7.ほら、こうやって耳元で囁いてあげる。元気出たでしょ?

 今日も書けないの?

 いいんだよ。

 自分のペースで書いて。

 はい、コーヒー入れたよ。

 おいしい?

 よかった。


 悩んでるね。

 ストレッチする?

 そうそう。

 よく伸ばしてね。


 大丈夫?

 集中できてないみたい。

 今日は別のことしようか。

 ほら、こっちおいでよ。

 またひざ枕してあげる。

 しないの?

 なんか元気ないよね……。

 もしかして、昨日のこと気にしてるの?

 だって、私のこと見てくれない……。

 本当は嫌だった?

 違うの?

 じゃあ、なあに?

 話して。

 もしも、私があなたの重荷になってるなら。

 もしも、私があなたの邪魔をしてしまっていたのなら。

 ごめんなさい。

 私、ファン失格だ……。

 ごめんなさい。

 私、出てくね……。


 きゃっ。

 びっくりした。

 急に……後ろから抱きしめられたから。

 私、ここにいてもいいの?

 うん。

 うれしい。

 私もだよ。

 私も、大好き。

 これからもサポートするよ。

 もしもあなたの元気がなかったら。

 元気、出して。

 ほら、こうやって耳元で囁いてあげる。

 ふふふ。

 ビックリした?

 でも、元気出たでしょ?

 あなたが望むなら、毎日やってあげる。

 私、あなたのそばにずっといるよ。

 それが私の役目ですから。

 

 え?

 私はどこにもいかないよ?

 ああ、さっきのはね。

 部屋から出てくって意味で……。

 そうだよ、もう!

 私があなたを見捨てるわけないよ。

 そうだよ。

 だから安心してね。


 うん。

 今日のご飯は腕によりをかけて作るね。

 あなたの好きなものたくさん作るよ。

 楽しみにしてて。

 そう。

 なんだか、気持ちが浮かれてるの。

 あなたに魔法の言葉、かけてもらったからかな。

 私、あなたのファンでいてよかった。

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