第5話

1533年 「グリニッジ宮殿」

現在のロンドン市内のグリニッジパークにあり、

「ハットフィールド宮」と違って現存していない


9月7日にエリザベスが生誕した場所であり

母アン・プーリンが戦う場所であった


9月10日 生まれてまもないエリザベスは洗礼式を受けた

貴族、金持ち市民、英国国教会の高位聖職者などが

この赤子の為に参列した場所は「オブザーヴァント・フライアー教会」


無事洗礼式は終え、赤子エリザベスは英国王後継者の資格を得た


生誕から洗礼式までのこのプロセスは、父ヘンリー8世と同じであり

女性では英国史上初となる快挙・いや当時は暴挙でしょう・・・


スペイン王家のメアリーですらフランス・スペインの縁談が纏まらなかったので

英国王存続の為「女性だけど仕方ないか、、、」と後継者と認定されたのが11歳


ましてや王妃とはいえ

元々庶子であり

息子ではなく、娘の分際で

生誕間もなく王位後継者となるのがどんなにか異例だったか!


だからこそ賢明なアンプーリンは大量の冷や汗をかいた


彼女のやるべき事は2つある

1つは、早く男の子を産み落とす事

もう1つは、キャサリンとメアリーを中心とするスペイン勢力を粛正する事


洗礼式に参列していたメアリーのどなり声が

行列が出発するグリニッジ宮殿内でこだまする

「何たる屈辱! 何故、私が淫乱女の娘の天蓋を持つ係なのか?」


アン・プーリンにとってはメアリーの怒りが問題ではない

メアリーに我が娘の天蓋を運ぶ係を押し付け溜飲をさげたところで解決しない


メアリーがまだ存命!!で、エリザベスの洗礼式に参列しているという事実が

恐ろしいかったのです

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