第8話 ローズマリーの慟哭&私の手料理と年末の出来事

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その後。

カリンルカ国王暗殺未遂自爆テロ事件は

国内のみならず、近隣諸国にまで大きな衝撃を与えた。


犯人の肩書きと名前は

諜報員のフレデリカではなく、

テロリストのドロシーだと公表された。


自国の諜報員が国王暗殺未遂の犯人だと公表すれば、

カリンルカ王国の名誉が失墜しかねないので当然の処置だろう。

だがカリンルカの国民はテロリストに怯える日々を過ごす事になった。


そこでカリンルカ国王は広場でスピーチを行った。

国王はそのスピーチでこう宣言した。

「我々は理不尽な暴力には決して屈しない」

その言葉に聴衆は盛大な歓声を上げた。




一方その頃。

国王暗殺未遂自爆テロ事件の事を知った

第二王女のローズマリーは泣き叫んでいた。


それはテロリストのドロシーとは、

側近のフレデリカの事だとすぐに気づいたからだ。


フレデリカはローズマリーの為に命を落としたのだ。

しかもフレデリカの目的である国王暗殺は未遂に終わってしまった。

その事実に気づいたローズマリーは、ただひたすらに泣き続けた。


そんな彼女を慰めたのは、夫であるアレックス王子だった。

彼はローズマリーの事を愛してはいなかったが、

一緒に暮らしている内にある程度の情が湧いていた。


アレックス王子は黙ってローズマリーを抱きしめた。

ローズマリーはアレックス王子の事を心の底から愛していたので泣き止んだ。


そしてローズマリーはこう言った。

「貴方はずっと私の側に居てくれますか?」

アレックス王子はこう答えた。

「約束はできないが、できるだけ努力はするよ」


それを聞いたローズマリーは

アレックス王子の事を強く抱きしめた。

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私は畑で種まきをしたり

台所で料理の練習をしたりする日々を過ごしていた。


今日は初めて夫のウラジーミルに手料理を食べて貰う事になった。

私はとても緊張したが、彼がこう言ってくれたので気が楽になった。

「少しぐらい失敗しても構わないよ。ナタリーが作ってくれた料理なら僕は喜んで食べるよ」


そして料理が完成した。

今日のメニューは野菜のシチューとサラダだ。

彼が食べるのを見て私はまた緊張した。


食べ終わった彼はこう言った。

「うん。なかなか美味しかったよ」

それを聞いた私は笑顔でこう言った。

「それは良かったです!でももっと上手になれるように頑張ります!」

彼はこう答えた。

「そいつは楽しみだなあ。食べすぎて太らないように注意しないとね」

私達は二人で笑いあった。


その日の夜。

私は彼と愛し合った。

彼に抱かれると凄く幸せな気持ちになれた。




それから約二ヶ月。

季節は冬になり年の終わりが近づいていた。


ある日私は体調を崩してしまった。

心配になったので医者に見て貰ったが、

告げられたのは意外な一言だった。


「ナタリー殿下。あなたは恐らく妊娠していますぞ」

医者がそう言ったので私はとても驚いた。

一緒に話を聞いていたウラジーミルはとても喜んでくれた。


そしてウラジーミルはこう言った。

「僕がパパになるなんて夢みたいな気分だよ」

私はこう答えた。

「私も凄く嬉しいです。貴方との子供を産めるだなんて」


それを聞いた医者はこう言った。

「まだ安心するのは早いですぞ。今は妊娠初期で安定するまでは時間がありますので」

その言葉を聞いた私達は気を引き締めた。


私が妊娠した事はすぐに国中に知れ渡った。

ウラジーミルの両親であるヴァルイリス国王様と王妃様は真っ先に祝福してくれた。


大臣からはこんな事を言われた。

「いやーめでたいですな。これで男の子なら更にめでたいですな」

大臣は世継ぎを求めているみたい。


でも私は、我が子が元気に産まれて欲しいとだけ祈った。

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