第3章 宇宙人ているの?

私は、いる、と思ってます。人によっては「居た」という人も居ます。近代では「居ない」という人のほうが少ないんじゃないでしょうか? なぜ「いる」と思えるようになったのか(腑に落ちているのか)ですが、近年科学の発達で昔は知り得なかった事実が少しずつ明らかになっています。


我々は孤独なのか


知的生命体なら抱く「疑問」の一つです。断定的に言っていますが、これは知的生命体には好奇心があるからです、なければ知的になれません。だから人類ですら宇宙を探索し、電波を受信し、望遠鏡を覗きます。

言ってしまえば宇宙人がいるかどうかなんか正直あんまりどうでもいいのです。問題は「孤独なのかどうか」が知りたいのです、その探査の結果、近年知り得た事実ですが、どうやら地球型惑星はいっぱいあるみたいです。

一昔前は地球型惑星なんか殆ど無い、と言われていました。理由は夜空に見える星はほとんど全部、恒星(太陽)だからです。地球や火星のような惑星は殆ど最近まで見えなかったので、探しようが有りませんでした、そのせいで「こんな地球のような星は宇宙の中でも稀だ」と思われていたのです。


地球型というのはおおまかに言うと「水が液体で存在していること」です。地球自体がそうですが、水が必要な理由はあとに書きます。厳密に地球型惑星という場合、他にも様々な条件が必要です。磁場がなければ遺伝子は宇宙放射線により破壊され進化できないとされていますし、比較的巨大な衛星、月の様な存在を持っているかどうかや、恒星から適度な距離に位置しているか、近傍天体に土星、木星のような重力の高い惑星が有るかどうか、他にも重力や大気組成など幾つか条件は有りますが、それらを踏まえても、地球に似た惑星は近年ちょくちょく見つかり始めています。


もし我々がこの宇宙で孤独の生命体なら生命は地球で生まれたことになります。


逆に、地球で生命が生まれうるなら、どこの地球型惑星でも生まれる可能性があると言えるはず。


となれば


宇宙には地球型惑星がいっぱいあるんだから、生命は地球で生まれたと考えるよりも、宇宙のどこかの地球ぽい惑星で生まれたか、どこででも簡単に生まれるかのどちらかです。


イメージしやすくすると・・・。


地球が1個しかなければ生命は100%地球産ですが、地球が1万個あれば生命が地球産の確率は1万分の1になります。地球外文明がいっぱいあれば間違いなく我々は孤独ではありませんので宇宙人はいるという結論になり簡単です。


生命誕生は地球発祥ではないのか?


事実、地球型惑星はいっぱいあるみたいですし、実際に地球に生命は居ます。てことは、宇宙のどこかの地球型惑星で生まれ、ここまで運ばれた。と考えるのが自然ではないでしょうか。地球産の確率は1万分の1なんだから。まぁ宇宙には生命が溢れているならやはり地球産の可能性も捨て切れませんが、他の地球型惑星の探査が進めばそれは近年明らかにされるでしょう。


では、もし宇宙の何処かの地球型惑星で生命が生まれたならなぜ地球に生命が居るんでしょう。

何度も言いますが、普通に考えれば「宇宙は生命で溢れている」か「何らかの方法で運ばれた」かのどちらかしか無いと思います。少なくとも人類は地球以外で生命を見つけたことがないので、生命で溢れている、という結論には現時点では信ぴょう性が無いように感じます。


でも、何らかの方法で運ばれたという結論の方は、実際に日々、星々は砕け散り、宇宙に拡散していますし、隕石は毎日地球に落ちています。宇宙は広大ですが、時間も膨大ですから、宇宙のどこかにある地球型惑星で生まれた生命の住む星が、何らかの原因で崩壊し、その生命が運ばれ地球型惑星で増殖した。


増殖して爆発して拡散してを何度も繰り返し、末に地球まで届いた。


まぁ風が吹けば桶屋が儲かる、みたいな論法では有りますが、ただ漠然と生命は地球で生まれた、というよりは信ぴょう性がある気がするのです。


ただひとつ見落とした疑問があります。


なぜ地球型惑星なのか?


1000Gの超重力環境下で進化していたり、6千度の恒星表面の生物だったり、水銀の海にメタンの雨で生活し、金属蒸気を呼吸し、純金を主食とし、核分裂で子孫を残し、硫酸の体液を持ち、体は光輝くような生命かもしれないじゃないか!体重は数グラムでフワフワ浮かんでいたり、霧状の精神しかない生命体だったり、そんなのが居てもおかしくないじゃないか、という人も結構居ます。でもこれは、私にとって納得できる根拠が無く、想像の領域でしか無くなってしまうのです。というのも


キーワードは水


水はとても特殊な物質です。

水はあらゆる物を溶かし、混ぜ、蒸散し、静電気を起こし、落雷などで高分子化し、地熱などで沸騰し、分解し、固体状態では液体より体積が大きく浮いてしまう物質で、水や水蒸気は熱を通さず、熱を溜め込み、温度の平均化を助けます。


火星は大気が薄く、水や水蒸気はほとんど有りません。火星は北極や南極でなくても、日中の日なたが0度で、夜や日陰はマイナス140度、その温度差は非常に極端です。その温度差が重要なのですが、それは火星のどこにいても殆ど変わらず、赤道付近でも日陰は極端に冷え、日なたは高温になります。

一方地球は世界最高気温を記録したアメリカのデスバレーの様な過酷な場所でも、日なたが50度、日陰は40度ですし、北海道でも沖縄でも1日の温度差が他の惑星に比べるととても狭い範囲です。赤道付近でも極地方でも、昼夜や日なた日陰の温度差自体は数十度以内に収まっています。

惑星全体の最高、最低気温は恒星距離と大気の濃さ、自転速度、地軸などで決まりますが、限定地域内の温度差は、熱を保存できる大気や海といった物質が大きく影響するのです。


ということは地球の気温の温度差が比較的少ないのは水蒸気を含む大気と海のお陰で、しかも水は、原子質量の軽い水素と酸素で作られ、燃焼し結合しやすく、原子質量が軽いという特性上宇宙のどこにでも大量に存在します。水には、ほかの物質にない特性が特に多い特別な物質ですなのです。


それが「液体」で存在すると惑星上が一気に実験室になります。火星の薄い大気では砂がちょっと混ざる程度ですし、月は何万年でも大きな変化がなく、太陽や冥王星のような極端な環境では液体の水その物が存在できません。


でも水が液体で存在する環境は大気がかくはんされ、静電気で落雷は生じ、温度の幅は均一化し、環境という実験室を一定に保ち、溶かして混ぜてあらゆる物質を結合させ物質のあり方を変化させます。水がある星は自然の科学実験施設になるのです。

このような水が液体で存在する恒星からの距離がちょうどいい領域をハビタブルゾーンなんて言ったりしますが生命が誕生するかもしれない領域とされていおり、火星はギリギリハビタブルゾーンに入ってるのですが、質量が足りないとか、磁場がないなど、少しだけ条件が足りずに水が液体を保てなかった惑星なのです。


そういった火星とは違い、宇宙には水が液体で存在しハビタブルゾーンにある惑星は信じられないほど存在し、その全ての惑星で今もなお、水が何かを溶かし自然が何らかの実験を行っています。宇宙の歴史の中でそうやってずっと実験されてきました。


その宇宙の悠久の時間の中で偶然どこかで原子がかき回され、新たな分子が生まれ、そうして有機体が生まれ、たまたまDNAと呼ばれる連鎖構造が生まれたと思うのです。沢山の偶然が重なる必要はありますが、現に生命は存在しますし、その確率は非常に低いと思われるものの、無限に思える時間と、信じがたい回数の自然による実験数がなせる、複数の偶然が重なっておきた結果だと思うのです。


それを、世界で一番発行部数の多い本に書かれているだけで明確な根拠が無いまま神の仕業だと言う人も居ますが、まぁその人にとってはそうなのでしょう、それはそれでいいと思います。しかし私は、こうした長い時間をかけた自然科学の力だと思うのです。


ただ漠然と地球で生命は生まれた、だとか、神が作ったとか、宇宙人が植民したではなく、地球型惑星を母星とし、環境適応した形で生命として定着した。と考えるほうが、私は腑に落ちるのです。まぁ宇宙人が地球に持ってきた、というのはありえなくもないですが。


そうして仕組みを想像するとやはり硫酸の体液を持つ生命体が生まれる理由は想像できないのです。まぁ、どれも想像だから、あるかもしれないけどね。


つまり、私が考える宇宙の生命は・・・


宇宙の何処かの、水が液体で存在する地球に似た惑星で、自然が長い時間かけて水を基板に実験した結果、偶然、DNAという構造が生まれ、それが生命となり繁殖し、その星から飛び散った隕石が、DNAという構造を運び、別の地球型惑星に落ちた事がきっかけで、その星に生命が誕生し繁殖しはじめた。地球はその一例。


と考えているわけなのです。


最初の生命が地球型惑星に適応してるわけですから、当然土星や太陽に落ちても繁殖しません。ここで大事なのは「構造」と「環境」です。生命その物が宇宙空間を超えてくるのは極めて困難ですから、隕石で運ばれたDNAは生命ではなく恐らく「構造」で、それが岩に刻まれた分子レベルの空洞かもしれませんし、凍結したタンパク質かもしれません、どんな形で運ばれたかは分かりませんが、そのDNAという2重螺旋のタンパク質を生み出せる何らかの構造が地球に到達し、この地球の環境上で何かをきっかけとし、DNAがDNAとして機能し始めたと考えてもいいんじゃないか。と思うのです。この小さな地球でなにもないところからいきなり生命が発生する、と考えるよりはマシではないでしょうか。宇宙に存在する全てのDNA構造を持った生命には共通する母星があったのだ思います。


となるとですよ


当然、地球だけに生命が居ると考えるのは不自然になります。地球型惑星なら「生命がそこで誕生し無くても」生命がいる可能性は高い、という事になります。こんな引力も小さい銀河系の端っこの地球という星に、超偶然、むちゃくちゃラッキーで、運良く運ばれたというのもどうかと思います。


ということは・・・


実際、地球型惑星は沢山あるのですから、宇宙に生命は結構いっぱいいるかもしれないということになります。その上で、水は、重力や温度、圧力などが、水にとって適度でないと存在できませから、DNAが進化し、生命になり、活動するためには、やはり母星と似た条件が必要と考えるのが妥当だと思うのです。この地球で生命が繁栄したのは生命の母星に環境が似ているからなのです。


となると


もし、宇宙人が居るなら100Gもある星では無く、表面温度が6000度も有るような星でもなく、マイナス200度近い星でもなく、地球と(母星と)似ているような重力で、大気組成や環境も比較的似ている環境下で成長し全面海洋でもなく陸地も適度に有り、大気圧も適度、太陽光も適度、また磁場が有り、降り注ぐ宇宙放射線も適度。生命活動は水が必要ですし、運動や熱を出すための反応に必要な酸素のような要素も必要。そんな場所で宇宙人が生まれているのなら。


そういった環境要素は、生命の成長や進化に深く関わります。


身長は重力に影響しますし、大きすぎると体を維持するためのエネルギーを運ぶシステム、つまり血液の様な物の圧力や、骨格の維持などに影響しますし、そうなると、脳の様な器官の維持や保護と関係します。


つまり地球と同じような地球型惑星で進化したとすれば、こういった生命科学の観点で考えても、宇宙人は人類とあんまし変わらない生き物だと思うのです。


体長が500mもあったり、精神体だけの存在だとか、3マイクロメートルの宇宙人ではないはず。体の主な組成が、宇宙に少数派のシリコンやリチウムベースというのも確率からして明らかに低いはず、やはり我々のように炭素ベースなのではないでしょうか。たとえ腕が5本あっても、1本も無くても驚きませんし、紫外線が見えても不思議じゃありませんが、地球上の生物に共通する何かを宇宙人も持ってるんじゃないでしょうか。


地球型惑星で進化したのであれば、最初の母星で偶然生まれたDNAから進化する生命の形態は、やはり地球型惑星で最適化され、それは地球で進化した我々と似ていると思うのです。


数年前は「宇宙人?馬鹿じゃねーの?」と言っていたのは自分ですし、宇宙人はいる、と断言すると、イロモノを見るような目で見られます。本当に居るかどうかは知らないし、分からない。見つかってないんだもの。でも居ると考えるのが自然で、それは地球生命に似た形で存在している、とするのが私の腑に落ちた結論なのです


地球人に似ている宇宙人は存在します。


でもテレビに出る論客のように、エリア51がががとか、ナサががががとか、月の裏側に基地ががが、と言ってるのとは全然違いますからね。宇宙や世界の法則から考えると、宇宙人は居てもおかしくないという結論になり、それは人類に似ているという結論に達したという話です。


信じるも信じないも(略w

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る