第12話 女子トイレ

「で、この話には続きがあるらしいんだけど…」

「続きがどうしたの?」

「その“続き”がね、誰も知らないのよねー?

変でしょ?この広い学校で誰もこの噂の続きを知らないなんて……何か意図的じゃない?」

確かにココの学校の生徒数は、450人その450人の内誰もがこの話の続きを知らないとなると……

「ってか、箸止まってんじゃん!ヤバいヤバい、お昼休み終わっちゃう!」

小百合の箸をすすめるスピードが早くなった。

「そんなに、急ぐと!」

「つ……つまった!!水!!」

ほら、言わんこっちゃない。



それから、私たちはお弁当を食べ終わり、お昼休みを堪能していたが、途中で小百合が部活の顧問の先生に呼ばれた為今は一人、正確に言うと“二人”?かもしれないが……死んでるから“二人”ってカウントしていいのか分からない…

せっかく、二人ったきりになったのだ、私は気になったことを千隼くんに話しかけた。

相変わらず中に浮いてるが……

「ねぇ、千隼くん…さっきの噂さ、何か怪しくない?」

「ああ、美味い話には裏がある的な感じだな…俺としてはとても気になる。正直言うと、また忍び込む気でいる。」

やはり、千隼くんも怪しいと疑っていたようだ。やはり、この手の話には首を突っ込まないことがよさそうだ。千隼くんは急に改まった顔をした。

「つんちゃん……もし良ければ俺と一緒に来てくれないか?」

「え?」

幽霊だし、一人で行けるんじゃ?

「それに……」

それに?

千隼くんは顔を赤くしながら喋った。

「その……“女子トイレ”だからなんかその…

幽霊だから見えないと思うけど、ヤバい事してる気になるから……一緒に来てくれないか?

昨日の今日で悪いけど……その、お願いします。」

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