鬼灯を知らない子供たち

キミのその言葉に

とても驚いたんだよ

あゝこんな風にものは

その姿消して行くのかと


夏の始まるころ

明るく色付き始める

この日本で古くから

愛されてきた鬼灯ほおずき


ネットもマンガも無かった

昔の時代には

みんなみんな自然の中に

楽しみを見付けていたんだよ


おぼえてる覚えてる

夕暮れの鬼灯ほおずきいち

浴衣ゆかた姿の人の間に間に

咲き乱れた鮮やかな鬼灯ほおずき


その日も咲いていた

あの日も咲いていた

この素敵な花を

知らないってキミは言ったんだ



もしキミが鬼灯ほおずき

知らないとしたなら

鬼灯ほおずきでの遊び方も

もちろん知らないよね


花の中の実を取り出して

種を全部捨てて

頬に詰めて音鳴らすんだ

だからホオヅキって言うんだよ


おぼえてる覚えてる

マズい鬼灯ほおずきの味

だけどもそれがこれっぽっちも

イヤだとは思わなかったんだ


その日も遊んでた

あの日も遊んでた

このぼくな花を

知らないってキミは言ったんだ



こんな風にすべてのものは

遠く消え去っていくのかな

大切なあの人すらも

この胸の永遠のちかいまでも


んん……

寂しいね……



      †



🎦 https://youtu.be/yFxC0-djIOE

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