□志と徳でゆく、その道のはて。

徳人、野にて徳を貫く。
血統、逆臣の咎を負う。

徳と貴、顕すに場を選ばず。
徳と貴、志を支うるゆえに。

賢臣、徳の顕れに感ず。
君公、説かれ任を認む。

父の仇に許された。
父は終ぞ許されじ。

貴人、徳人を認め問う。

覇者、支えを人に依る。
君臣、誰ぞ長久なるや。
忠臣、君をぞ想うあり。
志士、国をぞ想うあり。

徳人、己を志士と定む。

君をぞ想う忠臣、遺すは何ぞ。
国をぞ想う志士、遺すは何ぞ。

国を倒すは、外患のみに非ず。
国を保つに、内憂をぞ戒めよ。

欲に拠らず、国への忠に拠る。
忠の眼に、欲をも凌ぐ辣の色。

君公、いずれ世を去る。
忠臣、いずれ世を去る。

想い貫きし者、悔いるを残さず。
父を喪いし者、終にて父を識る。

父の仇に許された。
父は終ぞ許されじ。

重鎮、長けて功を成す。
軽輩、欲にて害を為す。

忠心、時に情にて歪む。
情愛、欠くば徳も欠く。

中庸、情に拠らず立つ。
志士、徳もて朝に臨む。
勇傑、常にいまを見る。

大器、これ従順に恵む。
訓戒、これ叛意を討つ。
高潔、これ礼もて治む。
愚劣、これ徳を軽んず。

忠臣、時に賢たり得ず。
覇者、時に安泰を得ず。

名君、能臣を得て立つ。
暗君、情愛を得ず堕つ。

賢人、過誤を経て学ぶ。
愚者、過誤を否み堕す。

愚昧、ゆえ己を識らず。
愚劣、ゆえ徳を識らず。
愚鈍、ゆえ愚を識らず。

征くもあり。
逝くもあり。

国を倒すは、外患のみに非ず。
国を保つに、内憂をぞ戒めよ。

君をぞ想う忠臣、遺すは何ぞ。
国をぞ想う志士、遺すは何ぞ。

□父の仇に許された

志と徳でゆく、その道のはて。

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