第7話 お昼休み

キーンコーンカーンコーン

いつもの不協和音のチャイムが鳴り終えた。

「はい、今日はここまで次の授業までにはきちんと復習して下さいね。」

「起立、ありがとうございました!」

「「ありがとうございました」」



やっと、終わった!!

はぁ、苦手の教科だと嫌になっちゃうよ。

「紬ー!ご飯食べよ!」

「うん、分かったちょっと待って準備してくる」

そうしないと斜め上からの視線が痛いからね。

私は小走りで廊下にあるロッカーの所まで移動した。この場には誰もいない……ここなら話せる。

「千隼君、待ってくれてありがとう。

……視線は痛かったけどね。」

「ごめんごめんw。久しぶりの授業で退屈だったしな。で今から友達と弁当か?」

「うん、小百合と一緒に食べるの」

私は今までずっと小百合と一緒にお昼を食べててた。小百合と一緒だと何か気が楽で落ち着くから食べやすいのだ。


「そう言えば幽霊も何か食べることできるの?」

「さぁ、わかんねーから何とも言えねぇな。

実際、お腹は空かないしな。」

「ふぅーん」

「紬ー!遅いよ!時間無くなっちゃうよ!」

教室から小百合の声が聞こえくる。

少し長話しちゃったかな?


「今行くー!」

私は慌てて弁当をロッカーから取り出し小百合の所に移動した。

私達がいつもご飯を食べるのは学校の隣にある旧校舎の屋上である。旧校舎は大正時代から建てられた由緒正しい建物だが、建物の老朽化が進んでいる為、利用するのに危ない箇所があるため新しく“今”の校舎が建てられた。

まぁ、学校と旧校舎の行き来はとても簡単で、なんせ連絡通路が繋がっている。しかし、自由に旧校舎と行き来はできるが屋上だけは立ち入り禁止となっている。

それをいいことに私達は2年前、当時一年生の時屋上に不法侵入して、それ以来ここでお弁当を食べている。

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