第13話 銃撃と開花


 私たちは家の裏口を探し、デソーサがそちらに向かっているのが見えました。


「騙したな!」


 ジョンが怒鳴りつけて、デソーサに飛び掛かっていきました。


 デソーサは拳銃を持っていて、発砲しました。ああ、神さま。何発も。


 ジョンは、胴体だけでなく頭も撃ち抜かれましたが、猿のように飛びついてデソーサに食らいつきました。首や頭をつかまれたデソーサは、声を上げる間もなく枝根に貫かれて、動かなくなりました。


 ジョンが、枝根を引き抜くと、血が噴水のように流れました。


 ジョンは体だけでなく、顔も銃撃を複数受けて原型を留めていませんでした。ジョンが、ばたりと倒れると、ジョンから、見る間に、白い芽が生え始めました。急速に芽は緑色の枝になり、黄色い葉が出てきて、紫の花が咲き、ジョンは干からびていき、植物もまた急速に枯れていきました。

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