ゴム

 現代文明に欠かせないゴム。


 天然ゴムは南米原産のパラゴムノキから採れる。


 上記はゴムの元となるラテックス含有量が全ての植物の中で最も高く、収穫重量の30~50%を占める※1。


 次点のインドゴムノキ※2(18%)の倍以上。


 舞台の殆どが属するであろう温帯でゴムが採れる植物は、


 グアユール            (3~12)


 ロシアタンポポ※3         (0~15)


 ユーフォルビア・カラキアス    (14.3)


 ヨウシュアキノキリンソウ     (5~12)


 程度。


 グアユールは北米の砂漠に、


 ロシアタンポポはカザフ、ウズベク等の中央アジア北部、


 ユーフォルビアは地中海沿岸、


 ヨウシュアキノキリンソウ※4は欧州、北アフリカ、アジアに生えている。


 現在研究されているのはグアユールとロシアタンポポのみで、昔はエジソンが自動車王フォード、フォードにタイヤを卸していたファイアストンと組んでアキノキリンソウからゴムを抽出していた。


 エジソンが31年に亡くなった事※5、同じ性能の人造ゴムがより安価に生産出来た事、伸縮性と強度が従来の天然ゴムと比べて劣る事により顧みられなくなったが……。


 彼らはグアユールを知っていた筈だが、蒔いた年に収穫出来るアキノキリンソウと違い3年かかる※6上に平均収量が低い為選ばなかった。


 エジソン達は抽出に有機溶剤ではなく酸を加えていたので再現するハードルは低い。


 地上部分10㌢残して収穫、洗浄、袋詰めしたら圧搾機にかけ、絞り出した後濾過した乳液に重量比0.1%の酢酸か0.06%の蟻酸を加えれば凝固したゴムを回収出来る。


 いずれ南米や中央アジア、又はそれに相当する地域からゴムを入手したとしても新芽は食用に、全部位が薬用に、花や茎を陰干しした物はお茶、蜜蜂にとっては蜜源植物※7として使えるので無駄にはならない。


 ゴム採取後の物は薬やお茶としては格が落ちる上に、1ha辺りの平均精製後重量がパラゴムノキの550kgに対し含有量の高い株に絞ってもヨウシュアキノキリンソウで120kg、アキノキリンソウで100kgに過ぎない※8が……。


 硫黄やカーボンはゴム本体に比べれば入手が楽なので省略。


 ※1wikiでは30~40%


 ※2インド北西部からインドシナ半島、スマトラ、ジャワにかけて生息。


 ※3ロシアタンポポは品種改良後最大30%。


 ※4日本全域と朝鮮半島に亜種のアキノキリンソウが分布、日当たりの良い川べりや田んぼの周り等水気の多い場所に生えている。


 ※5ロシアタンポポの発見はエジソン没年の翌年。


 ※6グアユールは収穫時に地上部分を全て粉砕しているのでまた3年かかる。


 パラゴムノキは植えてから5年目以降20~25年は採取可能。


 ※7アキノキリンソウ単体の蜂蜜はレモンのような爽やかな酸味が特徴。

 

 近縁種のセイタカアワダチソウはトイレや靴下のような匂いと言われ2級品扱いされた。


 ※8セイタカアワダチソウが平均草丈2m、1ha辺り地上部分重量2500kgなのでヨウシュアキノキリンソウ~100㌢、アキノキリンソウ70~85㌢として平均成分比から推定。


 プランテーションが始まった頃、パラゴムノキのha辺りの精製後重量は500〜600kg。


 以下参考サイト(参考資料の殆どがPDFの為それ以外を記載)


 グアユール


https://www.bridgestone.co.jp/technology_innovation/natural_rubber/guayule/#:~:text=%E3%82%B0%E3%82%A2%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AF%E3%80%81%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E5%8D%97%E8%A5%BF%E9%83%A8,%E3%81%A8%E6%9C%9F%E5%BE%85%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82


 エジソン


 http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/ContentViewServlet?METAID=00215002&TYPE=HTML_FILE&POS=1&LANG=JA


 アキノキリンソウについて


 https://optolov.ru/ja/dizajjn-spalni/zolotarnik-posadka-i-uhod-v-domashnih-usloviyah-podgotovka-k-zime-drugie.html

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