第3話 学校行事

「はい、授業はじめるぞー!」

結愛がチャイムぎりぎりで着席をすると、先生がやってきて1限目の授業が始まった。


花凜は真面目に取り組んでいるようだが、彼女はというと上の空で授業に集中できていないようだ。

おそらくきららのことを考えているのだろう。


「おい、姫海ここの答えを言ってみろ。」

「は、はい!」

教師はぼーっとしている彼女を見つけると、唐突に問題を出した。

結愛は名前を呼ばれ立ち上がるも、答えが分からず困った表情だ。


すると、見かねた花凜がとっさに紙に書いた答えを見せる。

結愛はそれに気づき回答をすると、教師からぼーっとするなよと注意を受けるだけで済んだ。


そうこうしているうちに1限目が終わると、2限目から4限目は注意をされないようにと結愛も真面目に授業へ取り組む。


そして楽しい昼食が終わり、5限目は総合学習の時間である。

チャイムが鳴り生徒が着席をすると、先生がやってきた。


「はい、この時間は5月末に行く野外学習について話をするからな。」

教師がそう話せば、生徒達はテンションがあがりメンバーはどうなるかなどと騒ぎ始める。

「お前ら楽しみなのは分かるが、静かにしろー!」

先生がすぐ注意をすると、教室は一斉に静まり返った。


「で皆が気になっている野外学習のメンバーだが、他のクラスと混合で私達がメンバーを決める。」

「えぇー!!!!」

「これは学校側での決定事項だからな、当日まで楽しみにしとけ。」

教師の発言にまたクラス内が一時的に騒がしくなる。

生徒たちは他のクラスと混合だとは思ってもいなかったのだろう。


「クラス混合ってことはきららちゃんと一緒になれるチャンスがあるってことだよね!?」

「うん、一緒になれるといいね。」

皆は残念がっているようだが、彼女は違うようだ。隣の花凜へ目を輝かせながら嬉しそうに話をしているではないか。


しばらくして、先生が野外学習のパンフレットを配り詳細を説明しようとすると生徒達は一斉に静かになった。


果たして、結愛はきららと同じ班になれるのだろうか。

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