過敏症〜始まり〜

薫ノ

第1話

声を聞けば、触れるくらいに感じる。

触れられたら、脳死する。


蚊に刺されるくらいに簡単に 感電する。

血は純潔の証。痛みは深く記憶に焼き付く。


波音も風音も痛く感じる。


あまり外に出たくない。


傷跡を見ると忘れた誰かを思い出す。


本はインテリア、読む事はしない。

ヒールの高さと同じで厚さに意味がある。


小さく囁いて


「もっと欲しい」と


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