輝く日々を楽譜に乗せて

コンクールを直前にして緊張と不安でいっぱいになる僕。そんな僕を全力の笑顔で励ます後輩。
音楽とともに彩られる繊細な心の動きが美しい。

私は、そうだ、青春とはこういうものだよな、と思った。

吹奏楽の主役とは、一体何だろうか?
彼らにとって吹奏楽とは、楽器を弾き、音楽を奏でることだろう。しかし、私には、彼ら自身が輝いているように見えた。

──優勝が大事なんじゃない……楽しむことが大事なのだ──
そんなことは分かっている。しかし、彼らはひたむきに上を目指す。上を目指し、努力し、そして涙する。
夏に訪れる、爽やかな青春の一頁。

自分の青春とは一体なんだっただろう? 一番輝いていたのはいつだろう?
そんな回想を巡らせながら、読んでもらいたい一作。