第9話 魔女と勇者

「よーし!アリス!ダンジョンに潜るぞ!」

「頑張りましょー!」


…あ、そういや説明してなかったな

説明しないといざ本番で驚くだろうし伝えとこう


「前衛が色々あって仕事をしないから俺は前衛兼中衛だと思ってくれ」


そう、師匠はあれからカグアに付きっきりになってしまい、前衛としては機能しなくなったのだ


カグアさぁ、流石に邪魔過ぎるだろ…

マジで追放してぇ…


「うぇっ!?師匠って前衛もできるんですか!?」


そこ?いや、確かにこいつには俺が剣を使える事は伝えて無かったな


「まぁ、多少はな、とにかく、俺も攻撃魔術は使うがメインはお前だから、頼んだぞ?」

「分かりました!」


ーーー


今、俺のパーティーが潜っているのは学園最難関のダンジョンである【小竜の巣】だ


正直二人で攻略とか無理だと思ってたから行きたくなかったんだが…


カグアの馬鹿がゴリ押ししたせいで小竜の巣に俺達のパーティーが潜る事になった


いやさぁ…いくら子供でも最強種と名高い【竜】と戦うのは勘弁なんだけど!


つーかカグアも次代の勇者とか呼ばれてんだから後で見てるだけじゃなくて戦えよ!


そんでこのダンジョンのボス、それは…

【若竜】である


そう!【小竜】じゃなくて【若竜】!

ちゃんとドラゴンなんだよ!


はぁ…戦うの嫌すぎる…


「師匠、ドラゴンと戦って、生き残れたら、師匠に言いたいことがあるんですよ…」

「…そうか、じゃ、なんとか生き残らなきゃな」


ーーー


ついにボス部屋、そしてボス部屋に入った瞬間

俺は自分に撃てる最強の魔術を撃った


「四属性混合最上級魔術【バニッシュ】」


バニッシュにより翼が吹き飛ぶが…

まぁ、一撃で倒せないのはキツいよなぁ…


「四属性混合上級特殊魔術【ラヴァソード】」


ラヴァソード、一応俺の固有魔術だ

つーか俺の固有属性が【剣】だからこれくらいしか応用ができないんだよ…


これ一応二つ目の固有属性なんだけど一つ目は攻撃ができないからなぁ…


まぁ、無いだろうけど固有属性3つ目に賭けるしかないかぁ、畜生…


頼むからさっさと倒してくれよ…


…お!?

早速片目が吹き飛んだぞ!


流石俺の弟子!

それに今怯んでるから…


よし!良くやった!

アリスが俺の魔術の残留魔力を操作してもう一度バニッシュをぶっ放しやがった!


今度こそ身体の数割を消し飛ばしたから死ぬ…

まだ生きてるなぁ!


しかもアレはブレスの構え!

そうなれば前衛の俺がやるべき事は一つだけ…

あのブレスを受け切る事だよ!


亜流四源流:模倣剣【桜花】!


師匠のように、あらゆる攻撃を流す

無心でひたすら攻撃を受けて、流して、斬る!


…終わっ、た?

いや、俺の剣が、ブレスを、斬ったのか…!?


マジか、師匠の剣ヤバすぎでしょ…


ーーー


「カグア先輩!好きです!付き合って下さい!」


あー、はいはい、でしょうね、知ってた

流石に3回目は予想できてたわ


まぁ、それに単なる師弟関係だからこんなもんか

…にしても、カグアモテるなぁ


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