第11話 平日の午前中の喫茶店 1

なんやかんや彼女はまともで以外にも戦力になり結局土日両方とも手伝って貰った。

調理以外は完璧にこなすので彼女を侮っていた。そういえば僕の知っている幼馴染も割と何でも出来事を思い出した。


そんなことを考えながら比較的暇な月曜日の10時頃、客がほとんどいない時間帯に、てか今日は誰もいない。まあ、土日大幅にプラスだったから、いいか。そんなことでボーっとしているとこの日のこの時間には珍しい客がやってきた。


「すっからかんだな。」

そんな風に誰もいない店内を見まわして常連のというか高校時代からの友人前田 修二が店内に入ってきた。


「昨日も来ましたよね。なんで平日に……ああ、もしかして会社クビになりましたか?」

誰もいないこともあり、そんな軽口を叩いた。


「違うは、休みを取ったんだ。君に相談をするために。この日のこの時間だったら誰もいないし、新しく雇ってたバイトの子もいないと思ってな。」


「相談とか嫌ですよ。めんどくさい。」


「君、他の客の相談とか聞いてるよな。酷いな?扱い。」

友人はそう言って少し叫んでいた。まあまあ人気のお悩み相談だった。


「まあ、分かりました。聞けばいいんですよね。はい、はい。はい、どうぞ言ってください。前田 修二君、君の相談は何ですか?」

まあ、聞かないわけもいかないし、まあまあちょうど暇だ。


「恋愛相談なんだが、昔いろいろあった高校の同級生の事が好きになって……」

なるほど、少し話が変わってくる。


「絶対に人選ミスってると思うが。もっと他に人がいるだろう。君友達多いんだから。じゃあ、おかえりください。」


「違うんだよ、分かってないな。君は思ったことをこっちの気持ちを全く考えずに言ってくれるだろう。俺は、昔、『君の顔って可もなく不可もないよね、あああと性格も、あとそんな風に自我がなく従うならやめた方が良いと思うよ』って言われたこと忘れてないからな。」

ああ、そんなこともあったな。


「まあ、あれは僕悪くないじゃん。むしろ僕は正義だったでしょ。でも恋愛相談ね。」

初恋を拗らせて、恋愛長く続かない男に聞くものでも無いが、まあ僕に聞きに来るって事はなんかあるんでしょ。


そう僕が言うと彼はこっちを見て

「まあ、それは、その通りだが。あの時の俺は最低だった。確かに、お前は悪くはないが言い方があったとは思うぞ。」

そう少し自虐気味に笑っていた。


「それはまあ一理ある。一つ聞いても良い?なあ、初恋の相手の生まれ変わりが現れたらどうする?」

ちょうど良いので聞いてみた。


「そんなロマンチックな事は無いだろう。最高じゃん。でこれは何の話」

こいつに聞いたのが間違いだった。


「気にしないでください。…じゃあ、相談に乗ればいいのか?」


「そう言う事。」


「ああ、そうだな。答えもある。前田 修二君、君の過去は変わらない、君はあのグループにいて見て見ぬフリをしていたのだから、あの頃の君は最低だったよ。だから今頑張ってマイナスの好感度をせめてゼロにすることでも目指すんだな。」

誰の事か察しはついていた。高校時代の事件である。有咲さん、どうしてるんんだろうか?なんか近いうちに、忙しくなくなったら喫茶店に来るとか言ってたけど、来ないって事は忙しくのだろう。


「無駄ですいませんな。それでねえ、空よ、誰が好きな相手か分かったのか?」

そう言う可もなく不可もない親友に


「僕に相談に来ていることで察しはつくし、なんか先生してるらしいね。まあさっさと帰ってください。」


そういうと彼はニコリと笑い。

「まだ、注文してないんだけど。それに相談料金は三品注文する事だったよな。さあ、相談の続きを始めよう。相談はまだ終わってない」

そう言って居座りを宣言した。まあ、面倒だが、混むまでは付き合ってやろう。


そんな中、ふと、今、自称幼馴染が何をしているんだろうかと少し思いながら、注文を受けた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る