人落ちマンション

星野 未来@miraii♪

【 プロローグ 】


 ベランダにあるスノードロップの蕾に触れると、人が落ちていった。


 一瞬のことだったが、31歳になった私の脳の海馬に、その姿がタイムラプスのように鮮明な画像として何枚も記録される。


 人は落ちる時に、あんなにも手足を広げてもがくんだと知った。


 死にたいはずなのに……。



 今月でもう、三人目。


 このマンションも有名になった。



 『人落ちマンション』として……。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る