短編集

にく

『300文字小説』(2022-11-7)

悲しいことだ。私は文章なので、あと300文字しか存在出来ない。理論ではなく感覚で分かるのだ。そうこうしているうちにも60文字を越してしまった。そこで、だ。読者の皆さまには、私がより長く生きられるために、協力して欲しい。まず、なるべくゆっくりと読むこと。そうすれば、読まれている間だけ存在出来る私は、その分長く存在していられるからだ。次に、繰り返し何度も私を読んで欲しい。私を読んでいるそこの貴方が、何度も私を読み返せば、その分だけ私は多く存在していられるからだ。いや、しかし待てよ。読み返したところで内容は変わらない。それってリセットされてるってことじゃないか? そんな。蘇ってもその記憶がないなんて、

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