第13話プロポーズ2

「えっ?えええっ?!」


驚きの余り、理久の瞳孔が開く。


「けけけけっ…結婚って!俺達男同士だし!」


「何を言う。理久の世界も、同性で愛し合うって、テレビで言ってたよな。それに、この世界でも同性で愛し合うし結婚もする」


クロは、更に理久の手を握る手に力を込めた。


「でっ…で、でも…クロには、跡継ぎがいるだろう?俺…産んで上げられないし…」


「大丈夫だ」


「なっ、何が大丈夫なんだよ!」


「この世界には、男でも子供を産める魔法がある。それに、もしダメでも、俺には沢山兄弟がいるから大丈夫だ!」


クロは、全く意に返さず微笑む。


「そっ、そんなご都合設定の魔法ある?それに、俺、根っからの一般人だから、王家の暮らしとかしきたりなんて無理無理無理無理!絶対無理!」


「理久、俺は、お前に妃として多くは望まない。お前は、俺の傍にいてくれさえすればいい…俺を、俺だけを愛してくれ…俺だけ愛してくれさえすればいい…」


一段と低く甘くなったクロの声に、理久はドキッとした。


クロは、それを見透かしたように、理久の左手の甲をクロの口元に持って行き、優しいキスをした。


「理久、左手にキスは、この世界の正式なプロポーズだ。頼む。俺と、結婚してくれ…」


理久は、クロの美声と上目遣いの男の色気に、同性なのに思わずクラッとなった。














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