前のエピソード――4.

4'

　結婚式の夢は度々に見る、恐らく願望が強いのだろう。後悔・残念などと言うと表現が直球過ぎる気がしないでもないが、枯れ果てたと思っていた水分が起き抜け驟雨を枕に落とす点から言っても恐らくその辺りが適当なのか。

　歳を経れば情緒にも落ち着きが出るかと思っていたが、大分当てが外れた。寂寥は慣れても消えはせず、浅ましい思考急な癇癪希死念慮は寧ろ日毎いや増す事を認めざるをえない。

　もううんざりだと、投げ出せるならどれだけ良かったか。

　蓋をしていたそんな思考に歯止めが利かぬ程度には今年が限界だ。倍の歳を生きる気は無い、これだけは曲げてはならない。どんな形でも、今年でケリをつけなければならない。

　どうせ口だけ

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る

次のエピソード 5.