第5話

「お兄さん!今日は何があったんですか!」

「ん〜?今日は…あっ、そうだ!紅葉もみじちゃんって子とパーティーを組むことにになったよ」


「…は?お兄さん、なんでそんな事になったんですか?答えて下さい、早く!」


ただ仲間が増えただけなんだからそんなにブチギレなくてもいいじゃん…


「えぇ…?いや、魔物から助けたらパーティーメンバーになりたいって言われたから…」


「…そうですか、お兄さんの浮気者」

「えぇ…?誰に対しての浮気…?」


いや、飽くまで女の子を仲間にした事に対して警戒してるだけなんだろうけどさぁ…


「そ、それは…言わせないで下さい!」

「あー、分かった」


思いつかんかったんやな…

まぁ俺の聞き方が悪かっただけだから気にすんな…


「あー、それと明日からは紅葉ちゃんの特訓で帰りが遅くなるから昼ご飯は一人で食べな」

「ぁ…はい…」


めっちゃ悲しそう、一緒に居ないと不安って言ってたしやっぱ寂しいんだろうな…


「まぁ、出来るだけ早く帰ってくるようにするし多分今までより少し遅くなる位だから…」

「うぅ…分かりました、それなら我慢します…」


ヨシ!これで安心して紅葉ちゃんの修行に取り掛かる事が出来るな!


ーーー


「師匠これ、難しく無いですか!?」

「あー、まぁコツとか教えてやるしレベル上げも手伝ってやるから頑張れよ」


「…じゃあ師匠、スライムを斬れたら私と休日一日一緒に過ごしてくれますか?」

「え?全然良いよ!」


何を奢って…いや!

これは一日遊ぶからその金を出せば良いのか?


「…!わ、分かりました!ちょっと本気出します!スライム斬りの極意、叩き込んで下さい!」

「…分かった、今までより少し厳しめに行くぞ!」


やっぱり欲望は人間の最も強い原動力だからな!

厳しく行っても耐えるだろ!


ーーー


(うわぁぁぁぁぁ!!!恥ずかしいぃぃぃぃ!!!で、デートのお誘いしちゃった!)


(もしかして報酬だからしょうがなく付き合うって言ってるんじゃ…)


(いや!まだ出来るって決まった訳じゃないからそんな事考えても仕方な…)


「こんな所でどうしたんだ紅葉?」

「い!?」


あわわわわわわ!?

雷斗さんが何で焼肉屋に!?


「ふーん、この子が紅葉ちゃんですか」


…え?女の人?

しかも凄くキレイ…


「あの、その方は…」

「ああ、雪とは初対面だったな」


「私は羽草雪、お兄さんの彼女です」

「大嘘やめよ?雪は飽くまでただの知り合いだから気にしないでね?」


「あ〜…、はじめまして雪さん!広井紅葉です!」

(良かったぁぁぁぁ!!!彼女さんじゃ無かった!私にもチャンスある!)


「紅葉さん、話はお兄さんからよく聞きます、お兄さんをよろしくね?」


「あ〜、ゆ、雪!とりあえず席に座ろう!な?」

(なんか雪が剣呑だ…これ、どうしよう…)



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