第54話 鹿島さんと一緒に帰ってみる①

 その日の放課後。


 俺は今日中に担任に提出しないといけない書類がある事を忘れていたので、俺はその書類を提出するために職員室へと行っていた。


 そしてそれを提出し終えた俺は真っすぐと教室に戻った。もう大多数の生徒はすでに帰宅してしまったようで部屋の中はガラガラになっていた。でも……。


「あれ、鹿島さん。まだ残ってたの?」

「えっ? あ、く、倉橋君?」


 今日は珍しく鹿島さんがまだ教室に残っていた。鹿島さんはいつも授業が終わると早く帰るはずなのに、今日は何か用事でもあったのかな?


「何だか珍しいね。いつもはすぐに帰っちゃうのに」

「あぁ、うん。今日は違うクラスの友達に英語の辞書を貸してたんだけど、それを返してもらうためにずっと待ってたんだ。それでついさっき友達に返して貰ったから今から帰るとこだよ」

「へぇ、そうだったんだ。あ、それじゃさ……良かったら一緒に途中まで帰らない?」

「え……えぇっ!? い、いいの??」


 俺がそう言うと鹿島さんはビックリとした様子で俺の事を凝視してきた。やっぱり思春期エロ女子からしたら男子と二人きりで帰るというのは最高のシチュだもんな。


「うん、もちろんだよ。ってか俺も鹿島さんに聞きたい事があったしさ。だから良かったら一緒に帰らない?」

「え、う、うん! そんなのもちろん良いに決まってるじゃん! で、でも私に聞きたい事って……?」

「あぁ、良かった、ありがとう。まぁその事については帰る時にゆっくりと話すよ。それじゃあ早速一緒に帰ろう、鹿島さん」

「う、うん、わかったよ」


 そう言って俺達は一緒に教室から外へと出て行った。


◇◇◇◇


「それで? 私に聞きたい事って一体何かな?」


 一緒に学校を出てすぐに鹿島さんは俺にそう尋ねてきた。


「あぁ、うん。あのさ……鹿島さんってエロ動画とかエロ本とかどれくらい持ってる?」

「うん……うんっ!?」


 という事で俺は鹿島さんに超重要な話を聞く事にした。自家発電用のオカズ探しである。


 俺はこの逆転世界にやってくる前までは毎日必ずのように自家発電をしていたので、もうそろそろ自家発電用のオカズ集めをしていきたいとずっと思っていた。


(いや、まぁ性欲が溜まりに溜まってんなら超えちえちギャルの桜井さんに頼めば良いんだろうけどさ……)


 でも自分の好きなオカズを使って、自分の好きなタイミングでイク事が出来るのって最高に楽しいんだもん! だからこそ俺は毎日のように必ず抜いていたわけだし!


「え……えぇっ!? い、いや何でそんな事を私に聞いてくるのっ!?」

「え? だって鹿島さんめっちゃえっちぃ事大好きじゃん?」

「い、いや、それはまぁ……私がえっちぃ事が好きなのは否定しないけども……」

「でしょ? それで俺もえっちぃ事にすっごく興味あるじゃん?」

「そ、それもまぁ……倉橋君は想像以上にえっちぃ男の子だなぁって私も思うようになってきたけども」

「あはは、だよね? だから女の子が普段オカズに使っているエロ動画とかエロ本とかにもすっごく興味があってさ、だから同じえっちぃ事が大好きな鹿島さんに聞いてみたんだよ」


 俺はニコっと笑みを浮かべながら鹿島さんにそう言ってみた。


 もちろんそれはこの逆転世界のエロコンテンツを知りたいってのも理由の一つだけど……でもついでに鹿島さんの持っているオカズを見て、鹿島さんの性癖とかも色々と知っておきたいと思っていた。どうせ鹿島さんとは近い内に“えちえちな関係(意味深)”になる予定なんだしさ。


 とりあえず鹿島さんがエム属性なのかエス属性なのかだけでも知っておきたいよな、いやまぁ十中八九はエム属性だと思うんだけど。


「それでどうかな? 俺にも鹿島さんの持ってるオカズとかを見せてくれたりとか出来ないかな?」

「う、うーん、いや同性の女の子にならいくらでも見せれるんだけど……でも私の持ってるオカズを異性の子に見せるのはちょっと恥ずかしいというか……」

「あ、そっかそっか、やっぱり無理そうかぁ……うん、わかったよ。それじゃあ同じ質問を桜井さんにする事にし――」

「だ、駄目っ!!! それだけは絶対に駄目っ!!」


 しょんぼりとした表情で桜井さんの名前を口に出してみたら、鹿島さんは全力で俺の事を止めようとしてきてくれた。いや想像通りの動きをしてくれるので非常に助かる。

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