●あるある話 その3 たたかいのきろく VS メインプランナー

 業界あるある話。意思疎通って大変ですね。

以下、プランナーをPL、メインプランナーをMPとして進みます。PGはプログラマーさん、DSはデザイナーさんの略です。

落ち込むこともあるけれど、私は元気です。私、このゲームが好きです。たぶん…。


/*--------------------*/


PL「MPは”私の中の正解を見つけよ、正解は私も分からぬ、かと言って気に入らない意見は通さぬ、裁量は全て我にあり”タイプやからな…。事前に内容をカウンセリングして固めといた方が無難や」

PL「〇〇画面の仕様について、質問がかなりあるのでチャットツールですり合わせさせてください。1つ目:画面はこの資料に書かれている通り、〇〇合わせでいいですよね? 2つ目~」

PL「よし、返答は全部もらったし、相違点はほぼないやろ。提出するやで」

PL「明日あたりFIX(フィックスと読みます。内容が確定することの意味)して、PGさんとDSさんに内容確認出せるやろな。これで2日浮くかもしれん。ウキウキするな!」


~1回目の提出後~


MP「仕様書確認したよ。修正よろしく」

PL「ありがとうございます。確認しますね」


PL「修正箇所がめっちゃ多いし指摘も細かいな…。つうか、そこまで内容がPMの中で固まってんなら先に言えよ…。カウンセリングしたのに何故…?」

PL「修正終わった。これでええやろ」


~2回目の提出後~


MP「仕様書確認したよ。修正よろしく」

PL「ありがとうございます。確認しますね」


PL「相変わらず修正箇所は多いし、指摘も細かいな…。というか前回修正箇所以外の所に新規ある…。俺はなんてダメなやつなんだ…。ミジンコの方が役に立つ…」

PL「修正終わった。さすがにもう戻ってこないだろ。あって1回じゃろ…」


~このやり取りを10回くらい繰り返した後~


MP「仕様書確認したよ。修正よろしく」

PL「ファ!? まだあるんか!? 全部お前の望み通りにしたやんけ!(ありがとうございます。確認しますね)」


PL「相変わらずの量と細かさや…。なんでまだ新規の指摘もあるんだ…。よく見たら、結局俺の案に戻ってるところもある…。何がしたいんだコイツ…?」

PL「サグラダファミリア建ててたと思ったら、ウィンチェスターミステリーハウスだった…。これがエンドレスエイト…、まさかハルヒは実在した…!?」

PL「…参考にMPが作ってる仕様書見てみるか。奴の思考のヒントを得られるかもしれぬ」

PL「うわ…、私の読解力、低すぎ…!? どこを見ればいいのか分からないなんて…! 同じフォーマットなのに…!」

PL「凄くごちゃごちゃしてて見づらいし、1シートに詰め込みすぎや。文章もクソ長くて何のための機能なのか、どういう動作を望んでるのかも分かんねーよ…。PGさん、DSさんの読解力が神なのでは…?」

PL「…先にFIX扱いになった別PL達の仕様書も見てみるか。俺より通るの早いってことは出来る側の人間なんやろ。きっと凄いんやろな!」

PL「MPと変わんねぇな…。しかも図と文章が一致しないの怖い…。なんで通るねん、コレで…」

PL「ひぇ、仕様の相違点見つけてしもた。しゃーない、一応問い合わせしてみるか…」


PL「別PLさんの仕様のこの部分ですけど、これ俺が今作ってる仕様内で”〇〇の方向にする”で修正したじゃないですか」

MP「うん」

PL「これは使用する画面は違うけど、同じ機能を使う予定でいったん全体に周知しとるやん」

MP「だねぇ」

PL「そんな中、わざわざ機能をわける必要はないし、わける理由もないのに、何故か別PLさんと俺とで仕様がブレてる状態になってるわけじゃん? 超やばいじゃん。MPは結局どの方向にしたいんや?」

MP「それは修正で指摘した方向になるね」

PL「ほなら、なんで別PLさんのときは通したんです? あっちがFIXしたの2日前じゃん? その時点で指摘できたやろ? 更に言うと俺の方の仕様を指摘したときでも修正の共有が出来たはずやろ。もう2日も経ってるわけで、下手したらPGさんの修正対応がいるぜ?」

MP「いやぁ、別PLさんの仕様の内容がそもそも分からなかったのと、見てる時間ないしスルーしちゃった。まぁ最終確認するDも流したし大丈夫っしょ。別PLさんの方はついでに直しといて。PGへの連絡もやっといて」

PL「ファーwwwww」


PL「一応Dの最終確認を待つか…」

D「みたぞ。ていうかMPがちゃんと見ているはずだし、仕様はもうFIXでいいよ。次の仕様入って」

PL「そうですか…。次に行く前に聞いてもいいっスか。俺の仕様の書き方って、ダメダメなんですかね?」

D「別に普通」

PL「え、俺の普通だったの? ヤッタァァイ! 脱ミジンコや! でも通らない謎よ。なんか基準あるんです?」

D「あー、内容がざっと見て分かれるレベルなら通す感じ。よほど変なところはMPの時点で指摘してるはずだし、最終的にPGかDSが気づくでしょ」

PL「…? じゃあ俺は普通じゃなくないですか? “よほど変なところ“があるから、ここまで通らんのやろ? やっぱミジンコ以下じゃねぇか、チクショウ」

D「いや、だから普通だって。普通」

PL「わっ…、これ…、違和感…? 普通なのに、普通じゃない…? 考え方が、おかしいってコト…?」

D「考え方も別に普通、凡人」

PL「ひでぇ言いようや」

D「あー…見たら分かると思うけど、スルーを受ける側の資料は、もう読むのも指導するのも時間かかるわけじゃん? 今のスケジュール感、結構ギリギリじゃん?」

PL「嫌な予感がするお」

D「だからもうスピード優先! PG、DSも大体分かってると思うから変なことはしないだろうし、どうせデバッグ前に内容の更新するし、別に大丈夫っしょ!」

PL「ギリダメっしょwwwww更新漏れたらバグ報告数もりもりくるっしょwwwww」

D「いやいや、実際起きてないから平気平気。それに口で指示した方が早い!」

PL「言った言わない戦争勃発っしょwwwwいつか誰かに刺されても知らねぇっしょwwwwwwww」


/*--------------------*/

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る