第17話 女心

「ねぇ真祐なんかしたの?すごい目で見られてるけど。」

「実は…」

月曜日彼が教室へ入るなり、きららの親衛隊と思われる女子たちに睨まれた。

十和はその様子をみて不思議そうに首を傾げると、本人へなにかあったのかと訊ねれば真祐は苦笑いをしながらこの前あった出来事を話す。

「あー雅さんの告白を断ったからか。」

「あぁ、そもそもなんで俺なのかもわかんねぇし。」

冷たい視線を浴びつつも、2人は自分達の席へ移動すれば椅子に腰掛け話し始めた。

「もしかして野外学習の時じゃない?」

「あの時か。ただ運んだだけで惚れるもんなのか?女ってわかんねぇ。」

十和はこれまでのことを思い巡らせれば、真祐がきららを助けた時ではないかと伝えると彼は驚いた表情をして言葉を漏らした。

「どうせ貴方にはわたくしのことなんか分からないでしょうね。」

「げっ、雅…」

急に他の人物の声がして、二人が視線を向けると

きららが怒ったような表情で真祐を見ているではないか。

どうやら彼らの話し声が聞こえていたようだ。

「那雪さん、彼をしっかりとしつけておいて下さいます?」

そして十和の方へ向き直れば、まるで保護者に言うかのように言葉を発すると自分の席へ戻っていく。

「ったく、姫海といい雅といい女心って…」

「男性と女性の考えた方は違うからね。でも相手を分かろうとする気持ちが大切なんじゃないかな。」

きららが立ち去れば、真祐は困った様子で大きくため息をついて呟く。

彼にとって女性の心理を理解することは難しいのだろう。

それに対し十和は、自分なりに分析した意見を述べると励ますように真祐の肩をぽんと叩いた。


果たして真祐は女性達に今後寄り添うことができるのだろうか?






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