第28話 結果発表


鏡の迷路が消えると、蒼とノアくん、レアちゃんの姿が見えた。

たくさん歩いたと思っていたけれど、3人は案外近くにいた。


「お待たせ!試練合格出来たよ!」


3人へ駆け寄る。

ノアくんとレアちゃんはニヤニヤしていて、蒼はなぜか困ったような顔をしていた。


「「おめでとう!!」」


ノアくん、レアちゃんはニヤニヤしながら試練の合格を祝福してくれた。


「いやー、良いもん聞かせてもらったな!レア!」


「私キュンキュンしちゃった!」


二人で顔を見合わせ、ニコニコしている。

レアちゃんなんて飛び跳ねてる。


「何の話し?

何かあったの?」


3人で何か話していたのだろうか。


「鏡の迷路、屋根はなかったよな?」


「密閉されてなかったわよね?」


屋根、、、そういえば鏡の迷路は上は塞がってなかった。


「そうだね?」


ニヤニヤしたレアちゃんが私に近づいてきた。


「ってことは、、、声は外にも聞こえるよね?

谷だからよく響いてたな〜!詩織の声!」


私の声、、、私なんて言ったっけ、、、。


「待って!違うの!

友達として!友達として好きって意味だからね!蒼!」


先程の私の自分の発言を思い出す。

思いっきり 蒼が大好き私 と告白のようなことを叫んでいる。


「わかってるよ。

試練合格おめでとう、詩織。」


焦る私とは対照的に、蒼はいつものように落ち着いていた。

穏やかな蒼を見て、私も気持ちが落ち着く。


「ありがとう、蒼。」


これから言おうとすることを考えると今度は心がザワザワする。

でも私と蒼にとって必要なことだと思うから。

私は勇気を出して話し始める。


「蒼、少し話せるかな?

今までのことと、これからのこと。」




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