第24話 過去編 源翁心昭 可毗禮山 其三

 五日目の朝は、かなり厳しいものだった。

 昨日負った傷がそう簡単に治るはずもなく、少し動いただけで傷口が開いて血が噴き出てきそうだった。それでも何もしないよりはマシだと、今一度、全身の傷に軟膏を塗って処置した。


 源翁は木から降りると、釜戸で燻っている火を入念に消し、灰を土に埋め、決して山火事にならないようにした。最後に竈を崩すと、山頂を目指して早々に出発した。


 暫く登ると。ああ、またか…と思ってしまう光景が、私の目の前に現れた。

 斜面に沿って多くの植物が群生している。ここもご丁寧に両端は背の高い崖になっており、この植物の中を抜けるしかないようになっている。 


 今度の植物群は、背の低い植物で白い花をつけていた。

 大地を緑に染めるというよりも真っ白に染めている。例によって見たこともない花で、実に嫌な予感しかしない。

 源翁は表情を変えず、平静を装った。どこからか九尾の狐が見ているはずだ。狐に笑われるのを想像するだに腹がたつ。

 斜面を染めている白い花は、何というか妙な毒々しさがあり、綺麗な花というよりも危険な花という印象を強く持った。

 そんな白い花の蜜を吸いに、多くの蜂や蝶が集まっている。

 蝶は何処かで見たことのある種であったが、蜂は知らない種だった。見るからに凶暴そうで、個体数も多い。しかも、矢鱈と大きな種で、嫌な羽音を撒き散らしながら蜜を集めている。あれに刺されないよう細心の注意を払う必要がある。

 言うまでもないが、蜂は人間にとって非常に危険な虫だ。

 その中でも特にスズメバチは危険だ。あれに集団で囲まれれば命に関わる。スズメバチの巣を駆除しようとして亡くなられた方の葬式を何回かした覚えもある。


 あの蜂も例に漏れず危険な種であると警戒すべきだ。


 若し、蜂のような毒性を持っている虫たちが群生化し、凶暴化したら、我々人類は瞬く間に全滅するかもしれない。毒を持った虫は、そのくらい恐ろしい。そして、九尾の狐なら、そんな危険な種を創りかねない。

 周りを飛んでいる蜂に警戒しながら、源翁は、植物をより細かく観察した。

 植物の大きさは、私の指先から手首くらいのもので、昨日までの植物に比べればかなり小さい。幾重にも枝分かれした茎には、米粒大の白い花が沢山ついていた。一見すると、蕎麦の花に似ているが、そんな生やさしいものではないだろう。

 まずは触ってみる。

 指が触れた瞬間、あの蔦のように、草がくるくると指に絡みついてきた。ここまでは予想の範疇であったが、同時に白い花から大量の花粉が飛んだ。真っ白な花粉が、私の周りを本物の煙のように包んだ瞬間だった。突然、私の視界がボケて周りが見えなくなった。たった一本の花粉で、まさか視覚がやられるとは予想していなかった。

 おまけに匂いも酷い。腐った卵のような匂いだ。目が見えなくなる上、涙腺が崩壊したように涙は出るし、鼻がむずむずして、くしゃみも我慢できない。

 私は、指に絡まった草を引きちぎって、飛び退くように草むらから離れた。

 花粉から離れても、目がヒリヒリと痛み、涙がボロボロ出て目が開けられない。しばらくして、ようやくくしゃみが治ると、目も薄らと見えてきた。

 私は目を擦って視界をはっきりとさせると、正直困ったなと思った。

 たった一本でこれなのだ、複数本からの花粉が出れば、きっと周りが花粉だらけになり、とんでもない事になるのが目に見える。


 さて、どうするか…これは考え所だ。


 どれだけ慎重に花粉を出さないよう足を運んでも、足を少し動かしただけで花粉が山のように舞うだろう。かといって私は空を飛べない。そして、相変わらず崖に囲まれているこの地形からして、この植物地帯を通らなければ先には進めない。

 結論としては、これは、もう目を瞑って進むしかない。

 その間に獣や怪異が襲撃してきた場合、周りに張り巡らせた気で彼らの動きを読み、昨日と同じような気か術式で対処するしかない。実際にそんな事ができるのかは不安だが、やらなければならない。


 源翁は、昨日以上に広範囲に気を張り巡らせた。そして、目を瞑ったまま一歩目を踏み出した。


 足を踏み入れた瞬間、鼻の曲がりそうな匂いが立ち込め、目を瞑っているのにも関わらず大量の涙が溢れた。そして、呼吸器不全になるのではという位に喉や鼻腔が痛んで派手にくしゃみが出た。

 これはまずい。ここまでの植物で一番まずい。


 うふふふう。涙と鼻水垂らしてタコ踊りしているよ!!

 あれならすぐに斬れますよ。

 せっかく面白いんだから、斬るのはまだ早いですよ。ウヒャヒャ。

 あんな汚いもの見たくないです。

 まだまだ、これからもっと面白くなるよ。盲目のタコの冒険だ!!

 九尾の狐さま。趣味が悪いです。

 そうかい?うふふふ。


 九尾の狐がどこかで大笑いしている。非常に頭にくるが、今は逆立ちしても手が出せない。

 喉の痛みは酷くなるばかりだが、呼吸だけは何とか落ち着いてきた。くしゃみと涙も止まりつつある。私は、次の一歩を踏み出すかどうかを考えた。

 普通に考えて、このまま進んで花粉を撒き散らせば、嗅覚、視覚は完全に駄目になる。下手をすると触覚と聴覚以外全て機能しなくなるかもしれない。これは怪異との戦いにおいてかなり不利に働く。それでも進むべきか…

 そんな思考もとめどない鼻水で中断してしまう。情けないことに、鼻水だけは拭いている暇もないくらい止まらない。かと言って鼻水を吸ってしまうと鼻腔に激痛が走る。もう垂れ流したまま放っておくしかない。

 そんな中、耳にはあの不快な蜂の飛ぶ音が入ってきた。近くに相当数いる。

 無益な殺生はしないなどとは言っていられない。私は溜めた気を放出し、怪異を弾き飛ばす要領で蜂にぶつけた。殺さない程度に蜂を吹っ飛ばしたのに、返ってそれが悪かったのか、羽音と嘴を刻む音が一気に激しくなった。これは威嚇音だ。

 前門の虎後門の狼、四面楚歌、踏んだり蹴ったり——そんな言葉がぴったりと当てはまる状況になってしまった。


 もう躊躇などしている暇はない。私はここを踏破することに決めた。


 二歩目を踏み出した私の足に、植物が何本も絡み付いた。お陰で一歩も踏み出せずに躓いて転んでしまった。

 何とか膝と手を突いて半身転ぶに止まったが、想定以上の量の花粉が舞い上がり、私の全身を包みこんだ。涙で溢れた目は、痛みと痒みを併発し、くしゃみをする度、詰まるのではと思うほど喉をやられて呼吸が苦しい。鼻水で溢れた鼻も痛みと痒みが酷く、花粉の臭い匂いで頭が麻痺しそうになる。

「ハクシッ!!ゴホッゴホッ!!」

 どうやっても、くしゃみと咳が止まらない。涙と痛みで目も開けられない。

 これは、まんまとやられた。

 この状況を脱しようとして急げば急ぐ程、この植物にしてやられるのだと源翁は身体で理解した。

 進むにしても、一歩を短くして、植物が足に絡まっても転ばないようにしなければならない。

 このままでは何もできないので、私は、よろけながらも何とかその場に立った。間抜けにも、この時ようやく目前に危険が迫っている事を認識した。あの不快な羽音が四方八方から聞こえる。

 とんでもない数の蜂の威嚇音が私を取り囲んでいた。しかも、すでに私の耳のすぐ横にもいた。この音に寒気を催すと同時に、上空には怪異の強烈な黒い気を感じた。こちらも今までと違ってかなり近い。


 最悪の状況だ。


 上空の怪異と渡り合うためにも蜂をどうにかしなくてはならない。それに、あの蜂に一度でも刺されれば、身体がどうなるかわかったものではない。先手必勝。もうこれしかない。

 源翁は丹田に溜めた気を一気に放出した。

 できうる限り最も大きな気だ。周りの蜂の大群は一瞬にしてこの場から消し飛んだ。蜂には申し訳ないが、彼岸に渡って貰った。こうでもしなければ、もうこの窮地から脱出できない。

 直近の蜂の脅威は無くなった。私はすぐさま上空の怪異へと意識を集中した。

 上からは、強大な怪異の殺気が降り注いでくる。このような怪異を滅するならば、真言を使った術式を放ちたい。しかしながら、真言を唱えようにも喉がやられて声が出ない。

 こちらが何もできないと思ったのか、上空の怪異がジリジリと近づいて来た。ここでやらなければ確実に死ぬ。やらないよりもマシだと思い、私は頭の中で真言を唱え、上空へ手印を切った。

 真言を声に出せない弊害か、思った大きさの術式が発動しない。感覚的にはいつもの半分以下の威力の術式が上空へと飛んだ。術式は、上を飛ぶ怪異に当たる事は当たった。しかし、全く手応えはない。

 術式で何一つ傷を負わなかった怪異は、猛烈な風を上から落として来た。

 この強風で、更なる花粉が舞い上がった。異様な臭いで鼻がひん曲がりそうになった上、呼吸が止まるかと思うほど、喉に痛みを感じた。涙とくしゃみが止まらない。

 気づけば、この数秒で、仲間を殺され怒り狂った蜂の集団が、強烈な威嚇音を発しながら怒涛のように押し寄せて来ていた。


 慌ててもう一度気を練り直す。


 しかし、あの不快な蜂の威嚇音を耳元で聞いた。虫の飛ぶ速さは尋常ではない。もうこんなに近くに…と思った瞬間、一匹の蜂に太ももを刺されてしまった。

 熱された鉄を押し付けられたかのような熱さを感じた。一瞬間が空いてから、太ももに痺れるような激痛が走った。足がもげるかと思うような痛みに、思わずもんどりうちそうになったが、その衝動を何とか堪え、私は立ったまま踏ん張った。

 ここで転がったら、二匹目、三匹目の蜂に刺されるだけだ。

 歯を食いしばって、ほとんど無意識に今撃てる最大の気を辺り一面に撒き散らした。全力の気は強烈な刃となり、怒れる蜂たちのほとんどを撃ち落とし、蜂たちは土へと帰った。

 だが、敵は私を休ませてはくれない。

 蜂の次はどこから湧いて出て来たのか、中位の怪異が、所かしこから甲高い笑い声を上げながら突っ込んで来た。

 目が見えないので、もう一体一体に構っていられない。

 こんな時の為に仕込んでおいたお札を懐から出し、その力を解放した。お札は浄化の光を発し、私を噛み切る寸前だった怪異たちを全て消し去った。お札の威力がこれほどだとは、いい方に想定外だった。ただ、怪異は思ったよりも多かったようで、辺りの気温が急激に下がり、凍えるような寒さが私を襲った。いつもなら強烈に感じる怪異の饐えた臭いは、酷い花粉の臭い匂いにかき消されている。


 有重のおかげで助かったようなものだ。


 彼は、私が頼んだものを全てを最上級のもので揃えてくれた。先ほどのお札は、京都の賀茂御祖神社から取り寄せたという逸品だ。玉衣媛命に感謝するより他ない。


 上空の怪異はどういう訳か、一旦引いたようだ。だからと言って、全く安心はできない。警戒は最大限にしなければならない。

 そして、ここからは地獄の行軍だ。

 急げないが、急がなければならないという非常に矛盾した事をしなければならない。匂いと涙と鼻水は止めようがないし、喉はこの場ではもう回復しない。

 半分やけになって、源翁は草っぱらをゆっくりと進み始めた。

 酷い匂いだ。そして、目の痛みも増してきた。もう開かないのではないかと心配になる。

 花粉を撒き散らしながら、私は一歩一歩進んだ。人間というものは不思議なもので、あらゆる環境に慣れてくるのか、少しだけだがこの環境に我慢できるようになってきた。

 そして、そんな頃に危機は訪れる。

 私の聴覚が、ほんの小さな異音を捉えた。

 葉の擦れるような風の音だ。何処から音が?と、私は注意の範囲を広げた。

 音の方向は———上だ!!

 恐らくはあいつだ。わざと私に音を聞かせたのだ。心が警鐘を鳴らす。

 カサカサケケケケ。

 風の音は、私を嘲笑っているように聞こえる。否、これは明らかに怪異が笑っている。我々の土地に小さき者が何をしに来たのかと。

 ついに来たか。

 私にも上の気配をはっきりと感じることができた。これは…今までの怪異とは桁違いだ。威圧感も気も全てが気宇壮大で、身体も大きい。

 例えて言えば、まるで熊が飛んでいるようだ。

 これだけの大きさとなれば、先ほどのお札でも恐らく撃退はできないだろう。そうなるとできる事は一つだ。

 私は、潰れた喉に何とか保ってくれと祈りつつ、上の怪異に向かって真言を唱えた。花粉と山の霊気が気管に入り、喉が焼き切れそうだが、絞り出した掠れ声で何とか真言を言い切り、同時に手印を切った。

 祓いの術式が上空へと飛び、怪異を貫いた。が、上空の気配は消えない。そう甘い相手ではないという事だ。

 私はと言えば、花粉を吸い込みすぎて咳き込んでしまい、追撃に移れない。

 上空から怪異が突っ込んで来た。

 もう避けるしかない。源翁は残った気で身体を包むと、横っ飛びでうつ伏せになった。背中を鋭い爪に抉られたが、気を薄皮一枚挟んだおかげで致命傷は避けられた。しかし、肉は抉られ、血も噴き出た。もう一度でもこれを食らえば、命はない。

 全身で草を押しつぶしたことでとんでもない量の花粉が舞った。喉も鼻も全てが麻痺したように感じる。

 そして、上空の怪異の雰囲気が変わった。

 あの余裕の笑いはもう聞こえない。一発で仕留められなかったことで怒りに変じたようだ。ここが勝負所だ。私は、もう一度真言を唱えられるよう、僅かに残ったなけなしの水をちょびっと飲んだ。


 何が何でも次で決めなければならない。


 こんな時に私に真言を叩き込んでくれた、醍醐寺の和尚の顔が浮かんだ。

 彼は宗派が違うにも関わらず、私にこの真言を教えてくれた。私は曹洞宗だが、他宗波はもちろん修験の術も学んでいる。初めは全国に寺院を建てる目標の為に学んだものだが、いつしか悪霊祓いに欠かせない物となった。一つの宗派に拘らないのが悪霊祓いには重要なのだ。


 上から巨躯の怪異が急降下してきた。この異常な速さは間違いなく鳥の怪異だ。

 この一撃に全てを賭ける!!

 私は、素早く立ち上がり、喉を潰す覚悟で真言の声を張った。

 二度目の真言も喉が潰れていて酷く掠れはしたが、声は言葉となった。同時に素早く印を切る。アチャラナータの強さを乗せたとっておきの術式だ。これで祓えない怪異はいないと思いたい。

 怪異の羽の風が私の頬を包む。そして爪が肩にかかった瞬間、特大の退魔の術式が怪異を貫いた。今度は確実に当てたという自信がある。

 怪異は脚で私の肩を抉ると、大きく羽ばたいて私から距離を取った。そして、上空で悍ましい金切り声を上げた。

 あれをまともに食らったのにまだ生きている…この怪異はとんでもなく手強い。もしかすると、九尾の狐がどこからか連れてきた誰かの怨霊なのかもしれない。

 怒れる怪異が羽ばたく度、台風のような風が吹いた。風圧で立っているのも辛い。怪異は制御できない怒りを振り撒き、上空を信じられない速さで滑空している。あの速さで突っ込まれたら、最早対応できないかもしれない。

 喉は枯れ、目も見えず、もう身体も動かないが、それでもやるしかない。


 上空で気合の入った咆哮が聞こえた。来る、と直感した。


 こうなっては、更に威力のある術式をぶつけなければならない。これまでやったことがないが、先の術式とお札と気の三つを組み合わせて怪異にぶつけることにした。

 丹田に気を溜め、懐からとっておきのお札を出した。あとは声よ出てくれと念ずる。

 私がお札を掲げると、それに呼応するように、光の矢のような速さで怪異が滑空して来た。

 叫ぶように真言を唱え、持ちうる全ての気を放出した。同時にお札の霊力を解放した。お札は眩い光を発し、怪異に向けてえ雷が走った。

 太陽光のような光が辺りを包んだ。

 派手な雷の音が鳴り響き、全身にビリビリとした痺れを感じる。怪異に全てを当てた手応えはあった。これで祓えないならば、この鳥の怪異は怨霊を通り越して鬼になっていると言って差し支えない。

「ギュゥウゥゥウウ!!」

 上空で気味の悪い叫び声が聞こえた。そして、怪異は地上へと落下した。


 良し!!と私は、涙でほとんど開かない目を無理やり開け、今まで戦っていた怪異を見た。

 地面には、巨大な隼の怪異が羽から煙を出して転がっている。だが、まだ目は死んでいなかった。ふらふらになった身体で起き上がり、私を睨んだ。

 この闘争心。そして、堂々と私に向かってくる戦い方。敵ながら天晴れだ。

 隼の鬼よ。無慈悲な私を許したまえ。

 私は強く、そして気高い隼の怪異に敬意を払い、アチャラナータの真言を唱え、印を切った。

 隼の怪異へと術式が飛ぶ。高速の刃が、今度こそ怪異の体を真二つに切り裂いた。怪異の上半身と下半身が離れ、地面に落ちた。すでに彼岸に渡った怪異の存在が薄くなっていく。やがて黒い瘴気を吐きながら怪異はかき消えた。

 隼の怪異は無事、ここに祓われたのだ。


 うふふふう!!今の戦いすごかったね!!

 私なら真っ二つに斬っています。

 うーん。でもあの鼻水だらけの緑のカッパはすごいよ。うん。面白い。

 もう一匹強いの放ってさっさと殺しちゃえばいいじゃないですか。

 いやいやカッパにはもう少し試練を与えてあげるよ。

 九尾の狐さま。趣味が悪いです。

 そうかい?うふふふ。


 もう目も鼻も喉も限界だ。

 取っておきの上賀茂神社のお札まで使ってしまったが、これはもう仕方がない。上賀茂神社は賀茂別雷神社と言い、御祭神は賀茂別雷大神だ。要するに雷の神様だ。鳥にとって雷は最悪の相性だったであろう。

 祓った怪異が成仏できるよう、私は丁寧に祈りを捧げた。

 すると、どこかで拍手が聞こえたような気がした。

 九尾の狐がこの戦いを評価してくれたのかもしれない。私としては全く嬉しくもないが、強敵だった事は間違いない。


 その後、この草地を進むも、怪異には出会わなかった。ただ、草地を抜けた後も嗅覚、視覚は中々元には戻らず、私は小一時間その回復に努めた。


 

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