⑤気付き

 校舎の中庭に佇む彼は、穏やかな笑みを浮かべてこちらに手を振っている。淡い水色の、オープンカラーのシャツが風をはらんでふんわりと揺らめく。太陽の光を受けて髪と瞳は薄茶色に透けていて、その風貌は少女漫画から飛び出したかのように整っている。綺麗だった。一目で、私の心はときめいた。今日はこれからそんな彼と買い物に行くのだ。

「お待たせしました。今日はお願いします」

 高鳴る胸を落ち着かせるため、なるべくゆっくりと喋る。頭を下げるとつられて彼も会釈した。

「いえいえ、こちらこそ。俺も色々買いたかったから」

 じゃあ行こうか、と促されて彼について歩く。四限が始まってからの学生街は、昼の活気が嘘のように静かだ。大きな道路で車がびゅんびゅんと通り過ぎる一方で、一本奥のこの道には人も車もいない。いつもはコーヒーに集中しているから沈黙なんてむしろ心地いいくらいだったが、今日はやけに静寂が気になる。なにか話した方がいいだろうか。考えていると彼が先に口火を切った。

「ええと……友達はできた? 学校生活はどう?」

「なんですかそれ、俺の親みたいな質問ですね」

 沈黙を埋めるために、少し照れながら質問をする彼がいじらしくて、面白くて、思わず吹き出した。彼は恥ずかしそうに、そんなに変だったかなぁ、と呟いて後頭部を掻く。耳の端が赤い。そんなところが可愛らしくて、また笑いが込み上げてくる。

「そんなに笑うなよな、近況を聞いただけだよ」

「ふふ、そうですね。すみません。いえ、まあ楽しいですよ。それなりに。友達もできましたし、面白い先輩もいますしね」

「それはよかった。俺も今年度から生意気な後輩ができて楽しくなりそうだよ」

 私たちは笑い合った。その後も近況を話したり、冗談を言い合ったりしながら、駅の反対側にある生活雑貨店へと歩いた。あのよくわからない男、古川とやらを友達としてカウントしてしまったが、まあいいや。そんなことよりこうして彼と話をすることがなによりも嬉しいのである。すっかり緊張はほぐれ、純粋に彼との会話を楽しんでいた。

 生活雑貨店のコーヒー器具は想像以上に様々な種類が取り揃えてられていた。ドリッパーだけでも円錐、台形、陶器製や金属製から木製まで、ずらりと整列している。母の遺品で見たような器具もちらほらあった。

「ここは種類が豊富なんだよね。とりあえず初心者向けのものを選ぼうか」

「そうですね、お願いします。俺はまださっぱりなので」

「じゃあまずはドリッパーからいこうか。やっぱり味が安定しやすい台形がおすすめかな」

 彼はドリッパーを真剣に見比べている。そんな彼とドリッパーをぼんやりと眺めていると、ひとつだけ見覚えのある商品が目に飛び込んだ。

「あ、これ……」

 薄茶色でプラスチック製の台形のドリッパー。母の遺品にあったのと全く同じだ。意識が完全に惹きつけられる。これだ。おととい見たのは劣化していて、プラスチックにヒビが入っていたが、これなのだ。

「うん、それもよさそうだね。リーズナブルだし台形だし」

 ふいに横から話しかけられてびくりと体が反応する。

「じゃ、じゃあ……それにします」

 ぎくしゃくと口を動かして返答した。商品の入った箱を手に取ると、何故だか心がざわつく。自然と呼吸が浅くなる。母の行動を追体験しているみたいで、奇妙な感覚。身体が過去へ、後ろへと引っ張られるようだ。足元がふらつく。

「あれ、大丈夫? 佐藤くん? 調子悪い?」

 はっと彼の方を見ると心配そうな瞳がこちらに向けられていた。まっすぐな眼差し。私はいつの間にかじっとりと汗をかいていた。

「あ、いや、大丈夫です。ほら、残りも揃えちゃいましょうよ」

 箱を買い物かごへと入れると、先ほどの感覚を振り払うようにずんずん歩いた。



「これ、本当にいいんですか? やっぱり俺が払いますよ」

 紙袋には先ほど選んだコーヒーの用品が詰まっている。ドリッパー、フィルター、スケール、サーバー、温度計と、細い口のケトル。段ボールに入っていた母の遺品よりもずっと最新式で綺麗だ。

 私が商品を選び終わったとき、彼は自分の買い物も一緒に入れさせてくれと言って、コーヒーフィルターを私の買い物かごに入れた。重そうだから持つのを代わるよ、と私からかごを取り上げるとレジへ向かい、いつの間にか代金は彼が支払っていた。あまりのスマートさに私は感心さえしてしまった。

「いいの、後輩ができたら奢ってみたかったんだよ。遠慮しないで」

「でも……選ぶのを手伝ってもらって、それに奢ってもらうなんて」

「俺も今日は楽しかったから、そのお礼ね」

「そんな、ありがとうございます」

 貸しをつくってしまったからか、対等に扱われていないからか、なんだか悔しくてもやもやする。なにかこちらから返さなくては。彼が見返りを求めている訳ではなかったとしても、この状態はフェアじゃない。先輩後輩の関係ってこんなものだろうか。

「あの、もしよかったら俺からのお礼もかねてご飯でもどうですか? お店だと……また奢られちゃうかもしれないので、うちに来ませんか?」

 人を自分の家に誘うことなんて滅多になかったから、この発言には自分でも驚いた。でもそれ以上に彼が驚いていた。西日に照らされて赤茶になった目は大きく見開かれている。

「え、いいの? 普通に嬉しいんだけど」

「ええ、是非。俺は料理できないんですけど、祖母の作り置きが沢山あるんで」

「なにそれ、美味しそうじゃん」

 嬉しそうに目を輝かせる彼。誘ってよかった。彼に奢ってもらってよかった。旧友の葬式へ行った祖母が大量のお惣菜を作り置きしていてよかった。あらゆることが奇跡のように感じる。

 いつもは逆方面の電車に乗って帰る彼が、今日は同じ電車に乗っている。いつもはひとりで歩く最寄駅から家までの道を、彼と歩いている。こんなことを初めて出会ったときには想像できたであろうか。一緒に歩きながら彼とは好きなおかずの話、高校の学食の話、そんな他愛のない話を続けた。夜の気配がする街のなか、彼とふたりで私の家を目指す。



 タッパーに入った魚の煮付けを皿に取り出し、レンジで温める。その間にほうれん草のおひたしなどの副菜もひとり分ずつに取り分ける。そろそろお米も炊けそうだ。

 祖母は育ち盛りの息子のためにかなりの量を作り置きしたようだ。予定は一泊なんだからこんなに作らなくてもよかったのに。本当はそう言っていたはずだが、今日は違う。もうひとり夕飯を食べる人がいるからだ。

「先輩、そろそろご飯にしましょう」

 母の遺品のコーヒー用品を彼はひとつひとつ、まじまじと見つめていた。夕食までの時間に、箱の中にあるコーヒーの器具を見るよう彼に頼んでいたのだ。

「あ、うん。今行くね」

 リビングから食卓へと彼が歩いてくる。なんだか不思議な光景だ。

「うわぁ、美味しそう。まさに和食って感じだね」

「祖母は和食ばかり作るんです。お口にあうといいんですけど」

 テーブルに並ぶ食べ物は、煮付けに煮物に味噌汁と茶色ばかりで彩りには欠ける。祖母の椅子に座っている綺麗な顔立ちの彼とは全てが不釣り合いに見える。

「じゃあ食べましょうか」

「そうだね、いただきます」

 彼はまず味噌汁を飲み、魚をひとくちつまんだ。それから、満面の笑みでこちらを向いた。

「すごくおいしい。おいしいよ。おばあさまは本当にお料理が上手なんだね」

 彼は幸せそうに料理を頬張る。私は自然と口角が上がった。

「ああ、よかったです。おかわりもあるので沢山食べてくださいね」

「ありがとうね、でもご家族の分は残さなくて大丈夫?」

 瞬時に心には靄がかかった。家族のことを聞かれるのは苦手だ。彼にはまだ両親が居ないことを言ってはいない。決して悪い事でも隠す事でもないのだけど、人によっては腫れ物に触るように私を扱うようになるのであまり話したくはない。でも、変にごまかすのも嫌だ。彼には話してもいいだろうか―――

「あ、食べても大丈夫ならもらうね」

 私の逡巡を感じ取ったのか、彼は先程の発言をなかったことにした。しかし、私はそうはできなかった。どうしてか彼に嘘はつきたくなかったのだ。

「わ……私の、両親はずっと前に亡くなっているんです。今は祖母とふたりで暮らしてます。今日は祖母が出掛けてて、私ひとりだけなので、その……」

 見切り発車で話し出したせいで着地点を見失った。何を言えばいいのだろうか。家族のことを話すという目的は達成したが、その後を考えていなかった。ただでさえ返答が難しい話題なのに、こんな中途半端な言いかけの状態で彼にリアクションを求めるのは悪い気がする。見切り発車へのけじめをつけなくては。膝の上で固く結ばれたこぶしをじっと見つめて思索する。しかし、考えれば考えるほど思考はもつれる。無為に口をぱくぱくと開閉することしかできない。沈黙が永遠のように感じた。

 その沈黙を破ったのは、静かで優しくて、安心感のある彼のさりげない相槌だった。頭を上げると慈愛に満ちた彼の顔が目に入る。喋ることに必死だった私の脳はたちまち落ち着きを取り戻す。彼の手が頭に触れ、私の髪を無造作にかき回す。その手はきっと私よりも小さいけれど、温かくて気持ちが良かった。



 リビングのテーブルに今日買った器具を並べる。夕食中に、新しい器具で早速コーヒーを淹れようという話になったのだ。どの器具も新品で、自分のものではないように感じる。相変わらず実験器具みたいで、無機的だ。

「豆はこれにしようかな」

 彼は何種類かのコーヒーのなかから、ブラジルの国旗が描かれた袋を選んだ。

「ブラジルのサントスの豆だよ。サントスは産地じゃないんだけどね、そこから輸出された豆ってこと。酸味は少なくてちょっと苦いかな。本当はブレンドにしてもいいんだけど、焙煎で苦みを抑えられてるはずだから佐藤くんでも飲めると思って」

 そう言いながら彼は豆の量を計測し、手動のミルで挽いていく。このミルは母の遺品のなかにあったものだ。ほぼ未使用で保存状態も良かったので、軽く綺麗にしただけで使えた。

「先輩って、かなりコーヒーのこと詳しいですよね。お店の人みたいです」

「そうかな。でもまあ、コーヒーって奥が深いから追究しがいがあるんだよね」

「本当にコーヒーがお好きなんですね。まさか今日もコーヒー豆を持っているとは思いませんでしたし」

「いつも持ってるわけじゃないけどね。今日は空きコマにロースタリー、焙煎しているお店に行ったんだよ」

「そういうことだったんですね。あ、お湯が沸きましたよ」

 キッチンのケトルがカタカタと音を立てている。ケトルを火から下ろして冷ます。

「お湯は気持ち低めでいいかな。85℃くらいにしてもらえる?」

「了解です。この豆はお湯の温度が低くてもいいんですね」

「そう、これは苦めの豆だからね。温度が高いと苦みが出やすいんだよ」

「なるほど、勉強になります」

 温度計が86.3℃を示す。そろそろだ。

「ねえ、今日は佐藤くんが淹れてみない? せっかく自分のを買ったんだし」

「え、いやいや俺は先輩みたいにできませんから」

「いいじゃん、俺も教えるし。せっかくだからさ」

「うーん、じゃあ頑張ってみようかな……あ、85℃になりましたよ」

 スケールにサーバーやドリッパーを乗せてからスイッチを入れる。このスケールは重さだけでなく時間も計れる優れものだ。

「じゃあ、淹れてみようか。まず時間の方のボタンを押してから、お湯を30g注いで。焦らなくていいよ」

「は、はい」

 少し震える指でボタンに触れ、それからケトルを持つ。ゆっくり、円を描くようにお湯を注ぐ。緊張からか、ケトルをうまく動かすことができない。注ぎ方にムラが出そうだ。それに30gだけ注ぐなんて難しすぎる。

「30秒になるまで蒸らしたら、また同じ量お湯を注いで」

「は、はい」

 お湯を注ぐことに集中すると時間を忘れてしまう。ケトルを持ったり、秒数をみたり、なんだか忙しくて余裕がない。先輩はもっと慎重かつスマートに淹れていたのに。

 結局焦りながら淹れたものの、あらゆる行程でもたついたせいで予定より時間がかかってしまった。

「ちょっと抽出に時間がかかっちゃったね」

「そうですね、すみません。うまく淹れられなかったです」

「いや、初めてにしては頑張ったよ。飲んでみようか」

 完成したコーヒーをサーバーからふたつのカップに移す。祖父が存命だったころよく使っていた、白い地に水色の薔薇の模様があしらわれているカップだ。注がれたコーヒーは黒々としていて、深淵のよう。

「じゃあ、いただきます」

 緊張と恐ろしさと、少しの期待がないまぜになったまま、カップのふちに口をつける。口腔内に熱い液体が流れ込んでくる。

「あ、にが……」

 口のなかが苦みで占領される。泥を口に含んでいるような気分だ。香りと苦みを引き金にして昔の記憶が引き出される。明るいリビングにいる母と父。ふたりはコーヒーを飲みながら楽しそうに会話をしていた。明確な大人と子供の境界が、見えない壁がそこにあるような気がして、幼い頃の私はそこに踏み込めなかった。両親が大好きで、いつも一緒にいた。それでも、コーヒーが現れるとたちまち子供の私は自分が透明人間になったような気分になるのだ。

 ああ、コーヒーは苦い。苦いのだ。私のような、まだ大人にもなれない十八歳の少年が踏み込んでいい領域ではなかったのだ。私は初めてコーヒーを飲んだときから何も成長してはいない。私は未だ子供のままで、コーヒーに羨望と嫉妬を向けるだけなのだ。

 苦くて、苦しくて、寂しくて、悔しくて、私の目からは大粒の涙が零れていた。彼の前で泣くなんて恥ずかしいと感じていても、そんなことお構いなしに涙は出る。手で顔を覆っても、指の間から決壊したダムのように涙が溢れてくるのだ。

「ちょっと、大丈夫? 苦かった?」

 彼は慌てて私の顔を覗き込む。滲む視界では彼のこともよく見えない。

「ああ、うわあぁぁぁぁ………」

 声をあげてみっともなく泣いた。途中から自分がなぜ泣いているのかも、わからなくなった。ただ、ひたすらに目からは水が流れ、私は悔しかった。



 カップのコーヒーはすっかり冷めていた。瞼は腫れて重くなっている。彼は水を注いだグラスを私に手渡した。氷が入っているから冷たくて気持ちがいい。顔に当てると火照った頬の熱が引いていくのがわかる。

「その、ごめんなさい。急に泣いたりして。自分でもよくわからないんですけど……」

 彼は黙ってソファの私の隣に腰を掛ける。

「亡くなった両親が好きだったんです、コーヒー。夕食前に先輩に見てもらったものも、両親の使ってた道具なんです」

「そっか、それでコーヒーに興味を持ったの?」

 彼の声は、子供に話しかけるときのように優しくて甘い。その声で私は次第に落ち着く。

「そんなところです。でも、コーヒーを好きにはなれなさそうです。苦いし」

「そうだね、さっきのは苦かった。抽出に時間をかけ過ぎたからかな。もともと苦めの豆だったし。でもね、淹れ方を変えれば味も変わるんだよ。もっと爽やかにも、甘くもなる。全く違う味でびっくりすると思うよ」

「そうなんですね……でも、俺は……」

「ちょっと待ってて。さっきのコーヒー豆でもう一回淹れてくるね」

 そう言うと彼はキッチンへ向かい、コーヒーを淹れる準備を始めた。彼はこの家の客人なのに、家主のようにてきぱきとお湯を沸かしてコーヒーを淹れている。その後姿がやけに愛おしく見えた。泣いて心が弱ったからだろうか。優しくて、物知りで、頼もしい先輩。その背中が私を呼んでいる気がして、そこに触れたくてたまらないのだ。そんな気持ちをぐっと抑えて、ただ背中を黙って眺め見る。

 しばらくすると、コーヒーの芳香がふわりと香ってくる。初めて彼と出会ったときのような、香ばしい空気が部屋を満たした。彼はカップをふたつ携え、キッチンから戻ってくる。

「飲んでみて」

 渡されたカップの中身は黒くて、部屋の明かりを反射している。おそるおそるゆっくり口を近づけて、飲んでみる。

「あ、違う」

 さっきのような苦みはなく、まろやかで甘い。全く別物だ。

「大丈夫そう?」

「はい、これなら飲めそうです。おいしい……」

「それはよかったよ」

 彼は安堵したようにほっと息を吐いてから、自分のカップに口をつける。それから、頷きながら恍惚の表情を見せた。

「うん。我ながらいい出来だ」

 コーヒーは奥深い。両親も彼も虜になるほどに。それでもコーヒーは苦い。私はやっぱりコーヒーが好きではない。でも、好きになりたい。コーヒーを理解したい。そんな欲が心の底から湧き上がってきた。

「先輩。俺、コーヒーのこと好きになりたいです。だから、その……手伝ってもらえませんか?」

 彼は少し驚いたあと、にこりと笑った。

「うん、そうだな。可愛い後輩の頼みだ、なんでもするよ」

「ありがとうございます」

 ふたりで淹れたてのコーヒーを飲む。なんて幸せな時間なのだろうか。このまま時が止まってしまえばいい。

 私は彼が好きだ。それはどういう意味での好きか、まだはっきりとはわからない。親と重ねて彼を見ているから好きなのか、大学で初めてできた信用できる人だから好きなのか、彼の厚意に甘えているから好きなのか。家族愛も友愛も恋愛もまだわからない、子供じみた私。でも、彼を愛していることだけは確かだ。

 今の私は寂しくない。コーヒーに嫉妬する必要もない。だって、彼がいるのだから。またふたりでコーヒーを飲めばいいのだから。

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