3. 段落字下げ

 A1.地の文章は行頭1マスを全角空白で空ける。

 A5.会話文の行頭は1マス空けない。




 原則として、この文書自身のように、段落の行頭は全角空白で1文字だけ字下げをします。

 字下げを半角空白で作ろうとするとなろうの執筆フォームやHTMLの仕様に沿った通り、正しく1マスぶん空かないので、必ず全角を使います。

 半角では入力フォーム上だけは空白があるように見えますが、本番とプレビューでは反映されません。

(注:2022年5月~6月の間になろうではサイレント修正されて半角空白がそのまま反映されるように変更されたようです。行頭、複数空白ともにそのまま表示されます。

 しかし、カクヨムや他のサイトへの転載と互換性、縦書きPDF時に2字字下げになってしまう、などを考慮した場合、やはり全角1文字で行頭字下げしたほうが確かです)


 基本的には改行したら毎回必要です。いわゆる意味段落単位ではなく、形式段落です。

 形式段落は改行で区切られた行の塊をいいます。意味段落は複数の形式段落をまとめた同じまたは似た内容について語っている塊をいいます。


 例外もいくつかあります。まず括弧が使われる会話文では字下げしません。

 文に会話が挟まっている形式の場合は、会話文の次の行でも字下げしなくても構いません。

 ただし多くの小説では会話文の次の行は形式段落を新しくすることが多いです。


 なぜ行頭の鉤括弧「」、丸括弧()等では字下げしないのかというと、PC、スマホ用フォントでは最初から全角幅でデザインされており、元からインデント分を含んでいるからだと思われます。(日本語組版処理の要件などを参照)


 ▼▼▼サンプル文

 アリスは朝早くから登校した。

 教室に入ったら


「おはよう!」


と大きな声で挨拶をした。

 クラスメイトも挨拶を返してくれる。

 アリスは今日の予定を思い浮かべる。


・算数

・水泳

・給食はカレー


(お昼まで頑張らないとね)


 その内容に気合いを入れ直した。

 ▲▲▲


 心情を表す丸括弧なども会話文扱いで字下げ不要です。

 リストやステータス表記は任意です。複数マスのインデントでも問題ありません。ただしインデントしすぎるとスマホ表示などで1行の文字数がインデントのぶん減ります。

 VRの掲示板やブログなども例外です。


 「小説家になろうorカクヨム」では、執筆フォームに「一括字下げ機能」が追加されています。

 地の文の中で行頭に括弧がある場合は、行頭の引用・強調などでも字下げしないのがラノベでも一般的なようです。

 このひとつ上の文で、筆者と同じように、字下げする作者も多数います。

 しかしなろうの機能では、あらかじめ地の文の行頭として字下げしていても、空白が消えてしまいますので注意してください(カクヨムでは字下げしてある行は維持されるようです)。

 この機能は字下げするだけでなく、余分な字下げを消す機能を兼ねています。

 自分でどちらのスタイルにするか決めましょう。


 なろうの姉妹サイト「タテ書き小説ネット」の検索では「行頭の字下げがあること」が検索における掲載条件になっています。字下げしていない場合は、検索結果に表示されません。ただし小説家になろう側からその小説を開いて「縦書きPDF」のリンクを直接アクセスすれば表示させることはできます。


 近年ではブログ風に行頭空白を入れないスタイルで執筆する人も見受けられます。そのようなスタイルのなろう小説もかなり一般的になりつつあります。

 短い文で改行多めの表記をする場合などは字下げなしのほうが見た目がいいなどの意見もみられます。

 スマホで見た場合、1行の文字数が少ないので空白分1文字でも有効に使えるという利点もあります。


 最終的には作者判断でどうするか決めて、インデントしたりしなかったりせず、どちらかのスタイルで統一するといいでしょう。


 なお原稿用紙のルールで鉤括弧「」内の折り返し後の行に関して一文字目を空けたり空けなくてもいいというルールがありますが、HTMLやなろうではどこで折り返されて2行目以降になるか未確定なので、そのような制御はできません。

 特に気にせず空白なしで書いてください。


 鉤括弧「」内で改行した場合の次の字下げは、そもそも括弧内では改行しないのが一応の規則なので、その次の行頭を段落字下げするかどうかは特に決まっていないと思われます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る