プルキニエフェノメノン



プルキニエ現象フェノメノン、むらさき色の一日、鴉のいない一日





咲く花は斃れる刻を待つばかり、九月の墓地にこみあげる香





溢死する一途さで眠りへ、世界と連結する、生贄として待つ





仮睡の後、失明する。ゆきあかり、窓を空に





万里の軌条にしずむ月輪、押し壊される貨車、拡散していく私





春の陽、妻の背に滲む汗、生乾きの風に揺れている





蒼白の妻、月影の蒼、腕のなかに夜、流星に爆撃される





靴下を脱ぎっぱなしにしないこと、いっそ脱皮すること





あれは昼の流星、Fー18に願いをかける、でもすぐに忘れる





暗渠、井戸、日曜の終わり、雨樋に流れる血液のぬるさ





虫けらのように潰した思春期、可笑しくも花

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る