第9話

Chap.9


 学校に戻るリオを温かい日差しの降り注ぐ前庭まで見送りに出た後、エルザと俊と春花は家の横にある小さな木戸を通り、チューリップやヒヤシンスが賑やかに咲いている花壇に縁取られた細い道を歩いて、家の裏手にやってきた。広い芝生の向こうには小さな船着場があって、湖がキラキラと輝いている。

「リオの学校は近いんですか?授業に間に合うといいけど」

 俊が言うと、エルザは微笑んだ。

「リオはメッセンジャーだから、必要な場合は自分の『ドア』を使うことが許されてるの。つまり瞬間移動みたいなものね」

「へえー!」

 二人は異口同音に言って目を丸くした。

「もちろん、メッセンジャーがみんなそんなことをするわけじゃないのよ。とっても難しい技術だから。でもリオはできるんだと思うわ。そうじゃなかったら一緒におやつを食べたりしなかったでしょうから」

 リオってやっぱりすごいんだ…。改めてそう思った春花に応えるようにエルザが頷いた。

「リオは稀に見る力の持ち主ね。史上最年少のメッセンジャーなのよ。うちのアリもメッセンジャーになりたいって頑張ってた時期があったんだけど、諦めて医学部に進んだわ。メッセンジャーになるのって難しいのよ」

「アリ?」

「息子よ。アリステア。今年二十一になるの。勉強と病院での研修で忙しくてうちにはほとんど帰ってこないけど、花祭りのお休みには帰ってくるわ」

 その時、家の方でリリーンとベルが鳴り響いた。

「あら、誰かしら。ちょっとごめんなさい」

 エルザは小走りで家の方へ戻っていった。

「二十一歳のお兄さんだって。ユマと随分離れてるのね」

「そうだな」

 気持ちのいい風が湖の方から吹く。周りの木々がさわさわと親しげな音を立てて揺れる。柔らかい緑の間から見える湖の煙るような青。あちこちにちらほらと咲いているピンクや白や黄色の花。美しい春の絵。

「…お父さんがあんなふうに絵が描けるなんて、ちっとも知らなかった」

「俺も。…って当たり前か。ルカが知らなかったんだから」

「どうしてだろう。どうしてお父さんは隠してるんだろう。絵本のことも、ヴァイオリンのことも」

「さあ…。ヴァイオリンのことは、わかる気がするよ。あんなこと言われたら…。きっとすごくすごく辛かったんだろうと思う」

 俊が自分も辛そうに眉をしかめた。

「そうだよね…」

 大学受験の前だから、高校生か。

 その先生だか誰だかにそんなことを言われて、高校生だったお父さんは音楽の道に進むのを諦めた。どんなに辛かっただろう。かわいそうだな…。

 でもお父さんが音楽の道に進んでいたら、もしかして私は生まれていなかったんだろうな。ハルも。

 そう思ったら、なんだか胸の背中側が変なふうにぞわぞわした。

 もしかしたらハルに会えなかったかもしれないんだ。

 でももしお父さんが音楽の道に進んでハルが生まれていなかったら、ハルは車にはねられて死んだりしなくてすんだ。

 そして私も生まれていなかったら、こんな悲しい思いも辛い思いもしなくてすんだ。

 でも…じゃあそれってどういうことなんだろう。生まれなかったら、ってことは、どういうことなんだろう。生まれなかったら、私はどこにいたんだろう。いや、生まれなかったら「私」はそもそも存在しないんだから、どこにいたもなにもないわけか…。それってどんな感じだろう。存在しないって、どんなことなんだろう…

 目の前で手が振られた。

「おい、どした?」

 我に返って見上げると、すぐ近くに俊の顔があった。目と目が合う。

 なぜかどきっとした。

 どきっとしたのを知られたくなくて慌てて説明する。

「ううん。あのね、お父さんが音楽の方に進んでたら、ハルも私も生まれなかったんだろうなあって思って…」

 そうしたら、俊ちゃんにも会えなかった。 

 俊ちゃんは他の誰かと幼馴染になって、仲良しになってたんだ…。

 俊が何か言いかけた時、

「春花、俊、」

 呼ばれて振り返ると、居間のフレンチ窓からエルザが出てきたところだった。長い黒髪のほっそりとした女の子と一緒だ。グレイに黒の曲線が入ったセーターにブラックジーンズ。長い脚。姿勢が良くて歩く姿が美しい。目尻の上がった大きな黒い目。微笑みを浮かべた口も大きい。

「こちらはメラニー。別れた夫の姪よ。こちらは春花と俊」

「よろしく」 

 握手をしながらメラニーはダークレッドに塗られた唇でくっきりと微笑んだ。背が高い。俊とあまり変わらないくらいだ。

「かわいいセーター」

 春花のセーターに目を止めてにこりとすると、今度は俊に向かって

「何歳?」

「十四」

「へえ、私は十五。中学校?」

「うん」

「私も。ほとんど行ってないけど」

「そうなの?」

「そう。私はね、ダンサーになるの。私にとってはダンスの練習の方が学校なんかよりずっと大事だもの」

 そう言って、メラニーはふわりとターンしてステップを踏み、優雅なポーズを決めて俊に斜めに微笑んでみせた。

 エルザが眉をしかめる。

「今は練習してないんだから、学校に行く時間はたっぷりあるでしょ」

 メラニーの表情が固くなった。

「練習はしてるわ。リハビリも。これでも毎日忙しいのよ。今日もこれから先生のところに行くの」

 そして微笑んで俊を見つめると、

「また来るわ。今度あなたのこと色々聞かせて」

 次に春花ににこりとして、

「会えて嬉しかったわ。またね」

 くるりと身を翻し、軽やかな足取りで去っていった。

 メラニーの姿が家の角を曲がって横手の小道の方へ消えると、エルザがため息をついた。

「相変わらず好き勝手やってるようね」

「ダンスって、バレエですか」

 俊が訊く。

「そう。小さい頃からバレエに夢中でね。才能があるなんて言われたもんで、親も後押しして何よりもバレエを優先させてたの。それが去年怪我をして。詳しいことは知らないけれど、背中を痛めたって聞いたわ。初めて大きな舞台で主役をやるはずだったのができなくなって、自殺するだのなんだのって大騒ぎしたらしいの。今は落ち着いてようやくきちんと学校に通い出してるかと思ったら、まだあんなこと言ってるなんて。親は一体なにやってるのかしらね」

 辛辣な口調に驚いている二人に気がついて、エルザはちょっと苦笑した。

「私はね、ああいうのには賛成できないのよ。いくら才能があるって言われたからって、小学生の頃から学校にもろくに行かないでバレエばかりやるなんて。何か好きなこと、打ち込みたいことがあるのはいいわ。でもバランスというのは大事だと思うのよ。学校生活も勉強もちゃんとするべきだと思うの。なのに親がそう諭すどころか、あんなふうに好き勝手させて。プロのダンサーになれるという保証はどこにもないのに。なれなかったら一体どうするつもりなのかしらね。困るのはあの子なのに」

 俊が気がかりそうな表情で、

「学校に行かなきゃいけないって、法律で決められていたりはしないんですか」

「いいえ。家で教育を受けるという選択があるのよ。大抵の子供たちは普通に学校に行くんだけれど。家できちんと教育が受けられているかチェックするための試験が一応あるんだけれど、まあ、あってないようなものらしいわね、あの子がパスできたんだから」

 エルザは腹立たしげにため息をついてから、申し訳なさそうに微笑んだ。

「ごめんなさいね、こんな愚痴聞かせちゃって。バレエスクールがここの近くだから、たまにああやってふらりと立ち寄るのよ。あの通り好き放題やって育った子だから、わがままだし、ちょっと付き合いづらいかもしれない。無理して一緒に時間を過ごしたりしなくていいのよ。ユマもあの子が来るとさっさと自分の部屋に行っちゃうの」

 わかるような気がする、と春花はこっそり思った。私もああいう子はちょっと苦手だ。

 さっと一陣の強い風が吹いて、緑の枝たちがざっと揺れた。

「寒くない?」

 エルザが二人を気遣う。

「大丈夫です。向こうと同じくらいの気温だし」

 そう思わない?と俊が春花を見る。

「うん、おんなじくらいだと思う。藤も満開だし」

 少し離れたところにある藤棚を見る。豪華に咲き誇る花たちの間を飛び回る大きな蜂たちの羽音がここまで聞こえてくる。セーターを着ているし、日向を歩いたら汗ばみそうだ。

「そういえば…ちょっと気になってることがあるんです」

 俊がエルザに目を向けた。

「おじさんは…春花のお父さんは毎日こっちに来てたんですか」

 エルザは首を振った。

「いいえ。試験があるなんて時は二日三日来ないことだってあったし…」

 言いかけてエルザはにこりとした。

「どれくらい間が空いたら忘れてしまうか心配なの?」

「はい」

「それはわかっていないのよ」

「でも、一度忘れてしまってから、子供たちのおかげでまた思い出して戻ってこられた人達がいるって聞きました。そういう人達で…例えば日記をつけていた人がいたとしたら」

 エルザは目を細めて頷いた。

「ああ…そういえば確かに過去には何人かそういう例があったと聞いたことはあるわ。日記をつける習慣を持っていた。数日こっちに来ないうちにこっちのことを忘れてしまった。数日前の日記を見返したら、わけのわからないことが書いてあって一体どういうことなんだと悩んだ、みたいなことは。そういう人達だと、昔の日記を調べてみて、大体何日こっちに来なかった時点で忘れてしまったらしい、ということがわかる例もあったらしいけど、統計を取れるほどたくさんの事例があったわけじゃないし、ケースバイケースとしか言えないみたいだわね」

「そうですか…」

 俊はため息をついた。

「それを、つまり、この世界のことを忘れてしまうっていうことを防ぐ方法みたいなことって、こっちで研究されたりしてないんですか?例の、ええと、魔法発明学者たちとかは、そういう薬なんかを発明したりしないんですか?」

 エルザはちょっと寂しそうに微笑した。

「向こうの世界の人たちがここのことを忘れてしまうということは、つまりその人たちにとってこの世界がもう必要ではないからだ、というのが昔からの一般的な解釈なのよ。子供がお人形やおもちゃで自然と遊ばなくなるように。それを無理矢理つなぎ止めようとするのは自然に反することでしょう」

「人形やおもちゃ…」

 俊が納得できないというように呟く。

「もちろん、私たちだって忘れられてしまうのは悲しいわ。でもね、仕方のないことだもの。昔々からずっとこうだったのだから。やっぱり二つの世界を行き来して生活するということには、どこかしら不自然なところがあるのじゃないかと思うのよ。自分の世界で幸せに暮らせるのが一番なんだと思うの。もちろん、二つの世界、あるいは複数の世界に属して生活することが自然であったり必然であったりする人たちも中にはいるわ。でもそれは少数派マイノリティなのよ」

少数派マイノリティか…」

 俊は唇の端をきゅっと上げた。

「僕も少数派マイノリティになりたいです」

 きらきら光る湖を背景にした横顔に、春花は一瞬目を奪われた。

 俊ちゃん、なんだか…素敵…。

 そう思った途端、俊が春花を斜めに見下ろした。目が合ってどっきりする。俊はいつものようににこりとして、

「そういう歌詞があるんだ。『I wanna be the minority』って。ぴったり」

「そ、そうなの」

 なんだかどぎまぎしてしまって、意味もなく右肩から下げていたミニリュックのストラップに手をやったところで、春花はあることを思い出した。

「あ。写真」

 急いでリュックを開けて小さなアルバムを取り出してエルザに渡す。

「まあ!」

 最初のページを開けたエルザは、大きく微笑んで涙ぐんだ。 

「これは春花ね?」

「はい」

 一枚目は、赤ちゃんだった春花を抱っこした、まだ若いお父さんの写真だ。お母さんが春花のいう「紙の写真」が好きで、春樹と春花にもそれぞれのアルバムを作ってくれている。自分のアルバムから、お父さんの写っているものを何枚か選んで、携帯用の小さなアルバムに入れて持ってきた。

「まあ…すっかりお父さんの顔になって…」

 ページをめくりながら、エルザが目を細める。

 春花にとってはお父さんは最初からお父さんだったから、そう聞くとなんだか妙な感じがするけれど、そんなものなのかなあと思う。「すっかり大人になって」じゃなくて「お父さんの顔になって」というのがおもしろいなと思った。

「…懐かしいわ…」

 エルザは「あらあら」とか「まあ」とか言いながら、ゆっくりとページをめくっていったが、最後の一枚を見て滑稽なほど目をまん丸にして声を上げた。

「まあ!潤にそっくり!」

 昨年家族でキャンプに行った時の写真だ。ファイヤースターターを使って火を起こそうとしている春樹と、それを見ているお父さんと春花が写っている。ちょっと眉を寄せて手元を見つめている春樹の横顔。

「…そうですか?」

 春花と俊の訝しげな顔を見て、エルザが笑った。

「昔の潤に、ね。あとで私もアルバムを出してくるわ。潤の昔の写真がたくさんあるから」

 アルバムを春花に返しながら、エルザはしみじみとした微笑みを浮かべた。

「ありがとう。潤の『その後』が見られて…こんな嬉しいことはないわ」

 春花はふと思いついて、受け取ったミニアルバムをもう一度差し出した。

「よかったら、フランツにも見せてあげてください」

「まあ、ありがとう!フランツが喜ぶわ」

「メッセンジャーは向こうの世界に自由に行かれるんでしょう?メッセンジャーに頼んで、人の消息を調べてもらったり、写真を撮ってきてもらったりしないんですか?」

 俊が軽い口調で尋ねると、エルザはショックを受けたように目を見張った。

「まさか!そんなことはできないわ。それじゃまるでスパイしているのと同じだし、盗撮でしょ」

「ああ…なるほど…」

 俊は神妙に頷いた。春花はなんということをと言わんばかりのエルザの言い方にちょっとびっくりした。

 そんなに悪いことなのかなあ。昔の友達がどうしているか知りたいっていうだけなのに…。まあ言われてみれば確かにスパイ行為だし、盗撮だけど…。でも、仲のいい友達なんだし…。

 ふと思いついて訊いてみる。

「向こうの世界には、メッセンジャーだけしか行かれないんですか?」

「ええ。そういう決まりなのよ」

「決まり?」

 俊がたちまち反応した。

「技術的に無理、ということではなく?」

「もちろん技術的にも難しいことよ。誰にでもできることではないわ。でも例え技術を持っていても、向こうの世界との行き来はメッセンジャーにしか許されていないの。例えば、フランツは大使になる前メッセンジャーだったでしょ。だから向こうとの行き来をする技術は持ってる。でももうメッセンジャーじゃないから…」

「ちょっと待ってください。フランツはメッセンジャーだったんですか?!」

 目を丸くして遮った俊に驚いたようにエルザも目を丸くした。

「そうよ」

「いつ……ああ…」

 俊が何かを思い出したように呆けた顔をした。

「…そうだった……僕たちを向こうに送ってってくれたんですものね…」

 春花は懸命に頭の中を探ってみたけれど、やはりそのことについては何も思い出せなかった。

 そうだったのか。フランツもメッセンジャーだったんだ……え?

「で、でもじゃあ、フランツはメッセンジャーだったんだから、いつでも向こうの世界に行かれたんでしょう?お父さんに会いにいったりしなかったんですか?」

 エルザがかぶりを振る。

「メッセンジャーは仕事でしか向こうに行かれないの」

「仕事以外で向こうに行くのは法律で禁止されてるってことですか?」

「法律…というか、そうね、そういう決まりなのよ」

「それ、破ったらどうなるんですか?刑罰を受けるんですか?」

「そうね、そうだと思うわ」

「……」

 エルザの、よく知らないけど、というような口調に二人は戸惑った顔をちらりと見合わせた。

「つまり…フランツは、会おうと思えばいつでも春花のお父さんに会えたのに、決まりを破りたくないから、会いに行かなかった、っていうことですか?」

 俊が確かめるように言う。

「ええ」

「でも…それ、決まりを破ったら、すぐに誰かに、政府とかに、バレちゃうんですか?」

「さあ…それは私にはわからないけど、でもね、そういう問題じゃないのよ」

 エルザはふと昔を思い出すような顔をして微笑んだ。

「…そう、そういえば、前にフランツも潤におんなじことを説明してたことがあったっけ…」

 そしてちょっと首を傾げて二人を見ると、言葉を選ぶようにゆっくりと言った。

「あのね、世界と世界の間を移動するっていうのは、ここでは…なんていうのかしら、特別で、大切なことなの。みんなが大切に思っていること。一種神聖なことですらある。人々がみんな敬意を払っていることなの。だから、世界間の移動に関する決まりごとというのは、破ってはいけないもの、というか、破るなんて考えることすらできないくらいのものなのよ。罰が重いからやらないとか、バレないようにやれば大丈夫かもしれないとか、そういうふうに考える類のことではなくて、大切だから守りたい、って思うの。わかるかしら」

 春花はちょっとためらいながら曖昧に頷いた。はっきりわかった、とは言えない。今聞いた言葉たちがまだ頭の中で落ち着かずぐるぐると回っているような感じ。俊も少し困惑したような顔で、それでも生真面目に頷いた。

「なるほど…。世界と世界の間を行き来できるからって、軽い気持ちで遊びに行ったりするわけじゃないんですね」

「そうね」

 俊はちょっと残念そうにため息をついた。

「そうか…。それじゃ、リオが言ってたもう一つの別の世界にもほいほい出かけていったりしないんだ」

 エルザがにこりとした。

「そう、私達はね。でもあなた達はお客様ですもの。リオと一緒に行って来るといいわ」

 俊の顔がパッと嬉しそうに輝いた。

「ほんとに?行っていいんですか?」

「もちろんよ。それに『失くしたものたちの世界』だったらリオと一緒でなくてもいつでも行かれるんだし」

「『失くしたものたちの世界』?」

「あら、まだ聞いてなかったのね。失くしたものたちに会える世界があるの。そこはこの世界に属している世界だから簡単に行かれるし、私たちも…」

「失くしたものたち、って…」

 掠れ声で春花は遮った。しゃっくりのように喉が詰まってごくりと鳴った。

 まさか。

 まさか。

 エルザは労わるような目をして春花を見た。

「人ではなくて、物ね。失くしてしまった物たち。昔大事にしていた絵本とか、おもちゃとか、ぬいぐるみとか、ネックレスとか、帽子とか」

 身体の力が抜ける。

 そっか。そうだよね、やっぱり…。

 亡くなった人に会えるなんて、そんなすごいこと、ありっこないよね…。

「面白いですね、それ!行ってみたいな」

 気持ちを引き立てるように俊が明るい声を上げる。

「今行ってみる?歩いて五分くらいのところにあるわ」

「そんな近くに?」

 俊が誘うような笑顔で春花を見る。

「行ってみない?」

「…うん!」

 湖の照り返しのせいか、なんだかやたらと眩しい笑顔に頷いた。



 




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