第7話

 皆川は川内たちと分かれた後数分歩き続け自分の家に入っていった。

 約30階建ての高層マンションに入っていった。

 とても現代を感じさせるハイテクっぽいマンションだった。それに入った後もつけていくと、25階までエレベーターで行き自分の部屋に入っていった。

 

 そうか、ここに住んでるのか。高そうなところだな。

 よし、瞬間移動で家に入って内部を確認するか。

 俺が瞬間移動で中に入ろうとすると世界が一気に白黒になった。

 だが、俺は反応することが出来ず瞬間移動を発動させた。すると、皆川の家の中も白黒だった。 

 家にいる皆川と、定かではないが皆川母と皆川兄がいた。しかも、完全に動きが止まっている。息もしていない。皆川兄だと断定できたのは父にしては若すぎるのと、この時間は仕事に行っているはずだからである。

 顔は調べていないが、皆川がどういう家族構成をしているのかは調べている。 

 父、母、兄、皆川だ。

 そんなことよりなぜこんな状態になってるのかを探らないとな。

 俺は周りに気配があるのかを探るとやけにキラキラしたオーラを見つけた。

 そっちに瞬間移動をするとそいつは皆川の家の前にいた。


「あれぇ~。誰だね、君は?」


 なんだ、こいつは?

 そいつに目をやると俺よりはるかに背が高く、恐らく地毛であるきれいな金髪をなびかせている。そのT-シャツの下にはよく鍛えられたムキムキの体があった。

 ちなみに男だ。


「お前こそ誰だよ、金髪筋肉野郎」

「初対面の人に厳しいねぇ~。後、質問に質問で返すなと習わなかったのかなぁ~」

「うるせぇ。質問に答えろ」


 やっぱりこの線は外せなかったか。

 俺意外の超能力者がいるということ。いや、そもそも俺だけが超能力者というのがおかしいのか。

 もし、本当にこいつが超能力者なら他にはどれくらいいるのだろうか。

 いや、考えても仕方ないか。

 

「いいねぇ~キミ。興味がわいてきたよ。じゃあ私から自己紹介といこうかな」


 ふぅ、と大げさにため息を吐くと俺の方を向くとしゃべり始めた。


「私の名前は、十六夜いざよい咲夜さくやだ。呼び方はなんでも構わない」

「…俺が知りたいのはお前の名前なんかじゃないが、今はそれでいい。次は、俺だな。渡辺正輝だ」

「わぁーお。地味ぃ~な名前でねぇ」

「これはお前がやったのか?答えないと、殺すぞ」


 十六夜を無視して、睨みつけながら質問する。


「怖いねぇ。でも、これは私がやったよ。それなのになんでキミは動けてるのはなんでかなぁ」

「そうか…そうか……。俺以外にもいたか」


 高速で頭を回す。

 だが、俺は別に天才というわけではない。だから、この状況で俺が導きだせた答えたはただ俺以外にも超能力者がいたという事実だけ。


「で、なんでだ」


 推測なんかで答えを導き出すより、というか導き出せなかったので普通に十六夜に聞くことにした。

 

「この子をつけてたんだよねぇ~。私は一週間に一人新鮮な女子を襲ってるんだよねぇ」

 皆川の隣の家を指しながら答える。

「…普通に犯罪を自白したな」

「キミが誰かに言うとは思えないからねぇ」

「ま、そうだな。興味がないからな。だが、この子は止めてもらえないか?」

 俺は皆川の家を指す。

「…キミはこの子の恋人か何かかね」

「いや、ただ獲物を横取りされたくないだけだ」

「でも、そうはいかないなぁ。私のボスの女なのでねぇ。私にはこの子を守る義務があるのだよぉ」

「だったら潰すまでだ」

「キミに私を潰せるかねぇ」

「俺はこの世の誰よりも強いと自負している」

「キミはまだ世界を知らないようだね」

「俺は学校だけで十分だ。それじゃあ、邪魔するなら殺すが、邪魔しないなら放っておいてやる。後、もう一つ。この時間を止めるのをやめてもらえるかな。ありがとな」


 俺が皆川の家に再び入ろうとすると十六夜に腕を掴まれた。


「非常に不本意だが、キミを殺さないといけないようだねぇ」


 その瞬間俺は瞬間移動で十六夜の後ろに回り込み、足に力を込め一気に飛び右腕を一気に十六夜の後頭部めがけて――――

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