オチ

「聞いてミーくん」


 文化祭の空気もすっかり流れていき、学校は中間テスト一色になってしまった頃のことだった。

 どうせ大学行くつもりとないのにどうしてこんなに真面目に勉強しなくちゃいけないんだと、机に向かいながらうんざりしていた。

 そんなときにこちらの都合も知らずカチューシャから通話がかかってきた。こっちは試験勉強中だぞと最初に申し訳程度の言い訳をしたら、あとはサボりの口実と言わんばかりにべしゃり倒していた。

 その中で、カチューシャが真剣な声でそう切り出したのだった。


「ん?」



「最近うちのサーカスにお化け出るようなって。みんな怖がっているの」



 その言葉に、どうしようもなくおかしさがこみ上げてきて、全力で声を出して笑った。

 先に行ってるねってそこかよ。


「笑いごとじゃないの!夜中に女の人の歌う声とか聴こえてくるって」



 幽霊だとかが苦手なカチューシャが怒る。


最高に面白いじゃん

どこがよ

「お化けと一緒にサーカスすれば最高に面白いだろ」





Smileサーカスの看板の上スミレの文字に腰かけて風になるを歌う菫。


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