第10話 血統と作者の脚質は似ている。

 コース適性、距離適正、脚質。

 ここまでお話しました。

 コースと距離に関しては、正直数をこなしてわかる話だと思います。

 ただ、自分の脚質小説の性質はわかりづらいと思います。

 それを客観視する方法として、馬の血統の考えが良さそうです。


 競走馬は適当な草むらから出てきた野生の馬を捕まえて走っている訳ではありません。

 引退した競走馬に種付けをして、その血を引いた子馬が、次の世代を走り抜けていくのです。

 安直ですが、強い馬と強い馬を合体すればもっと強い馬が産まれるだろうと言った理論や、互いに長所同士を掛け合わせて最強にしていこうと言うのが根底にあるのです。

 G1を勝ちまくった強い馬程そのDNAに価値が出て次世代に引き継がれて行くのです。

 実際、良血統という強い血筋を持つ馬は好成績を残しやすく、馬の名前を調べれば必ず血統が出てくる程重要視される要素です。



 これが競馬の血統という概念ですが、どうやって自分の脚質を探す話に繋がるかというと、凄く単純で『自分が物語を好きになったきっかけの作品』を振り返るとすぐわかると思います。

 自分が影響を受けた作品です。

 自分の親が小説家だったからみたいなことではないです。それは本人のやる気だと思います。

 例えば、有名な漫画「進撃○巨人」の作者は「マ○ラブ」という名作エロゲーの影響を強く受けたと話しており、この方は「マ○ラブ」の物語の血を引き続き、名作の「進撃○巨人」が産まれたのです。

 物語の最大の魅力は、やはり人の心と感性に影響を与え、人間の中身を構築して行く所にあると思います。

 その作者意外の人だって「マ○ラブ」をプレイしましたが、その人が見なければ「進撃」は産まれなかった。


 私の感性を間違いなく歪めたのは、「コードエ○ジコマンダーズ」という世間から賛否両論を受けたクソゲーでした。

 私はあれを越える世界観の作品は無いと思える程隠れ信仰しています。

 そしてもう一つCMが怖いで有名なゲーム「SIRE○」シリーズ。特に「SIRE○2」の構成と設定の作り込みに感動しましたね。

 演出も最高で特に3つあるエンディングの「永井エンド、奪われた世界」が衝撃過ぎて絶望というものがどういうものなのか教えてもらいました。

 他にも「伝説の勇者○伝説」や「ねこ○かわいがり」や「金色○ガッシュ!」等、私の成分が沢山ありますが、これ等の面白さの根底に、私は物語の【差し】の脚質を見出だしてしまったのです。


 Web界隈では不利を取る【差し】の物語ですが、私はその脚質でなければそもそも物語が作れないのです。

 正直今、いろいろ創作界隈の人達が【逃げ】や【先行】の作戦で無ければ評価されないとか売れないと大きい声で皆に伝えていますが、私はそれでも【差し馬】であることを活かして戦うしかありません。

 皆も自分の脚質で戦うしかありません。

 私が【逃げ】を使っても自分が納得出来なければ、私の人生にとってそれは無駄な字を書いただけの話なんです。

 脚質を変えるのは自分の価値観を変える大変な所業なのです。

 大人になればなるほど、時代に逆行していても、自分の本質でしか世間と戦えなくなります。

 そしたらもうやることは一つ。

 自分の長所を伸ばし続けるのみ。

 自分の血の色が何色なのかしっかりとわかる必要があります。


 さあ、貴方の血にはどんな作品が流れていて、どんな人達に継承できるのでしょう。

 自分の血を未来に託す為、どれだけ走れるでしょうか。

 物語は新しい物語を産むまさにダビスタなのです。

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