第27話 14日目 2022年5月27日(金)

 朝4時に目覚める。昨晩は10時にベッドに入ったので、久しぶりに長い睡眠時間をとれた。天気予報は強い雨が降ると言っていたが、起きた時間では雨は降っていなかった。だが時間が下り、予報通りに雨が降り始める。今日は粗大ごみを回収してもらう日だけど、天気が悪い日のごみ収集って大変ですね。ご苦労様です。

 体温は36.1°。血圧は116/76 脈拍は74。特記すべきことは何もない。ただこうしてみると、朝の体温は比較的高めにでるが、昼の体温は低めに出る傾向があるようだ。昨日なんて、昼測ったら34.8°。ゾンビですか?というような体温であった。ゾンビが人間より体温が低いかどうかは良く知らないけど、なんとなく低そうな気がする。測り直しても35.2°。本来の病気と別の意味で心配になる。


 腸瘻をしている間、ベートーベンの6番交響曲「田園」を聴いてみる。子供の頃は良く聞いたけど、最近は滅多に聞かなくなってしまった。とてもいい曲なんだけど・・・。それとドボルザークの9番「新世界より」これも昔はよく聴いたものだけど、なぜか最近は聴かなくなっている。ベートーベンは4番、7番、8番を聴くし、ドボルザークは8番ばかり。どういう訳だろう。

*Beethoven Symphony No.6 in F major, op.68 "Pastoral"/No.8 in F major, op.93

Vienna Philharmonic Orchestra Hans Schmidt-Isserstedt

Decca 433-622-2

*Antonin Dvorak Sinfonie Nr.9 in e-moll op.95 ("Aus der Neuen Welt")

Wiener Philharmoniker Istvan Kertez

Bedrich Smetana Die Maldau aus "Mein Vaterland"

Israel Philharmonic Orchestra Istvan Kertez

Decca 417 678-2


 ハンス シュミット―インセルシュテットの指揮は主張が出過ぎず、といってしっかりとした構成が崩されることもなく、ウィーンフィルも指揮者に敬意を払ってか素晴らしいできであり、田園交響楽に関しては1,2を争う名演である。8番もやはり、同じく名演であるがこの曲に関してはいろいろなアプローチがあって、それぞれ面白いので留保しておこうか。

 そういえば「田園交響楽」と言えば中学生の頃、「標題音楽」という言葉を習ったのを思い出す。その時は「田園」は標題音楽の嚆矢こうしみたいな言われ方をしていたが、今では絶対音楽に分類されているという話もある。僕としては、単純に「作者が標題をつけたならそれが標題音楽」でいいのではないかと思っているので「田園」は標題音楽で良い、逆に「運命」や「英雄」は違う、という事でいいのではないか。

 鳥の鳴き声、嵐、平穏さ、音楽の中に田園の景色が広がる曲なのだから。そう・・・ドイツの懐かしい景色、ちょうどロマンテック街道のあたりを走るとこんな景色が見えてくる。

 ケルテスによるドボルザークの「新世界より」もウィーンフィルの演奏でこれもこの曲の1,2を争う名演だと思う。ドボルザークのどこか土臭い曲想をケルテスとウィーンフィルが見事に浄化している。アンチェルやノイマンみたいなスラビックな演奏もいいし、カラヤンみたいにブラームスのような調子に仕上げるのも悪いとは言わないが、何度聞いてもこの演奏に勝る演奏はない。ものすごく丁寧に、繊細に弾かれたフレーズはどこを切り取っても美しく切ない。不幸にして若くして水死してしまったこのハンガリー出身の指揮者は生きていればどんな名指揮者になったであろうか?個人的にはN響に来て欲しかった指揮者である。(彼に関しては可能性はあったと思う)


 昼前、雨は激しく降っている。

 ベッドを頼んだ家電量販店から電話があって、明日配送予定の電動ベッドの納期が一週間ずれるという。納期が契約の重要な要素であることを全く理解していないお気楽な電話を配送前日にしてくる。納期も守れない会社なら販売を辞めてほしい、と思う。電機関係はどこにしても同じだからまとめて同じ会社で買った方がいいと思っていままで我慢してきたが、以前のWIMAXの契約(プロバイダとの本契約を解消したのにちゃっかり販売先の契約を残して口を閉ざしていた)もあったし、そろそろ見直した方が良いかもしれない。

 特に電動ベッドのような商品はこっちも健康上の都合というのがあって、できませんから遅れますなんて平気で行ってくる会社では困る。こうやってダメな会社になっていくんだろうなぁ。家電量販店でどこかまともな会社があるだろうか?それとも量販店を避けた方がいいのだろうか?

 悩みどころだが、ベッドをこういうところから買おうとした自分が不明なのかもしれない。もしかして売れ行きが好調なのかと思ってほかの店の在庫状況を見たら、在庫ありばっかりで・・・ほんとうにがっかりだ。


 昼過ぎになって雨が上がったので目黒へ行ってみた。途中のコンビニで実家の固定資産税の一期分を支払う。母が他界して1年余り・・・。僕がガンに罹ったと知ったらずいぶん心配しただろうからその意味では良かったかもしれないのだけど、そういうことを考えだすといろいろと複雑な思いがする。しかし、そろそろ実家をどうするかを決めなければならない。一か月ほどは行っていないし・・・。

 夕食は鮭の焼いたのと、ひきわり納豆、ほうれん草のお浸しと純和風にしてみた。老人が好みそうな献立。だが何が悪かったのか喉に閊える。ご飯は半分諦めて仕方なく捨てる。こういうところは精神的にも肉体的にも少なからずダメージがある。夜の体温は35.2℃、血圧は104/61、脈拍が74。

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