどさ、その鹿島さんが持ってるえっちぃ物を俺にも見してくれないかな?」
「え……あ、そ、そっか。そういう話だったね……」
俺が本題を伝えると鹿島さんの顔はどんどんと赤くなっていっていた。
「うーん、もしかして俺には貸せない感じなのかな?」
「い、いや、そういう事じゃないんだけど……でも、倉橋君に貸すためにはそれらを学校に持って行かないといけないじゃない? そ、それはちょっと恥ずかしいというか……」
「あー、そっかそっか、うん、確かにそれは恥ずかしいかもだね。あ、それじゃあさ……俺が鹿島さんの家に行くってのはどう?」
「え……わ、私の家で……?」
「うん、そうそう、それで鹿島さんの家でえっちぃ動画の鑑賞会とかしようよ。もちろん二人きりでね……」
「え……えぇぇっ!?」
俺がそう提案すると鹿島さんは今日一番の大きな声を出してきた。顔付きも先ほど以上に真っ赤になってしまっていた。
「あ、この提案も駄目そうだった?」
「え……えっ!? あ、い、いや……! そ、そう言う事じゃなくて……! 全然私の家に来てくれてもいいんだけど……えっと、そ、その……ほ、本当に良いの? 私の家に倉橋君が来てくれるの??」
「うん、全然行くよ。あ、でも今週の土日はちょっと用事あるから、出来れば来週以降でお願いしたいんだけど大丈夫かな?」
「う、うんうん! そんなの全然大丈夫だよ! というか私も自分の部屋の片付けとかしなきゃだし! あ、あと親が仕事とかでいない日をちゃんと確認しておかなきゃだし……」
「そっか、うん、わかった。それじゃあ鹿島さんの家に遊びに行く日は改めて決めていこうね」
「う、うん! わかった!」
という事で唐突にだけど鹿島さんの家で二人きりでえっちぃ動画鑑賞会をする事が決定した。
(ふふふ、思春期の男女が二人きりで半日間を過ごす事になるなんて何も起きないわけがないよな……?)
しろねこさんのオフ会といい鹿島さんとのえっちぃ動画鑑賞会といい……どんどんとえっちぃイベント事が決まってきて嬉しいな!
「ありがとう、それじゃあ鹿島さんの家に遊びに行く日を楽しみにしてるね」
「う、うん、私もその……楽しみにしてるよ!」
「はは、そっかそっか。あ、それじゃあせっかく鹿島さんと二人きりになれるんだしさ……良かったら何かコスプレでもしてあげようか? 鹿島さんの見たいコスプレをしてあげるよ」
「え……えぇ!? い、いいの!? そ、それって……どんなコスプレでも良いの?」
俺がそう言うと鹿島さんは顔を真っ赤にしたまま恥ずかしそうな表情をしているんだけど、でも目つきはどんどんといやらしいものに変わっていっていた。
(うん、流石はドスケベ少女の鹿島さんだ)
えっちぃ可能性を見つけたらこの子は全力でお願いしてくるだろう。鹿島さんはそういう女の子だ。だから俺は……。
「うん、全然良いよ? あ、でもさ……もしも俺にえっちぃコスプレをさせたいってんなら……その時は鹿島さんにもやって貰うけどね?」
「え……えっ!? 私もやらなきゃ駄目なの!?」
「もちろんだよ。もし俺に逆バニーのコスプレをさせたいって思ったのなら……その時は鹿島さんにも逆バニーのコスプレをしてもらうからね?」
「え……えぇぇ!? わ、私が逆バニーのコスプレを!? そ、そんなの私の大事な部分が丸見えになっちゃうじゃん!?」
「はは、いや俺も逆バニーのコスプレしたら大事な部分が丸見えになっちゃうからね?」
「い、いや、それはまぁそうなんだけどさ……う、うーん……倉橋君のえっちぃコスプレは見たいけどなぁ……でもそのためには私もしなきゃいけないのかぁ……」
鹿島さんは頭を抱えながらそんな事を呟いていた。
でもこの感じなら鹿島さんにえっちぃコスプレをさせるのも意外といけそうかもな。ふふ、これなら鹿島さんに逆バニーのコスプレをさせれる日も近いかもしれないな!
(……まぁその場合は俺も逆バニーのコスプレをしないといけないんだけどさ)
でも俺としてはえっちぃコスプレをする恥ずかしさなんかよりも、鹿島さんにえっちぃコスプレをさせる事の方が圧倒的に大事だから別に良いんだ。
というか“恥ずかしい”という感情はこの逆転世界にやってきた瞬間に捨てたしね。
「ま、俺は鹿島さんが着てほしいって言ったコスプレは何でも着てあげるよ。だからいつでもリクエストしてくれていいからね?」
「う、うん……わ、わかった。そ、それじゃあちょっと考えておくね……!」
という事でその後も鹿島さんとはコスプレについての談義で盛り上がりながら最寄り駅まで一緒に歩いて帰った。
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