第2話たまごクラブ

これは、よく書いてきたが高校時代あらゆる本を読んできた。薄気味悪いダンテの「神曲」、「三國志演義」、孫子の「兵法」、

「罪と罰」、「完全自殺マニュアル」などなど。ジャンルは問わない。兎に角、活字中毒だった。本の虫の上を行く。

そこで、面白い雑誌がコンビニに陳列されていた。

「たまごクラブ」。妊婦さんが読む雑誌らしい。

妊娠中のセックスの体位。離乳食の作り方。

などなど、色んな情報が満載。

僕には彼女がいて、大学卒業したら結婚しようと考えていたので、たまごクラブは教科書になると思い、家でも学校でも通学バスの中でも読んだ。

ある日、僕は友人に、

「羽弦、お前の彼女妊娠してんの?」と。

「は?ゴムはつけてるよ!」

「じゃ、何でそんなん読んでるんだよ!」

「面白いよ。妊娠の性生活談とか」

「お前、変わってんな」

「まあね」


そして、ウワサは一人歩きして、職員室に呼ばれた。

「羽弦、今後どうすんだ?」

「はい?大学受験しますよ!」

「お前は、子供を養えるのか?」

「コドモ?」

「お前の、子供だよ!」

「え、子供なんて作っていませんが!」

「竹内を妊娠させたんじゃないのか?妊婦の雑誌を読んでいると聴いたぞ!」

「あれは、雑誌がジャンプより面白いからです」

「羽弦、歯を食いしばれ」


バッチーン


グハッ!

「先生、何が悪いのさ~」

「オレは真剣に悩んだぞ!バカモノが!2度と学校でたまごクラブを読むなよ!」

「へ~い」

痛かった記憶が鮮明に覚えている話しでした。

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