第7話 【重要】馬の脚質と作品の脚質は似てる

 ここからは読んだ人がどうとらえるか。

 自分のことなのか、自分の生み出した作品のことなのかを考えながら読んでね。



 競走馬一匹一匹には得意な走り方とペースがあると言われている。

 それを脚質きゃくしつとよんでいる。

 戦況や騎手の戦術によって脚質は変わるが、馬の性格からどうしてもそう走らないといけないみたいな話もある。

 戦闘スタイルみたいなものです。

 ダビスタやウマ娘などではそれがしっかりと決まっており、【逃げ】【先行】【差し】【追い込み】の4種に別れてます。

※ダビスタだと【マーク】がありますけど今回は割愛。


 主に競馬のレース中に馬群を作って走っていますが、その馬群の中の立ち位置によって名称が変わります。

 前から後ろまでの名称が、


【逃げ】→【先行】→【差し】→【追い込み】


 といった具合です。

 これらの作戦の概要を簡単に話します。


・逃げ

 スタートから終始先頭を走りゴールを目指す。体力の消耗が激しいので短距離であるか、最終コーナーからゴールへの最終直線が短いと有利な脚質。


・先行

 群集の前列で走り、主に逃げ馬の後ろへ付く立ち回り。最終直線に差し掛かった際に逃げ馬を交わして先頭を奪い取る。

 逃げ程体力を使わずにいられる為、短距離から長距離まで全ての距離で有利が取れる脚質と言われている。


・差し

 群集の中段で走り、最終直線から前列を一気に抜きさって勝ちを狙う。

 体力が温存しやすく、最後の全速力(末脚)が出しやすい。観客の印象にも残りやすく人気な馬が多い。

 馬群がばらけやすく、前列のスタミナ切れを狙いやすい中距離から長距離が得意な脚質となる。


・追い込み

 最後方でポツンと走ってる馬。

 出遅れもあるが、馬群に入れない馬(気性難、臆病、小柄など)が多く。馬群の状況に左右され本来は非常に勝ちづらい脚質。だが、追い込み馬は競走馬としての能力が高い者が数多く現れG1を制覇していく名だたる怪物馬が多い。

 体力が一番温存しやすく、レースの最終直線で一気に加速し後方から先頭までごぼう抜きするロマンの塊。

 中、長距離でかつ最終直線の距離が長い方が有利。短距離では不利でレース状況に一番左右されやすい。




 こういった感じで戦い方のスタイルが競馬

界、または競走競技にもあり、その選手や馬にあった個性として持っているのだと言われております。

 さあ、ここで小説のお話になりますが私はしばらくゲームをやっていて、

「これ、小説作品のストーリーと傾向が同じだ」

 って感じたきっかけの要素でした。

 人の作品を読んでいると、面白さの最大瞬間風速地点がそれぞれ違うので、その地点がどこなのかによって脚質が見えてくるのではないかと思います。



・逃げ

 出落ちタイプの小説。タイトルから最大瞬間風速を狙っていく。

 評価を受けやすく、閲覧数もずば抜けて高くなるが連載化してスタミナ切れしてエタる可能性が大きい。

 広げた風呂敷をしっかり閉じられれば最高の作品なのだが、アマチュアもプロも最後まで終わらせた作品が少ない。

 最初のインパクトが強すぎて最後が尻すぼみになりやすいのも特徴かもしれないが評価は最終的に高いまま終わる。


・先行

 出落ちも出来るし、設定をしっかり活かしているタイプの小説。最初に何が面白いのかを強調している。日常もの、ラブコメ傾向も強く、キャラクターや場所を増やすことで話の燃料を調整できる。

 しっかり終わらせられる構成でもあり、その場合は万人受ける名作を生み出しやすい。

 短編から長編まで適応できる。

 マンネリ化も起こしやすい。


・差し

 後半から徐々に伏線や展開を使って盛り上がっていく物語構成。終わりが最初から決められた内容で、ミステリーものやシリアス方面が強い傾向がある。

 前者達より完結を前提に作られている為、読み終えた後評価が高くなりやすく、満足感のある評価を受けやすい。

 序盤の伏線などによって前者よりスタートにインパクトを付けにくいので読まれる率は低い。


・追い込み

 最後に大どんでん返しが待っている作品。

 伏線を沢山張ったり、意表を付くようなラストで今までのつまらなかった内容を帳消ししてしまう力を秘めた作品。

 ホラージャンルや平成初期中期の泣きゲーシナリオはその傾向が強いかもしれない。

 この形式を狙って作る人がある一定数いるが、連載形式になりやすいWeb小説と相性が悪いと個人的に思っている。

 どれだけ最後が凄くても、最後まで到達しない読者が9割いるのがWeb小説なので評価がされづらいが、完結が前提なのでWebより本媒体やゲーム媒体など買い切りのコンテンツと相性が良いと思われる。



 こんな感じで戦闘スタイルと小説の構成の例えが非常にやりやすいと感じたので、自分の小説がどの脚質なのか当てはめてみるのもありだと思います。


 ちなみに私はこの発想に思いあったとき、確実に【差し馬】だったなと感じます。

 まれにスタートダッシュが上手くいき、得意の末脚で作品を終わらせられたので好評だったなって作品もありました。

 スタートダッシュが上手く出来る練習をしていきます。

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