第12話 告白

野外学習が終わって数日後、怪我をしたきららがやっと学校へ復帰した。

結愛はそのことを知ると、すぐさま彼女の下駄箱に手紙を忍ばせる。

“放課後、体育館裏に来てください。伝えたいことがあります”と。

そしてその時はついにその時はやってきたのだ。


「姫海さん伝えたいことというのは何かしら?」

「私、きららちゃんのことが好きです。」

先に待ち合わせ場所に来ていたきららは相手が来れば、手紙について不思議そうに訊ねる。

すると結愛は大きく深呼吸をし、手に持っていたクッキーを差し出すと思い切って告白をした。

「え?私も貴女も女性でしょう?」

「そうだけど、でも私は恋愛対象としてきららちゃんが好きなの。」

その言葉を聞いた途端、彼女は顔を歪ませ不快感をあらわにする。

まさかこのようなことを言われるとは思ってもみなかったのだ。


「そんな風に思われていたなんて、気持ち悪い。」

相手の手を振り払えば、きららは冷たい言葉で言い放つ。

クッキーは無惨にも手から離れ地面に落ちてゆく。

そう、同性愛は誰でも理解できることではないのだ。

結愛は酷くショックを受けたのだろう。

胸が張り裂けそうな気持ちを抑えながら、ごめんと絞り出すように言うと足早に立ち去って行く。

その瞳には涙が浮かんでいるようだった。


「お前、ほんとブサイクだな。」

そこへ2人の様子を見ていた人物が現れ、きららへ向かって素っ気ない言葉を投げかける。

突然そのような発言をするとは一体何者なのだろうか?









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