第7話『完了』

 目を細めた先の視界が白から、少しずつ他の色がつきはじめる頃、光が収まり地上の転移魔法陣に現れた。


 カラッとした空気に、もうみることはないと思っていた空は、みずみずしいほど青かった。頭上には太陽が上り、俺の体を照らす。

 やはり地上の空気はうまくて清々しいと感じた。大きく左右に手を広げ、もう一度深呼吸をして生還を心の中で祝った。

 

 おめでとう俺……と。


 脱出できてかつコア到達であり、アイテムも得たので気持ちが晴れ晴れしている。どこか体が今までとはまるで異なり、軽くさえ感じた。


 周りを見渡すと、なぜか石版の前に人だかりができている。


 ダンジョンの入り口の右隣にある大きな石板は今まで、無地の何も掘られていないただの板であった。なのになぜだろうと疑問には思うものの、今見ている暇はなく、急ぎ石畳で覆われている道を歩きギルドへ向かった。


 ギルドに入ると、受付のトレイシーと目が合う。泣き叫びそうな声で京也の名を呼ぶ声が響く。

 どうしたことかと、急ぎ向かうとカウンターごしに立ち上がってきた。身を乗り出すようにして、三角筋をおおうように抱きしめられる。


「ちょっ! えっ? トレイシーさん、皆見ていますって! 一体どうしたんですか?」


 何がなんだかわけもわからず、慌てて訪ねてしまう。


「京也君が死んだと聞いてね……。ところがもう1つの話題で、コアの初制覇者として名前が刻まれていると話もあって、わけがわからなかったの」


 死んだとは十中八九、勇者パーティーの連中がありもしないことを言いふらしていたんだろう。変わらずうんざりする連中だ。


「そういうわけだったんですか……。ご迷惑をおかけして申し訳ないです。そのことについて、さっそくギルドマスターに話をしておきたいのですけど……。今、いますか?」


 今はギルドマスターに、本当のことを伝えるのが最優先だと考えていた。


「多分、待っていると思うわ。今確認してくる!」


 そういうや否や奥にすっ飛んで行ってしまった。まるで投石器のように力を貯めて、一気に射出するかのように飛び出していく。

 

 本当に確認したのかと疑うほど早く、数秒もたたないうちに戻ってくるなんてよほど急いでくれたに違いない。


「トレイシーさんありが――」


「――急ぐよっ!」


 お礼をいう間もなく、カウンター横の入り口から手を掴まれ、引っ張り走り抜けていく状態だ。なんで急ぐのかわけがわからず、ただただついていく。


「どう……して、そん……な……に……いそいで……いる……のですか?」


 息を切らせて、京也はトレイシーに問いかけていた。声をあえて聞こうとしないのかギルドマスターの部屋をノックしはじめる。


「マスター! 京也”さん”をご案内いたしました」


「入れ」


 何度か入ったことのあるギルドマスターの部屋は、相変わらず物であふれている。物はあっても整理整頓されているせいか、カオスな状態でもなんとかある意味、静謐さを保っている。


 20畳程度の広さに、木製の大きな仕事机と応接用のソファーが二対。その間を挟んでテーブルが置かれていた。


「ギルマス、お久しぶりです」


 京也が声をかけると、ニカっと笑うマスターは変わらずだ。


「よお! 元気そうで何よりだ。心配したんだぞ? ひとまずソファーに座って少し待ってくれ」


 言われるまま京也は左手のソファーに座り、なぜか隣にトレイシーも座る。どうなっているんだと疑問に思うものの、ギルドマスターをまった。


 五分程度してようやく仕事にひと段落ついたのか、巨体を揺らしながらソファーに大きく腰掛ける。ソファーはまるで、うめき声をあげるのか如く軋む。

 三人がけのソファーでちょうどよい大きさなんて、何ともでかいんだとあらためて思ってしまう。


「いつも迷惑ばかりですみません。生還してきました」


 俺は座ったまま頭を一度下げた。あげると途端にニヤついたギルドマスターがいた。


「やったな京也! 俺としてはギルド預かりのままだからなっ! 鼻が高いよ」


 まるでスポーツで良きプレイーをした相手に対して、褒め称えるような喜び具合だ。


「え? 何がですか? 俺はつい先ほど地上に出て、すぐにここにきたばかりなので……」


 何が起きているのかわからず、疑問をぶつけてみた。


「おっそうか、そうか。現状確認とは、よい心がけだな。トレイシー、説明はしていないのか?」


「ええ。話には聞きましたけども、本人が現れるまで半信半疑でしたので……」


「まあ普通はそうだよな。俺もさすがに前代未聞で驚いたぜ?」


「ええっと、身に覚えが……。まさか! コアの制覇者として何か情報が出たんですか?」


「ああ、そのまさかだよ。まずは数時間以上前にダンジョン入り口が封鎖されて、コア制覇者として初の名前がでたんさ」


「名前がですか……」


 意外な場所だった。まさかそんな所で暴露されるとは思いもよらない。


「ああそうだ。あの入り口にあるまっさらな石版覚えているだろ? 今まで誰も気に留めていなかったあのまっさらな石版に、お前の名前が刻まれたところから始まるんだ」


「数時間前……。ああ、あの時か……。その石板に誰かが刻んだなんてことはないのですか?」


「それはないな。あの石板は誰も傷すらつけられないんさ」


「そうだったんですね」


 恐らくは時間切れの直後か、最下層だけ造り替えが終わったころだと予見した。通常、制限時間と同等の時間が造り替えに要する時間とされているからだ。

 

「これからじっくり話を聞くとして、今のお前の状況を伝えると死亡した状態だった。昨日、勇者パーティーからの報告で上層から脱出する際、魔獣に襲われて死亡したと報告があってな……」


 多分、嘘をつかれることは想像していた通りだ。見捨ててきましたなど、おいそれと言えるわけがない。


「俺は、見捨てられたんですけどね……」


「まあ、そうだろうよ。ところがな、ダンジョン前で京也の名前が刻まれた後に、ギルドに報告が入るだけでなく大臣にも連絡が入り、今や王都中がお前の話題で持ちきりだよ」


「そういうことだったのですね」


 良くも悪くもこれからは厄介な事の方が多くなる予想しか生まれない。


「名前が刻まれたのを確認して、数時間後にはこうして目の前に本人が現れるとなれば、さっそく事情聴取。だよな?」


「そうですね。普通に考えて妥当です」


「そういうわけだから、トレイシー議事録頼むよ」


「はい、わかりました」


「本人かどうかはすでに、この部屋へ入るときに確認している。魔力ゼロはめったにいないからな。その確認だけで本人と証明できる……。さて、単刀直入に教えてくれ。どうやって生き残ったんだ? あの再構築を」


 隠す必要もなく、自らの能力に救われたことをあらためて、包み隠さず話すことに決めていた。


「はい、俺の耐久能力があらゆることに耐久した結果、命をつなげました」


「なるほど……。単純明快だな」


「はい」


「ようやくお前の能力が開花した感じで、俺も嬉しいよ。具体的には、何が起きたんだ」


「パーティーリーダーから無能と呼ばれ追放されました。中層付近からの帰還魔法陣に乗せてもらえず置き去りにされました。残り時間はおそらく一時間程度の状態で石柱は足元をわずかに光らせる程度でした」


「勇者の報告と真逆だな……。続けてくれ」


「はい。その後、残りの命はコアへ到達することにすべてをかけて、死ぬつもりでした。近くの地割れから最下層までありそうでしたので、飛び降りました。自身の能力を試すよい機会でしたので……」


「随分と危険な賭けに出たんだな。とはいえ死ぬのが確定しているなら、もはや恐るものはないと?」


「はい、そうです。無事耐久能力が効いて着地は何も問題なく、魔獣にも遭遇せずに道なりに進みコアに到達しました。そこで特典箱から、各種アイテムを獲得しました。手に入れた武器で、コアに名前を堀りあとは死を迎えるだけでした」


「なるほどな」


「たしかに、死に匹敵する物でした。高濃度魔力が煙りのように充満して真っ白な状態になっていました。落下してきた岩石は、人の倍以上の大きさで雨のように降り注いで……。俺は接触した時の衝撃で意識を失いました」


「それじゃ普通は生き残れないな。まずは魔力酔いから逃れられないし、次に岩石の雨じゃ物理的にも防ぎきれない」


 当然そう思うだろう。あの巨石が降った日には、人生終わりと思って間違いない。ただし俺の場合は、魔力自体をそもそも持たないので魔力酔い自体は起きない。


「はいそうです。気を失っている間に起きた事象はわからないです。気がつくとすべてが作り替えられており、押しつぶされたと思った岩石も消えていました。あるのはたどり着いた時の広間とコアが変わらず佇むぐらいでした」


「作り替えで、巻き込まれなかったのは幸いだな」


「はい。理由はわからないんですけど、大丈夫でした。ただ、コアに人の意識が通じそうなことはどこかわかりました。コアに手をあてて、転移魔法陣を願うと出現したので、その魔法陣にのり地上へ戻りました」


「おいおい……。コアに人の意思が通ずるって話は、ある意味ヤバイな……。どうやってわかったんだ?」


「確か……。名前を掘るためコアに触れたとき、手を通じて何かが伝わってきました。その何かはうまく言い表せないです」


「わかった。その話は伏せておこう。自然に転移魔法陣が現れたことにした方がいい。これは他の国含めて危険を晒すことになる。とはいっても、お前以外にはコアまでの到達は、到底不可能だけどな」


「耐久がここまでできるとは、思いもよらなかったです」


「悪い方向に進むと、さらわれる可能性もあるから、伝える内容は慎重に吟味しないとならないな」


 石版に名前が掲載された以上は、王城に間もなく召喚される。勅命になると洗いざらい話せとなる。真実を知るものは少ない方がいい。旨味が強いほど今度は、京也自身が危険に晒される。


 強引に奴隷にでもさせられて、生涯コアへの道案内要員として、過酷な環境に身を置くこともあり得るからだ。


 だからこそ全てが偶然を装うことにした。真実を知るのは、ギルドマスターと受付のトレイシーだけとなった。


 唯一防ぐ方法は、自身が強くならなければならない。


 そうしたことを考えると、単純にステータスだけは他者を凌駕しているのでまだ救いがある。技術的な物は、これからが課題となる。


 戦利品については、後日あらためて相談することにした。聞かれたとしてもわからないので、価値を調べてもらうため、すべてギルド預かりにすることで話がまとまった。


 実際は保管箱に入れる際、詳細な情報を掴んでいるので自身にとって不要な物だけを渡したにすぎない。念の為、体をまとう防具系はほとんど手元に残している。


 一通り出来事などの詳細内容を一旦、話し終えた。今後のことも考えて、ギルドに併設されている宿へ泊まれるように、ギルドマスターが融通してくれた。

 安全面では群を抜いているし、私物など元々無いに等しいから身1つですぐに動ける。今後の寝泊まりの場所としては、最適だろう。


 翌日早々、ギルド経由でさっそく城への出頭命令が発令された。

 京也は普段のまま城へ向かい、ギルドマスターと手筈通りの答弁する予定だ。

 問題は国にいる勇者が、真逆のことを変わらずいうに決まっていた。言っていた場合どうするかは、すでに決めている。


 特典箱からの戦利品は、欲しいものだけ自分のところにおいておき、調べてもらうより残りはギルド経由で委託販売にした。売った物は、今回はそのまま城にも報告されるため売らずにしておき、頃合いを見て売るものもギルドマスターと打ち合わせ済みだ。


 間違いなく面倒なことが起きる予感しかない。

 予感させるぐらい秀逸な品ばかりだそうなのだ。経験値を獲得できずに超えた分が特典箱になるなども、前代未聞だからだ。秘匿することは必須で知られれば最悪、特典箱生成要員として奴隷にさせられることは、ギルドマスターがいう通り想像に難しくない。


 いろいろと考えているうちに城へ到着すると、衛兵の案内途中で第四皇女付きの騎士団長と合流をしてから、大臣のところへ向かう。どうして騎士団長が同行するのか、理由はわからない。


 あくまでも事情聴取で王と面会するわけではないため、普通の応接室に通された。部屋にはすでに大臣と勇者の両名がおり、なぜか俺の隣にいるは騎士団長とで二体二の状態だ。


 ――話はさっそく、根掘り葉掘りと聞かれた。


 突然騎士団長の視線が鋭くなったのは、俺が伝えた”勇者が俺を置き去りにした”ことに対しての発言だった。

 勇者は、理由をなんだかんだと付け加えても、騎士団長がウソはやめろの一言で無言になる。いい様だと思う。


 特典箱の話になると大臣と勇者も身を乗りだして話を聞く。騎士団長はどういうわけか無関心を貫いていたのには驚きだった。


「いや〜素晴らしい成果ですね。本当に京也クンは才能があると思っていましたよ。”わざと”辛くあたったのには、こうした成果が期待できる人材だからですからね」


 まったくもって白々しい。あまりに堂々というので薄ら寒い。


「俺もお前を突き放したのではなく、お前の有用な能力に目覚めて欲しくてな。見事に成し遂げられたのは俺のおかげだぞ?」


 こいつも白々しく、言い切りやがった。

 

 誰だあのとき、リーダーの問いかけに疑問もなく無邪気に”同意する”と行った奴は。どの口がそれをいうのか……。


「断る。今更さらもう遅い」


 俺は次の言葉が予想できたので、先手を打った。大臣と勇者は唖然として何か言おうとしていたので、もう一度伝える。


「もう一度いうな。断る。今更さらもう遅い」


「まだ……。何もいっていないのに断るとは恐れ多い。特典箱の売り先の相談ともう一度パーティーを組んでみてはいかがかな? 我が国の勇者以外は契約がきれ一度皆、方々に帰国しておる。新たなパーティーを組み新生勇者パーティーとしてはいかがかな?」


「俺もお前の隠れた能力に期待したい」


 本当に予想通りで驚く。俺が返す言葉はすでに決まっているので、同じ言葉を返すだけだ。


「断る。今更さらもう遅い」


 頑なに変わらない姿勢を貫く俺に対して、大臣は目の下を引くつかせながら俺に問う。


「何が遅いのか教えてもらうことはできるかい? 内容によっては善処しよう」


「ふたつの質問に答えてくれ、内容次第で検討する」


 既に断るための方便だ。

 

「もちろんだよ。国の機密については、答えられないことを理解して欲しい」


「1つ目だ。探索者は自由だ。そのことについて、ギルドや国でも保証されている。本当だな?」


「もちろんだとも。この国だけでなく他の国も同じだよ」


「ふたつ目だ。勇者のレベル差がありすぎると、経験値がレベルの高い方にしか入らない。入らないのなら、勇者と組むのことは、妥当ではない。違うか?」


「それもそうだな。すまない京也のことを考るとそうだな。俺は全経験値をお前に”譲ってやる”よ」


「そうか……。相いれないな。二度と俺に関わらないでくれ」


 正直今の俺の秘密を知られるわけにはいかなかった。


「ちょっ、何をいっているんだ? 俺のレベルは200だぞ? お前のレベル0とはわけが違うんだよ?」


「どうやら勘違いしているみたいだな……話にならない」


 俺の目的はコアから受ける膨大な経験値を特典箱に俺専用として還元させることが必要だ。それを知られるわけにはならない。それに闇レベルが何かはわからないのを、もう一度コアにまで潜り確認したかった。


「お前……。レベル0の無能が調子こいてんじゃねえぞ?」


「そこがお前の限界だよ。本性が出たな?」


「なんだと!」


 席を立ち上がり剣に手をかけた瞬間、背後から首筋に永遠なる闇の毒蛇を当てる。剣は触れただけで相手を猛毒・呪い・吸血の三重苦を与える。


「ごガァ」


 突然苦しみだす勇者。


「団長、このような場合の俺は、正当防衛に過ぎないと思うけどどうなんだ?」


「認める。大臣あなたも同罪になるぞ?」


 大臣は目を白黒させると右手で天井を仰ぐように頭を抱えた。しまいには、隣にいる勇者を睨みつける始末だ。


「手にかけた剣を団長に渡したのち、大人しくすれば”俺からはもう何もしない”」


 そう告げると勇者は、震えながらも団長に剣を渡して怯えたまま再び腰掛けた。京也も瞬間移動と見紛みまがうぐらいの速さで再びソファーに腰掛ける。


「俺のレベルは、勇者とは隔絶している。一緒には組めない」


 事実だけを伝える。奴らはまさか、俺が経験値を得てもレベルが上がらないなどとつゆほど思っても見ないだろう。俺もそこには困惑している。


「わかった。ならば、売り先の優先度を国にしてもらえないだろうか?」


「まだ勘違いしているから言っておく。”探索者は自由だ”誰も縛ることはできない。ましてや売り先に優先度など相手が決めることでない。決めるのは、俺だ」


 大臣は途端に本性が顔に出たのか、すざまじい形相で京也を睨みつける。


「話はここまでのようだな。大臣、探索者の自由を奪うことは、誰であっても許されない行為だ。このことは王に報告をしておく」


「しかし……。この者から得られれば国は……」


 騎士団長を仰ぎ見る姿から、藁にもすがるように見える。


「大臣……。有能さを最初から見抜けないばかりか、過酷なことばかりをさせ報酬も満足に与えず、挙げ句の果てには処刑命令を出すなど、あるまじき行為。本来なら今の地位は失うところを王からの情状酌量で今があるんだ。ただ今回このことは王に報告する」


 大臣は目を大きく開き、両方の眉をあげ口は半開きの状態で顔が固まる。


「だから最初から言っただろう? 断ると。今更さらもう遅いと」


 拳を固く握りしめて腕が震えていた大臣をよそに、騎士団長と部屋を離れた。勇者は短剣の何かに触れたのか悶え苦しんでいる。いい様だ。


「騎士団長ありがとうございます」


「いや礼なら王にいうといい。王自らが、かなり心配していたところを私が間に入り、仲介役を急遽任命された」


「そうだったのですね。助かりました。ありがとうございます」


「ところで、もし答えたくなければ答えなくて構わない。君は一体レベルがいくつあるんだ?」


 基本的にレベルは死活問題なため、普通は相手には教えない。信頼ができそうだと思うところはあるものの。情報は少ない方がいい。


「……。騎士団長に教えるほどの物ではないことだけお答えします。レベル300の騎士団長殿」


「そこまでお見通しか……。その年で末恐ろしいよ。何か困ったことがあれば気軽に立ち寄ってくれ。君のような将来有望な者には、微力ながら手伝わせてもらうよ」


「ありがとうございます。できれば影で計測は動かして欲しくないところですけど、おそらく測れないかと思います」


 まさか見破られるとは思っても見なかったのか、額から汗が溢れる瞬間を目撃した。騎士団長もなかなか侮れない。


 京也と騎士団長は、城の門前にて別れた。京也が見えなくなったところで、先の測定器を見て驚愕をした。


「こんなことが……。測定器の上限は千のはず。測定不能とは……化け物か……」


 京也の通った道を騎士団長は、呆然と眺めていた。単に計測阻害をしていただけにすぎないのにいい意味で誤解をした。

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