第7話 物不足の王宮

 それぞれの武器をもらった僕たちはリオネル王女の進めであてがわれた部屋で休むことになった。

 そういえばかなり疲れた。

 それは異世界に召還されたために体が疲労しているのだとエウリュアレは説明した。



 僕が案内された部屋は質素だが清潔な部屋だった。

 ベッドに横になるとすぐに眠気がやってくる。異世界にやってきたはいいけど、僕はどうすればいいのだろうか。一抹の不安がよぎるが睡魔に襲われた僕は眠りにつくのであった。



 窓から入る日の光で僕は目をまさす。

 ノックの音がするのでどうぞと声をかけるとメイドさんが桶を持って入ってきた。

 メイドカフェの萌えメイドではなく、本物のメイドを見て、僕は感動した。

 黒いロングスカートが清楚で美しいメイドさんだ。

「こちらにおいて置きますね」

 そう言い、メイドさんは桶をおいて部屋を出た。ああっもうちょい見ていたかったな。

 桶には温かなお湯が入れられている。

 僕はそれで顔を洗い、一緒にメイドさんが置いていったタオルで顔をふく。

 さっぱりしたので食事が用意されているという食堂にむかう。



 食堂にはすでに七人の星たちセブンスターズが集まっていた。どうやら彼らはこれから渡された星霊器を使い訓練を始めるということだ。


 僕は一人、用意された牛乳の麦粥を食べる。

 あんまり、美味しくないや。でも食べないと元気がでないし。

「王宮の食事でこの程度のものしか出せないということはそれだけ物資が不足しているということだ。領土を九割も奪われ、物資も不足。本当にこの国は危急存亡にあるということね」

 僕の横に座り、声をかけるのはあの鷹峰霊華だ。うわっおっぱいがテーブルの上に乗ってるや。絶景かな絶景かな。

 そうか魔王軍に領土を奪われ、王都であるキャメロンはかなり貧窮しているのだろう。

 言わばアヴァロン王国は兵糧攻めにあっているということだ。

「一刻も速く他の都市を解放しなければアヴァロン王国は滅亡してしまうといことだ」

 鷹峰麗華がそうつけ足した。

「ほら、ついているぞ」

 そう言い、鷹峰麗華は顔を近づける。

 うわっ、間近で見る鷹峰麗華の顔は美人すぎる。

 青色の瞳がキラキラして思わす見とれてしまう。

 この世にこんなに顔が整っている人がいるんだ。

 鷹峰麗華は僕の頬についている麦の粒を指でとるとなんと食べてしまった。


「会長、そろそろ訓練を始めますよ」

 そう声をかけるのはまたもやあの眉目秀麗な渡辺蓮だ。


「チッ、いいところだったのに」

 鷹峰麗華は小声で舌打ちする。

「少年、またな」

 鷹峰麗華はそう言って、訓練場に出て行った。


 たいして美味しくもない麦粥を食べた後、僕も一応訓練場にむかう。

 僕の星霊器は羽ペンなので本当にどうしろというんだ。

 こんなので戦いどころか訓練に参加すらできないや。



 訓練場ではすでに模擬戦闘が始まっていた。


 結城涼と本田正勝がそれぞれの武器を手に模擬戦闘をおこなっている。

 剣と槍がぶつかりあい、火花が飛び散っている。風が舞い、炎が飛び散る。

 どうやらそれぞれの武器には各種効果が付与されているようで並みの武器ではないのが一目でわかる。



 渡辺蓮の素早い攻撃をなんなく鷹峰麗華は受け流す。

 鷹峰麗華の攻撃も凄まじく、床の石を砕いていく。

 真田雪が杖をふると巨大な炎が出現する。

 石川咲夜は飛ぶ鳥を射落とし、お昼はこれで決定と言っている。

 羽柴マリアは巨大な戦斧を軽々とかつぎ、結城涼と本田正勝の模擬戦闘に参加する。

 それは凄まじすぎる訓練でとても訓練とは思えない気迫があった。彼らも本気でこの国を救おうとおもっているのだ。

 こんなハイレベルな戦いにはついていけないや。

 

 僕は訓練場を出た。あのグループに僕がいてもよくて足手まといだ。

 そうだ、エウリュアレは魔女の館に来いと言っていた。どうせやることもないのでそこにむかってみるか。

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