第9話

「あ〜、弱すぎ、もうちょい強くなってから出直してくれない?」

「て、てめぇ…!馬鹿にしやがって…!」


獲物の槍も簡単に斬らせてくれたし

木刀だからって油断してる時点で話にならん


「いや、俺はまともな訓練をしたいだけだから別に馬鹿にはしてないぞ」

「クッソ!馬鹿にしてんじゃねぇか!」


いや、だから馬鹿にはしてないっての


「うーい、じゃ、他に挑戦する人〜?」


だ、誰も答えねぇ…!?

もしかしてコイツ相当強いほうだった…?


こんなに幼いのに…?

せいぜい中学生くらいやぞ…?


「…マジかよ」

「あ?どうしたんだよお前」


「…しょうがない、お前ちょっと訓練手伝え、手伝ったら金はやるから」

「…!マジか!やる!」


「そうかそうか、報酬は…5000万でいいか」

「…!やる!!!」


ーーー


「師匠〜!メンバー候補集めて来ましたよ!」

「お、丁度良いな、じゃあ下ろしてくるか」


「え?何を?」

「ああ、コイツに報酬をやらなきゃいけないからな報酬分の金を下ろしてくるんだよ」


「そ、そうなんですか…」

「じゃ、報酬を渡したらメンバー選ぶかぁ…」


ーーー


「で?メンバー候補ってのはこの5人か?」

「はい!」


それぞれの出来る事などが書かれた書類を持ってきた紅葉にたずねる


「魔術師二人と回復術師は良いけど…なんで剣士二人のパーティーに更に剣士を紹介しようとしたんだよ、しかも二人」


「あ…確かに!」

「えぇ…気付かんかったんか…」


「とりあえず魔術師…こっちの魔術師と回復術師でダンジョンに潜るか」

「はい!そうしましょう!」


ーーー


「…これ、魔術師いらねぇな」

「そうですね…俺完全にお荷物ですからね…」


だって物理効かない敵もスキルで無理矢理斬れちゃうからな…


「それを言うなら私もお荷物では…?」

「いや、お前はいざと言うときの保険だから」


それにバフも掛けてくれてるの知ってるからな?

絶対に手放さんぞ


「そうだぞ…?流石に回復術師抜いてダンジョンに潜る探索者とか居ないだろ…」

「まぁ…確かに…」


「…よし、もう一人前衛入れるか!」

「って事は私が紹介した剣士が…!」


「いや、アイツらは剣士でもう一度スライム斬りの修行しなきゃいけないから論外、槍使いを入れる」

「槍使い?でも槍使いの知り合いなんて…」


「俺の方の知り合いに居るから安心しろ」

「わ、分かりました師匠…!」


ーーー


「おいお前、俺のパーティーに入る気は無いか?」

「…は?アンタのパーティーに?やめろよ、俺もそこまで生き急いでない」


「いやいや…ただ俺と一緒にここの中級ダンジョンに潜ってくれれば良いだけなんだよ」

「…マジ?報酬はあるよな?」


「そりゃああるぞ」

「やる」


「よく言った」


ーーー


「コイツがその槍使いだ」

「俺は伊月だ、よろしく」


「伊月さん!よろしくお願いします!」

「伊月さん、よろしくね」


「自己紹介も終わったしさっさとダンジョン攻略するぞ〜」


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